第26話 生活魔法とは……
どうしてなのか、なぜなのか。
きれいなジャ○アン魔法が爆誕して、私も母さまも困惑しいる。
「キャリーの魔力が増えたのはわかるわ。でも、生活魔法でこんな風になるなんて聞いたことがないわ。なぜかしら……」
母さまは考え込んでしまった。
私もわからないので、妖精のベルに念話で聞いてみる。
『ベル、どうして?』
『さあ?』
まったく興味なさそうな返事だ。
はっきりした原因はわからないけど、結果はある。
だったら、私のきれいなジャ○アン魔法をいかす方向で考えてみてはどうだろう?
「母さま、母さま」
私は考え込んでいる母さまのスカートの端を引っ張る。
「母さま、ちょっと試してみたいことあるの。お家に帰りゅ」
「わかったわ」
母さまと歩いて家の前に来た。
このボロイ掘っ立て小屋にクリーンをかけたらどうなるのだろう?
私はきれいになあれと念じながら生活魔法クリーンを発動した。
「クリーン!」
ゴウ! 魔力の風が家を包む。
金色のキラキラした魔力の残滓が空に消えて行く。
「こうなりゅんだ……」
「まあ!」
私たちが住んでいる家がきれいになった。
いや、きれいになったといっても、掘っ立て小屋が物置になったくらい。
大きさも形も変っていない。
けれどあきらかに『きれいなジャ○アン』している。
家がドヤッている。
なんだかちょっとムカつく。
家の中に入ってみると、間取りは変っていない。
家の中に置いてある物も変わっていない。
もっとも物は少ないけど。
けれどピカリンと光り輝いている。
ドヤッている。
なんかムカつく。
「なんにゃのこれ?」
私はきれいなジャ○アン魔法に若干イラッとした。
まあ、使えるけどね。清掃+修復って感じで。
ただ、建物がドヤッていると感じるのはなんとかして欲しい。
「キャリー! ありがとう! とてもきれいになったわ!」
母さまは喜んで私をギュッと抱きしめた。
板張りの床は、高級木材を磨きあげられたフローリングのように飴色に光輝き。
隙間風を防ぐためにアチコチ木の葉が埋め込まれていた壁は、どこかの高級別荘のようなオーク材っぽい壁に変っている。
ただ、ゴッソリと魔力は持っていかれた。
それでも、まだまだ私の魔力はあるから問題ないけどね。
「母さま、あと一つ試したいことがあるにょ」
「はい、はい。やってみましょうね」
母さまは上機嫌で私に返事をする。
威力過剰クリーンの使い道が出来たところで、次の生活魔法だよ。
「ねえ、ベル。水が必要な畑はない?」
「ん~? あると思うよ~。探してくる~」
ベルは窓からぴゅーっと飛んでいって、すぐ戻ってきた。
ベルの案内で水が必要な畑へ向かう。
水が必要なのは、すぐ裏の畑だった。
「この畑はちょっと水が足りないわ。まだ種だけど水が欲しいって言っているの」
「わかった」
私は畑の上空に向けて生活魔法を放った。
「ウォーター!」
物凄い量の魔力を持って行かれた!
そして晴れていた空が黒く曇りゴロゴロと音が鳴る。
何事……?
ザーっと雨が降ってきた!
夕立だ!
母さまはポカンとして空を見上げている。
「キャリー……これは……」
「母さま! 雨に濡れると風邪をひくよ! 早くおうちにかえろう」
「そ、そうね!」
私たちは、慌てて家に帰った。
夕立はざーっと降って五分くらいでやんだけど、まさか生活魔法が天候に影響を与えるとは思っていなかった。
「母さま、生活魔法ってしゅごいね!」
「えー……、あー……、そうねぇ~」
「キャリー! やり過ぎよ!」
母さまは困った顔をして、ベルは腹を抱えて笑っていた。





