第一王子からの求婚(なんで?)
第一王子が突然訪ねてきた!これは伯爵家にとっても一大事なのか、メイドがバタバタと私の部屋に4人ほどやってきて、20分ほどでご令嬢アステリアが誕生した。
コルセットをぎゅっと締められて昼食のサンドイッチが出そうになったのは言うまでもない。
とりあえず第一王子が応接室にいるということで、私もやってきました。失礼します、と声をかけてドアを開けると、第一王子はソファーに座り紅茶を飲んでいた。
簡単に挨拶をし、私も向かいに座る。
「兄はいま不在なのですが、私に何か御用でしょうか?」
「ああ、レーガスが不在というのは承知している。今日は君に婚約の申込みをしたくて来たんだ。突然の訪問で申し訳ない。」
ん?…んん??婚約…?第一王子と私が…?
「お戯れを…。私に貴方の伴侶となる資格はございません。2年前のパーティーでの私の失態をご覧になったでしょう…?」
私の言葉に第一王子はそうだね、と頷いた。
「でも昨日のパーティーでの君の振る舞いを見て、私の婚約者になってほしいと思ったんだ。君は他のご令嬢と違って、私に色目を使ったり、すり寄ったりしなかっただろう?」
関わりたくない、かつおいしいごはんとデザートを堪能したかったからこその行動がまさか裏目に出るなんて…!
「そう言っていただけるのは大変喜ばしいことでございますが、私はエリック殿下の婚約者には相応しくありません…。このお話はなかったことにしていただきたいのです。」
少し涙目で第一王子を見つめると、少し頬を赤くした彼は軽く咳払いをしたあと、今はわかった、と言ってくれた。
「私も急いで婚約者を決めなければならないというわけではない。だが、候補は出さなくてはならないのだ。私は君を、アステリアを伴侶としたいと思っているのだ。婚約の話は断られてしまったが、候補者には入れるつもりだ。」
…面倒なことになったなあ。私はこの世界でモブ(自称)として好きに生きていきたいんだけど…。外国行きたいし。
でも、ここで候補の話を断ると更に面倒なことになりそうだ…。候補の話だけとりあえず受け入れておいたほうがいいかも…。
ひとまず私は候補の件は了承します、と伝えて第一王子を帰らせた。もっと話したいオーラが出されていたが気にしない。せっかくジャージを作ったのだから、それを着て運動したいし!
第一王子を帰らせたあと、私はジャージに着替えて庭を3周軽く走ってみた。メイドや執事には変な目で見られたがそれはまあいい。ひとまず着用できる物を作れたということで、目標1つ達成かな!
婚約候補になっちゃった件については王宮から父に知らせがいくだろうし、私から伝えることは何もないな。今日はいろんな意味で疲れたから何も考えたくない!
庭を軽く走ったあと、私はジャージから簡易なドレスに着替え、部屋でのんびりごろごろ過ごした。




