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転生幼女のわくわくスローライフ! ~変換スキルで異世界の開拓村を豊かにします  作者: 武蔵野純平@9/18マンガ蛮族転生3巻発
第二章 キャロライン村の大改革!(二歳)

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第17話 ぶどう畑と魔物

 ベルが見つけた場所は、家からかなり離れた場所だった。


 家の周りに畑があり。

 その先に村の畑があり、開拓されていない野原があり。

 さらにその先にある開けた場所だった。


 ヨーナスがしゃがんで土を見る。


「んん? 結構、砂利が混ざってるけど、ここにぶどうを植えるんですかい?」


 私も母さまにお願いして地面に下ろしてもらった。

 なるほどヨーナスの言う通り、土に石が混ざっている土地だ。

 草はあまり生えていない、荒れ地という印象だ。


 本当にこんな土でぶどうが育つのだろうか?


 私は気ままに飛び回るベルに聞いてみることにした。


「ベル、本当にここで良いの? 荒れ地に見えるよ?」


「大丈夫よ。この子は水はけの良い土地が好きなの。さっきの野原は他の子を育てたいでしょう?」


 なるほど。

 ベルは畑の拡張を考えてくれたのか。

 村の畑を拡張したい時に、さきほどの野原は耕作しやすい。

 馬耕で一気に土を掘り返して、小麦でも野菜でも作りやすい。


 逆に、この荒れ地っぽい場所は、石が混じっているので掘り返しづらい。

 たぶん、畑としては使わない土地だろう。

 ならば、逆に活用しようということね!


 ヨーナスは首をひねって、父さまに聞いた。


「旦那様ぁ! 本当にここでいいですかね?」


「ああ、ベルちゃんがここと言うなら、ここが良いのだろう。ただ……、森が近いな……」


「そうッスねぇ……。作業はあっしがやります!」


「頼む。僕は森を見ておこう。魔物が来たら厄介だからな」


「私も見るわ」


 父さまが母さまに魔銃を渡す。

 二人は荒れ地の先にある森を見ている。

 森に魔物がいるのだろう。


 私は周囲を見回す。

 背が低いので視点が低く、あまり遠くまでは見えないけれど、荒れ地はかなり広い。

 それから左に川音が聞こえるので、左側に川があるのだと思う。

 川と森。ここが開拓村の外縁部か……。


 ヨーナスがベルに指示されて作業を始めたので、私はトテトテと歩いてヨーナスのそばに寄る。

 ヨーナスは鉄シャベルで荒れた土をほぐし穴を掘っていた。


「ヨーナス。穴の底には砂利を敷いてね」


「砂利を?」


「そう。その子は水はけが良いのが好きなの」


「あいよ」


 ヨーナスはベルの指示通りに作業を行い、ぶどうの苗木を植えた。


「ヨーナス! 次の種はこっち!」


「はあ、かなり間を開けるんだ」


「そうよ! 元気な子だから間隔を広くとって」


「あいよ! じゃあ、ここらを掘るかな!」


 ヨーナスは元気よく地面を掘って、底に砂利を入れてから種を植える。

 そして目印として木切れを立てた。

 ヨーナスが要領よく作業を続ける。


 これでぶどう畑が出来るなぁ、ベルの力が貯まったらぶどうを生長させてもらおう――と、ノンビリ考えていたらベルが厳しい声を出した。


「アラン! マリー! 森の魔物がこちらに向かってるわ!」


「えっ!? 本当!?」


「そうなの!?」


 父さまと母さまは、驚きながらも魔銃をしっかり構えた。

 ヨーナスが私を手招きする。


「さあ、お嬢様は、あっしの後ろへ!」


 私はヨーナスの後ろへ回った。

 ヨーナスはスコップを構える。

 父さまも、母さまも、ヨーナスも勇ましい。

 私はちょっと意外で驚いてしまった。


 私はヨーナスの足をつかんで、ヨーナスの足の間から森を見る。


 森は私が知っている日本の森よりも深く暗い。

 一本一本の木は太く背が高い。

 巨人が大暴れするマンガに出てくる森は、こんな感じなのかなと思うような迫力、圧倒的な存在感がある。


 ベルはどうやって魔物の存在を感知したのか?

 スキルや魔法的な物?

 それとも耳が物凄く良いとか? スーパー妖精イヤーとか?  デビルイヤー的な?


「あっ……」


 私にも聞こえた。

 タッタッタと地面を蹴る軽快な音が聞こえる。


 ベルが空中でホバリングしたまま父さまと母さまに声を掛ける。


「来るわよ~!」


「了解だ!」


「いつでも大丈夫!」


 突然だった。

 森から大きな物体が飛び出してきた。

 私は驚いて思わず声に出す。


「えっ!? なに!?」


「ホーンラビットですぜ! お嬢様!」


 ヨーナスの答えに気持ちが落ち着く。

 狩られたホーンラビットは見たことがあったけど、動いているホーンラビットは初めて見た。


 軽快に飛び跳ねて、こっちへ向かってくる。

 茶色の毛皮に大きな耳。

 ずんぐりとした体なのに動きは速い。

 バイクくらいのスピードが出てる。

 頭についた鋭い角が恐ろしい。

 あんなのに突かれたらひとたまりもない。


 でも、父さまも母さまも落ち着いた表情をしている。

 それからヨーナスも。顔は見えないけど、先ほどの返事は力強かった。ビビってない。


「あっ!」


 父さまと母さまの魔銃が光り、パシュ! という破裂音が聞こえた。


「キュー!」


 ホーンラビットが悲鳴を上げて倒れた。

 本当に一瞬の出来事で私はポカンとした。


「良かったですね! お嬢様! 今夜は肉が食べれますぜ!」


 ヨーナスが嬉しそうな声を上げた。


 ――あれが生きている魔物。あれが魔銃。


 私は大きな衝撃を受けた。


 あっ……でも、お肉楽しみ!

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