家族と向き合う
商会の設立にジャージ制作依頼、とりあえずやりたいことは順調にできた。あとはジャージの完成連絡を待つのみ!
ふんふーん♪と鼻歌を歌いながら朝食を食べに食堂へ向かう。扉を開けると、なぜか家族が揃っていた。いつもならみんなバラバラの時間に食べてるのに…?あれ、今日何かあったっけ?
執事のタイラーに促され、私は自分の席につく。どうやら家族もまだ朝食を食べていないようだ。
「おはよう、アステリア。」
「おはようございます、お父様。」
「アステリア、王宮から第一王子エリック様の婚約者候補の一人に選ばれたと正式に通達があった。アステリアは了承しているとあったのだが、それは本当か?」
あー、その話か!第一王子襲来からもう結構経つもんな…。正直忘れかけてたけど。
「私一度は辞退したのですが、第一王子殿下から再度候補に…と。二度もお断りはできないと思いまして。」
「ふーむ、その判断は正しい。だが、なぜその後すぐ報告しない?突然王宮から通達があってみな驚いたのだぞ。」
「冗談かと思ったのてす。それに、私は第一王子殿下と婚約する気は全くありません。」
私の婚約する気ない宣言に父はもちろん、母や兄弟たちも驚いた顔をしている。
「でもアステリア、あなた以前あれほど自分にも婚約者をと言っていたじゃない?」
「お姉さま、それは過去のことです。以前申し上げた通り、私に婚約者は不要です。」
「だがアステリア、婚約しないとなると成人後はどうするつもりなのだ?」
「私が家にずっと残るとこれから先お兄様にとって不都合であることは理解しています。私は成人後はどこか遠くでのんびり暮らしていこうと考えております。」
私の将来設計にこれまた家族全員驚いている。
「なぜ女性は結婚しないと幸せになれない、と思われるのですか?平民では女性も働いておりますし、一人で暮らしている方もいると聞きます。私もそういう生き方をしたいのです。それに、婚約や結婚をするのであれば好きになった方としたいです。」
私の真っ直ぐな言葉に父は少し目を閉じ大きなため息をついた。
「アステリア、2年前のパーティーでの出来事でお前を甘やかしすぎたと思っていた。だからそれ以降厳しく接するようにしてきた。…とても成長したんだね、アステリア。」
父の言葉に母は少し涙ぐみながら頷いていた。
「私も、アステリアに少し冷たく接していましたね…。ごめんなさい。」
「私もだ、すまないアステリア。」
「アステリア姉様、今まで生意気な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした。」
姉兄弟それぞれからも謝罪された。てっきりアステリアは嫌われていたと思っていたけど、どうやら違ったようだ。…転生してから家族とはほどほどに仲良くしておこうと思っていたけど、それは見直すべきかもしれない。
「アステリア、第一王子の婚約者候補についてはもう辞退はできない。だが、婚約者になりたくないという気持ちはわかった。私達はアステリアの意思を尊重しよう。成人後のアステリアの夢を応援するよ。ただし
危ないと思ったら止めるからね。」
父に母、姉兄弟も微笑んで私を見ている。どうやら私は今後の人生の自由を勝ち取ったみたいだ。ギクシャクしていた家族とはこれから仲良くやっていける…かも?




