アステリアの日常その二
部屋に戻ってとりあえず一番薄い本を読んでみた。
そして思ったことがある。
経営ではなく、領地の運営というかなり絞られた分野に関する本だったと
考えてみればそうだよね、商家でもないのに経営の本を持っているわけないか…
領地の運営も知ってて損はないだろうし、3冊全部読んでみよう…!
と意気込んだのはいいものの、3冊とも同じような内容であまり学んだとは言えない気がする。
領地の運営は、領民との関係性、その土地の気候、土壌によるもの
というような内容だった。
確かにそうなんだろうけど、土の改良だったり、作物の保護をしたりできることはいろいろあると思うんだよね。そういうことって書かないの?
この世界の文明ってあまり発展していない疑惑あるね。これはいろいろ試す甲斐がありそうじゃん。
誰もいない部屋でニンマリと笑ってしまった。将来のための資金作りには困らないかもしれない。
そうこうしているうちにあっという間に時間が過ぎ、歴史の授業が始まった。
歴史については、エーファ様の夫のデアル様が教えてくださる。歴史についてしっかり学ばねば…!
アステリアが暮らすベルモント王国の人口はおよそ1万人。かなり大きな国に分類されるらしい。そのうち貴族が約3000人、一般市民が7000人。貴族はそう多くはないようだ。
およそ100年前、4人の賢者によって建国されたらしい。その4人のうち、1人は王になり、他3人は自分のやりたいことに専念したという。3人は自分の名前で学園を作り、貴族は必ず何れかの学園に通うようにしたいという要望を王に出し、法律ができたのだとか。
なるほど、それがアルベスタ、フィンラー、ラルモンテの3つの学園というわけか。
いまのところ大きな戦争はなく、平和みたい。ただ、ベルモント王国から馬車で1週間くらい行ったところにある軍事国家セリバヌスが戦争を起こす可能性があるらしい。
この国のことが大まかにわかってよかった。平和な国に転生できたのはほんとうに運が良かったかも。
この日の授業はここまでになった。デアル様の説明のあとに受けた簡単なテストに全問正解できたからである。今日の私は優秀だった!
デアル様はどうしたんだと目をパチパチさせながら私を見ていたが、何も言わずに出ていった。
記憶を辿ったときに見えたんだよね、今までのアステリアが授業を真面目に聞いてなかったこと。歴史はつまらなかったらしい。窓の外を見てぼーっとしたり、髪をくるくるしながら遊んだりしていればデアル様だっていいように思わないよね。
私がアステリアになったからにはこの世界を全力で楽しみたいから、そのために必要な知識はしっかり身につけるよ!
今日の授業はここまでなので、私は部屋を出て庭へ向かった。体力をつけるために!




