婚約者候補については辞退します!
兄にエスコートしてもらい、王様たちのところへ向かう。とりあえず兄の言うことに従っておこう。私は何も言わないぞ…!
兄が王様の前に立ったので、私はその隣に並ぶ。
「マロミス伯爵家より参りました、長男レーガスと妹のアステリアでございます。」
兄が頭を下げたタイミングで私も頭を下げる。
王様とお后様は兄の挨拶に一瞬目を細めたが、すぐ笑顔になった。
「よく来た。今夜は楽しんでくれ。」
王様の言葉に兄は、はい、と返事をすると私をエスコートするために腕をさしだした。挨拶ってこんな感じでいいんだ、と思いながら兄の腕をとろうとしたとき、お后様から直々に声をかけられた…。
「レーガス、これからも我が息子の側近として、よろしくお願いしますね。あら、アステリアは久しぶりね。2年前のパーティー以来かしら?」
お后様は顔を扇子で隠しながら、私を見つめている。話しかけないでオーラ出しておいたはずなのに…!でも無視するわけにはいかないので、私は微笑んで返事をした。
「はい、お久しゅうございます。2年前のパーティーではあのような振る舞いをしてしまい、申し訳ありませんでした。」
お后様は私の回答に少し笑顔を見せながら、成長したのね、とつぶやいた。
「今、第一王子エリックの婚約者候補を探しているのはご存知だとは思うのだけれど、あなたも候補の一人なのよ。」
「光栄にございます。しかし、私は2年前のパーティーでの出来事がずっと心に残っております…。どうしても私がエリック様の隣に立っている姿が想像できないのです。私が隣りに居ては、エリック様にご迷惑をおかけしてしまうかもしれません…。私はエリック様の婚約者候補には相応しくないと思うのです。」
私の言葉に兄は顔面蒼白に、王様は目を少し見開いている。お后様にいたっては笑顔が固まってしまっている。
「あなたはエリックの婚約者候補として、自分は相応しくないと思っているのね?」
お后様からの問いかけに私は、はい、としおらしく返事をしておいた。そんな私に対し、お后様は、そう、貴方に素敵なご縁があるように願っているわ、と言うともう話すことはないと言わんばかりに王様に顔を向けた。
お后様の隣に立っている第一王子のエリックは、私を見てニコニコとしている。がその笑顔に黒いオーラを感じる。
でも、これで婚約者候補からは外れたはず!
私は再度兄の腕を取り、王様たちのもとから離れた。
ある程度距離をとったところで、兄からなぜあんなことを言ったのだと聞かれたが、第一王子って将来の王太子、王様になるんでしょ?そんな方と私が婚約なんてやばいでしょ?的なことを丁寧に言ったら、それはそうか…と納得してくれた。
挨拶も終わったことだし、さあデザートを食べるぞ!
私は兄が友人?に話しかけられた隙にすっと離れてデザートがおいてあるテーブルに向かった。




