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転生幼女のわくわくスローライフ! ~変換スキルで異世界の開拓村を豊かにします  作者: 武蔵野純平@9/18マンガ蛮族転生3巻発
第二章 キャロライン村の大改革!(二歳)

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第19話 祝福の儀式

 父さまと二人旅が続く。


 泊まるのは村の領主の家だ。

 領主の家といっても、ウチと変らない。

 小さな掘っ立て小屋のような家で、雨風がしのげて床があるだけありがたい。

 ベッドなんてないので、床にホーンラビットの毛皮を敷いて父さまとひっついて寝るのだ。

 父さまの匂いも好き。


 翌朝、泊めてもらったお礼に野菜や小麦を渡す。

 今日、泊めてもらった家には、五歳くらいの男の子と三歳くらいの女の子がいた。

 父さまは大サービスでリンゴを二つ渡した。


「お子さんに食べさせてあげてください」


 開拓村はどこも貧しい。

 大麦、小麦、ジャガイモにキャベツ。

 リンゴは贅沢品なのだ。

 男の子も女の子も大喜びで、母親は目を潤ませ、父親は父さまとガッツリ握手をしていた。


「かたじけない」


「いや、たまたま持っていただけです。日持ちしそうになかったので差し上げます」


 父さまの優しい嘘は見え見えだけど、父親はありがたく父さまの嘘を受け入れていた。


 この人も新貴族なんだよね。

 父さまと同じように貴族家を継げなくて、新領地にぶち込まれた口だ。


 私は良かったねと思うと同時に、何ともやるせない気持ちになる。


 私たちの住むキャロライン村からニューゲートの町まで三日かかる。

 泊めてもらった村、通り過ぎた村は、どこも貧しくて、食うや食わずの生活をしているとわかった。


 ただ、良かったこともあるよ。

 父さまと沢山お話が出来た。


 魔法のこと。

 魔銃のこと。

 特に領地であるキャロライン村のことは、かなり色々話をした。


 父さまとしては、私の変換スキルやベルの能力、そして守り木の力を利用して、キャロライン村を富ませたい。

 私に異存はないので、バンバン協力すると答えた。


 私の希望としては――。

 小麦、大麦、キャベツ、ジャガイモは、村人を満たすだけ収穫できるようになった。

 次のステップとして、作物のバリエーションを増やすこと、てん菜のような商品作物を増やすこと、馬耕、家のリフォーム、水車、鶏、豚、牛などの家畜を増やす、私の魔法や魔銃を得ること、そして母さまに栄養のある物を食べさせたいことを伝えた。


 お金がかかることなので、全部を一気には出来ないけど、順番に実現し行くと父さまは同意してくれた。

 特にてん菜の栽培は、すぐに取りかかると言う。


 なんか父さまはいっぱいいっぱいになってた……。

 ちょっと詰めすぎたね……。

 かわいい娘との旅行のはずが、業務会議になってしまい……。

 ごめんね、父さま。



 三日目の夕方、ニューゲートの町へ到着した。

 汽車が町へ滑り込んでくる光景が見られて、私はとても楽しい気持ち。


「まず、キャリーの魔法からだ。教会へ行くよ」


「あい!」


 教会は町の中心部にあった。

 木造だが大きな建物で尖塔には鐘が吊るされている。


 教会の中に入ると、広い板張りのホールになっていた。

 奥には白い女神の石像が立てられている。


 あっ……!

 転生する時に会った神様だ!


 奥の方から白いひげを生やしたおじいちゃんが出て来た。

 白地に金糸の入った立派な服を着ている。


「教会に何か御用かな?」


「私はラ・ファール男爵家三男のアランと申します。現在は新騎士爵として新領地で開拓を行っております」


「おお! ご領主様でいらっしゃいますね! 私は司祭のペイラマールです」


「司祭様にお願いがございます。こちらは娘のキャリーです。キャリーに祝福の儀式をお願いいたします」


 父さまの申し出にペイラマール司祭は、首を傾げた。

 司祭の反応は無理もないのよ。

 移動の間に父さまに教えてもらったことだけど。

 魔法を使えるようになるには、教会で祝福の儀式というのを行う。

 そうすると魔法が使えるようになるそうだ。

 さらに魔力の蓋というものが開いて魔力を扱い易くなるという。


 しかし、魔法というのは攻撃魔法が多い。

 子供がいたずらでファイヤーボールを撃ったりしたら大変なことになる。

 そこで祝福の儀式は、十五歳前後に受けることが多いそうだ。


 二歳の私が祝福の儀式を受けるのは異例といえる。


「ご令嬢は見たところ二歳か三歳でございましょう。祝福の儀式を行うには、少々早いのでは?」


「ごもっともですが、キャリーは非常に賢く優しい子です。魔法を悪用しないようにしっかり私と妻が指導いたします。それから、キャリーの髪をご覧いただければ……」


「なるほど、光属性ですね」


「はい。光属性であれば、祝福の儀式を早く行っても問題ないかと。開拓村では役に立ちますので」


「ふむ。そういうことでしたら、よろしいでしょう。フェアリーにも懐かれているようですし」


 魔法の属性は髪の色や瞳の色に影響が出る。

 多分、私は光属性。

 光属性は『ライト』という照明の魔法しかないそうなのだ。

 だから問題なしと司祭様は判断した。

 私の場合は魔力が扱いやすくなれば、変換スキルが効率化するかもしれないし、魔銃が扱いやすくなるかもしれない。

 それに光属性魔法の研究もしてみたい。


 だから、早めに祝福の儀式を受けるのだ。


「それではご令嬢はこちらへ」


 司祭様に促されて、私は白い石像の前に立った。

 司祭様は優しく私に語りかける。


「さて、キャリー殿。これから祝福の儀式を行います。神が良いと思えば、あなたは魔法を使えるようになります。神に祈りなさい」


「あい!」


 司祭様が祝詞を唱えだした。

 私は白い女神様の像に向かって真剣に祈った。



 神様……。

 転生させて下さってありがとうございます。

 父さまと母さまはとても優しくて私は幸せです。

 今度、母さまが子供を産みます。

 私、お姉ちゃんになるんです。

 妹か弟か分からないけど、守りたいんです。

 それには魔法の力が必要です。


 それから村の人たち。

 村は貧しくて、村の人たちも大変なんです。

 いただいた変換スキルを使って、村の人たちをもっと助けたいです。


 だから魔法を使わせて下さい。

 魔力の蓋を開いて、魔力を沢山下さい。

 お願いします!



 私が祈っていると、司祭様と父さまが騒ぎ出した。


「おお! 女神様が!」

「キャ……キャリー!」


 一体何だろうと目を開けると、私の目の前にキラキラと光が振っていた。


「あ……」


 私の中で何か熱い物が体中をかけめるぐっている。

 私は本能的にわかった。

 魔力の蓋が開いて、これまでと比較にならないような大きな魔力を得たと。


 これで魔法も使えるし、変換スキルもいっぱい使える。


 ――神様ありがとうございます。


 私はもう一度神様に祈った。

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