性悪だったわたし
水面に映るいまの自分の姿を見ていると、頭にいろんな記憶が蘇ってきた。これはたぶんこの子の記憶だ。
意識が変わる前の…
まず名前はアステリア。マロミス伯爵家というところの次女で、父、母、姉、兄、弟がいる。マロミス伯爵家は農作物が豊富、また上から目線で接していないため領民と良好な関係を築いている。
いい家じゃないか!
ひとまず私はアステリアだと言うことはわかった、が問題はここからだった。。
姉、兄には婚約者、弟には婚約者候補がいるのだが、私にはいない。8歳のときに王宮で王妃様主催のお茶会、という名の王子の婚約者候補を決めるお茶会があったのだが、私はそこでやらかしていた。
気が弱そうな、いや、儚げな見た目の、名前も知らない令嬢に突っかかり、ドレスに紅茶をぶっかけ喚き散らしたのだ。理由は王子がその令嬢ばかり見ていて面白くなかったから。
あとからブレナン侯爵家の令嬢だったとわかり、父母といっしょに渋々ながら謝りにいっていた。
その際も親の見ていないところで令嬢の袖を引っ張ったり、足を引っ掛けたりしていた。
本当のアステリアって現代で言うところのただの性悪女じゃん。
たぶん王子は王妃から事前に候補者を聞かされていて、丁寧に対応していただけなのではないかと思う。侯爵家の方が伯爵家よりも身分が上なんだし。
しかし、そんな大人の事情を8歳の子が知ってるわけない。
そんなことがあってか、アステリアに婚約の話が来ることはなくなった。それはそうだろう。
兄弟みんなに婚約者、もしくは婚約者候補がいるのに自分だけ婚約者が決まらないのはそりゃおもしろくない。
アステリアは兄弟たちに会うと、すれ違いざまに嫌味を言うようになった。その結果、兄弟との仲も良くない。
10歳のアステリアの周りにはこうして誰もいなくなった、というわけだ。最低限の教育は受けさせてもらえているが。
転生前、本当のアステリアがどんな子だったのかは大体分かった。いろんなことが思うようにいかず、いじけてしまったのだろう。
しかし、今のアステリアは私。私が思うように生きさせていただこう!
とりあえずまだ10歳だし、婚約者はいらないな。婚約者を催促するのはやめよう。
で、勉強は頑張る!家事も一通りできるようになる!
そうすればひとまず困らない!
私の目標は異世界でのんびり楽しく、第二の人生を歩むこと!元の世界に戻る方法はわからないし、この世界で前向きに生きていくしかない
私は決意新たに、ひとまず家に戻ることにした。




