王宮でのお茶会
手紙を受け取って3日、あっという間に王宮へ行く日がやってきた。前回のパーティーでの経験を活かして、ピンクのドレスを選んだ。もちろん、あまりゴテゴテしてないドレスだ。
今日は父と一緒に王宮へ行く。正式な婚約者候補の集まりだからということらしい。私のドレスを見て、前回と全く違う雰囲気のドレスにしたのだな、というような目で見られた。父にエスコートしてもらい、馬車に乗る。馬車に乗っている間に考えることは今日の振る舞い方だ。とりあえず、積極的な発言はせず基本は受け身の姿勢でいる、婚約者になりたいかと聞かれたらそれはキッパリNOと答えることにした。
王宮へ着くと、まずは父と共に陛下に挨拶する。そして、私は王宮のメイドの方に花がたくさん咲いている庭に案内された。父はスーツ姿の男性に話しかけられていたので、暇な時間を過ごすということはなさそうだ。
案内された庭の中央にティーセットが置かれたテーブルと椅子が5脚ある。王妃様か第一王子のどちらかが座るのが慣例だと母に聞いた。身分の低い私が一番に着いたようだ。まあそうなるように時間を調整しているのだろう。メイドの方が引いてくれた椅子に座り、他のご令嬢方が来るのを待つ。
20分後、全ての婚約者候補が揃った。
緩やかなプラチナブロンドの髪が綺麗なのがマリーン様
サラサラストレートの銀髪の方がサラ様
肩より少し下くらいのミディアムヘアで、茶髪の方がファリナ様
よし、髪の色でなんとかご令嬢方を区別出来そうだ。マリーン様とファリナ様は可愛い系、サラ様は綺麗系の顔だ。みんな似たような顔じゃなくてよかった…!
「皆さん揃いましたね。それではお茶会を始めましょう!今日は顔合わせなので、軽い気持ちで楽しんでいただけると嬉しいわ。」
王妃様の声がけでお茶会が始まった。順番にカップにお茶が注がれていく。私以外のご令嬢は積極的に話をしている。どうやら、私以外は第一王子の正式な婚約者になりたいみたいだ。会話に入らないことで、私はライバルじゃないですよーとアピールできていると思う。
静かにお茶を飲んでいると、数年後に入学する学園の話になっていた。
「殿下の婚約者候補ですし、皆様もラルモンテ学園へ入学されますよね?」
マリーン様の言葉に、サラ様とファリナ様ははい、と頷いている。
私だけ、え、そうなの?となっているのだが、ここは2人に合わせて頷いておく。
「婚約者候補になった時点でラルモンテ学園への入学は決まっていますものね。学園に入学したらよろしくお願いします。」
サラ様の言葉に私は内心穏やかではいられない。婚約者候補になった時点で強制的にラルモンテ学園に入学が決まってるなんて知らないんですけどーー!!
この場で叫びたいのを我慢して他の2人にあわせてこちらこそ、と返事はしたが、私はラルモンテに行く気は全くないんですけど!ちょっとこれは帰って父に相談だ…。
「殿下の婚約者として私、学園でしっかり学びますわ。」
「あらマリーン様、まだ正式に婚約者と決まったわけではありませんのに。」
「サラ様のおっしゃる通りですわ、私達は候補なのですから。」
おや、マリーン様はもう自分が婚約者として決まっているかのような口ぶりだ…。サラ様とファリナ様の顔が少し引きつっている。
「ふふ、今はまだ、ですわ…。」
わーお、マリーン様怖い。この中で一番ギラギラしてるタイプかも。
このお茶会、穏やかに終わるのだろうか…?




