↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生幼女のわくわくスローライフ! ~変換スキルで異世界の開拓村を豊かにします  作者: 武蔵野純平@9/18マンガ蛮族転生3巻発
第二章 キャロライン村の大改革!(二歳)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/33

第16話 魔銃

 父さまと母さまはお砂糖が入手できること、柔らかいパンが食べられることを喜んでいた。


 イヤイヤイヤ!

 この程度で満足してもらっては困りますよ?

 妹か弟が生まれるんですよ?

 わかってます?

 私は元会社員ですから、一つ一つ詰めていきますよ?


 私は父さまに向かって手を伸ばした。


「父さま! 母さま! ぶどうの苗木! 種!」


「あっ! そうだね! どうしたらいいのかな……」


「ぶどうも欲しいわね……。ぶどう畑……出来ないかしら?」


 ぶどうの苗木は、時間が経てば弱ってしまうと思う。

 早く植えてあげた方が良い。


 私は妖精のベルを見た。

 ベルはテーブルの上で腹ばいになって、フィギュアスケートの中井亜美選手みたいに足をブラブラさせている。

 ベルは基本ヒマな人だ。人というか妖精。精霊だ。

 ちょっと何を考えているのかわからないところがあるけれど、私の味方だし、頼んだことはやってくれるし、聞けば知っていることは教えてくれる。

 ただ、積極的に助けてくれることはない。

 こちらからボールを投げなければならないのだ。


 私はベルに念話を飛ばした。


『ベル。ぶどうの苗木をどんな場所に植えれば良いか知っる?』


 どんな作物にも適した場所がある。

 暖かいところを好む作物、涼しいところが好きな作物。

 ぶどうも適した耕作地があるはずだ。


 ベルは足をブラブラさせながら答えた。


『うん。知ってるよ』


『この村にあるかな?』


『うーん、どうだろう? 探しに行こうか?』


『お願いします!』


 よし! ベルが手伝ってくれる!


「父さま、母さま。ぶどうをどこに植えるのか、ベルに聞いてみようよ」


「ああ! そうだね! ベルは詳しいんだよね!」


「ベルちゃん。ぶどうを植えると良い場所に案内してくれる?」


「良いよ~。探しに行こう!」



 というわけで、ぶどう畑を作る場所を探すことになった。


 父さまは銃を二丁背負い、母さまが私を抱っこする。

 そして父さまはヨーナスという若いお兄ちゃんをお手伝いで呼んできた。


 ヨーナスは野菜の収穫を手伝ってくれたり、狩りの時に父さまとのお手伝いをしてくれる。

 大変失礼ながら、ちょっと間の抜けた雰囲気の十八歳くらいのお兄ちゃんだ。

 ヨーナスは背中に籠をしょって、籠には苗木や農具が入っている。


 妖精のベルは羽根をパタパタさせながら気ままに空を飛ぶ。

 あっちへふらふら、こっちへふらふらしながら、ぶどう栽培に適した場所を探している。


 私は妊娠している母さまがちょっと心配になった。


「母さま。お腹の赤ちゃん大丈夫? 私、重くない?」


「まあまあ。キャリーは優しいのね。大丈夫よ」


 母は優しく微笑む。

 この感じだと本当に大丈夫そう。

 私は安心して母に抱かれる。


「ねえ。ヨーナス」


「へえ、キャリーお嬢様、なんでしょう?」


「ヨーナスも銃を撃つの?」


「いえいえ。魔力がないんで撃てません」


「えっ……」


 あれっ? 何だろう?

 魔力がないと銃が撃てない?

 どういうこと?

 私の頭の中は、クエスチョンマークで一杯になった。


 かといって迂闊な質問は出来ない。

 私が転生者であることは伏せているのだ。

 前世の銃は誰でも撃てましたよなんてことは言えないし、銃を知らない体を装わないとおかしい。


「じゃあ、ヨーナスはどうやって猟をするの?」


「へえ、昔、大旦那様の領地にいた頃は、弓矢を使いました。あっしは農家の六男坊だったんで、狩りに行かなきゃ肉が食えなかったんでさあ」


「そうなんだ」


「へえ。けど、こっちでは旦那様が魔銃で狩りをなさるので、獲物を解体したり、毛皮をなめしたり、お手伝いをしてまさあ」


「そっか。ヨーナス、ありがとう」


「へへ。お安いごようですぜ」


 ヨーナスは顔を赤くして笑った。

 話し好きな気のいいお兄ちゃんだ。


 ヨーナスの話から、猟は弓矢か魔銃でするということがわかった。

 どうやら私がいた世界の銃とは似て異なる物のようだ。


 私は思いきって母さまに聞いてみた。


「母さま。私でも魔銃を撃てる?」


 現代日本なら顔を真っ赤にして叱られそうだし、一方で全米ライフル協会が泣いて喜びそうな発言だ。


 けれど、ここは元いた世界じゃない。

 世界で一番治安が良いといわれた日本じゃない。


 僻地にある開拓村で警察なんかいないし、森には魔物が出る。

 魔物は人を見れば襲ってくる危険な生き物だし、魔物ほどではないけれど危険な野生動物もいる。


 危険度のレベルが、元いた世界とは違う。

 身を守る手段が必要だと思うの。


 ――そこに銃を持ったヒーローがいれば。


 賛否両論のある言葉だけど、少なくともこのキャロライン村――異世界の開拓村ではあてはまる言葉だと思う。


 さて、母さまは何と言うだろう?

 叱られるかな?


 恐る恐る母さまを見上げると、母さまは笑顔で私の質問に答えた。


「ええ。キャリーも魔力があるから撃てますよ。けれど、もっと大きくなってからですよ」


「あい!」


「キャリーの体格では魔銃を抱えられませんからねぇ」


「あい……」


 あの……、もっと大きくなってからっていうのは……、年齢の話や安全上の問題じゃなくて、魔銃のサイズや体格の問題なのか……。


 私が魔銃を持ったヒーローになる日は近そうだ。


「あー! ここが良いわ! ここ! ここ!」


 ベルがぶどうに適した場所を見つけたようだ。

 少し先で叫んでいる。

■魔銃について

火薬を使った銃のない世界で、魔力を使った銃がある。

それなら魔銃でなく単に『銃』と呼ぶのではないかと思ったのですが、『魔銃』と書いた方が読者様にわかりやすいと考えて、魔銃と表記することにしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

■お知らせ■

蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服3巻

2026/9/18(金)に『蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服』コミカライズ3巻が発売!
ISBN:9784046603784
出版社:KADOKAWA MFC

全国の書店、Amazon、電子書籍サイトにて、ぜひお買い求め下さい!
↓
蛮族転生! 負け戦から始まる異世界征服3巻(Amazon)


■ランキング参加中! 応援よろしくお願いします! m(_ _)m■
↓
★★★小説家になろう 勝手にランキング★★★

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。