アステリアの日常その一
「では、算数の授業から始めましょう」
朝10時、勉強が始まった。
今日は8時半くらいにノックの音で起きて、メイドに手伝ってもらいながら着替えて、食堂で朝食を食べた。朝はみなバラバラだ。今日は一人だったから、のんびり堪能しながら食べることができた。領地で取れた野菜や果物をふんだんに使用した食事は本当に美味しかった。
食後、少し庭を散歩して頭を活性化?させたあと、部屋に戻って先生が来るのを待った。私担当の先生の名はエーファ。ジェスト伯爵家の方だ。アステリアが女性がいいとわがままを言ったからエーファ様に決まったのだが、これについてはナイスと言える。エーファ様はとてつもない美女だからである。目の保養になるじゃんね!
私はニコニコしながら授業を聞いていた。
「では、このベージの計算をやってみましょう。」
例題の解説が終わり、演習問題にうつる。4桁の足し算なのだが、計算しやすいように筆算にする。全部で5問、3分ほどで解き終わり、エーファ様に声をかける。
「もうできたのですか…!」
驚きの声をあげながらエーファ様は私の出した答えを解答と照らし合わせる。
「全問正解です!少し計算が複雑なのですが、完璧です。今日はここまでです。お疲れ様でした。」
エーファ様が片付けをして出ていったあと、私はのびーっとして父の書斎に向かう。歴史の授業は午後からなのでまだまだ時間はある。
父の書斎は3階に上がって1番手前の部屋だ。何かあったときにすぐ出られるようにと階段のそばにしたんだそう。書斎の前には執事のモルゲンが立っていた。モルゲンは60歳、我が家に仕えて30数年が経つらしい。長く白い髭をリボンでまとめているのが特徴的だ。
モルゲンは私に気づくと、私の目線にあわせてかがみ、何か用かと尋ねた。
「お父様の書斎にある経営学の本を数冊貸していただきたいのです。」
私のお願いにモルゲンは頷くと、父の書斎に入っていった。中から話し声が聞こえる。数分後、3冊の本を持ってモルゲンが出てきた。
モルゲンにお礼を言いながら本を受け取る。どうやら経営の基礎の本を持ってきてくれたようだ。これはありがたい。私は本を抱えてるんるん気分で部屋に戻った。
さーて、この世界の経営学がどういうものか学んでいきますか!転生前の日本で学んだ知識が活かせますように…
心の中でそう願い、借りてきた本のうちの1冊手に取りページをめくった。




