いざ戦場(パーティー)へ
パーティーの話を聞いてからそれはもう大変だった。ドレスやら靴やら何にするかと聞かれても、私の希望は壁と同化できる色だから、そんな感じのことを侍女に伝えるととんでもない!という顔をされた。
結局、目立たない紺色のドレスとなった。飾りはほぼなし、レースが多少ついてる程度の華やかさ。ゴテゴテした服は重いし、歩きにくいからちょうどよかった。
以前のアステリアならピンクのリボンたっぷり、レースもたっぷり、フリルたっぷりと見ていてうわー…となるようなドレスを選んでいただろう。実際、侍女にもほんとに紺のドレスでいいのか、と聞かれたくらいだった。
アステリア様の好みが突然変わられた、とメイドたちが集まってそんな話をしていたらしい。まあ中身は20代ですから。
パーティーにはエスコートしてくれる人もいないといけないらしく、今回は兄がエスコートしてくれた。兄も私のドレスを見て目を見開いてたっけ…。
兄と共に馬車に乗り込み20分、やっとお城についたと思ったら馬車からお城の入り口がそれはそれは遠かった。ほぼペタンコの靴を選んで正解だったわ。大人の足だと3分歩けばつくんだろうけど、なんせ子供の足。しかもドレス来てるしエスコートもしてもらってるから歩くペースは遅い。
早歩きにしたいのを我慢して歩いた。
会場に入るとたくさんの人がいた。私のように兄らしき人と一緒の人もいれば、父親と一緒の人もいる。そして見渡す限りみんなピンク系のドレスを着ていた。
ピンクって流行っているのだろうか?
周りの観察をしていると、兄はどうやら知り合いがいたらしく、ちょっと向こうで話してくると言って私から離れていった。
よし!これで思う存分食べ飲みできる!!
と意気込んだのも束の間、パパーッとラッパの音が響き、王族の皆さまが現れた。
王様がパーティーに来てくれてありがとう、的な挨拶をしている。定型文だなあと思いながらぼーっと見ていると、王子がこちらに視線を向けた。目を合わせたら負けだと思い、料理の方に目を向ける。
あ、ローストビーフだ…。あとで食べよう。
よだれが垂れそうになるのを必死にこらえ、挨拶が終わるのを待つ。やがて、王様が手を上げると周りの人が各々に動き出した。あ、動いてもいいよの合図かな?
私は一目散にローストビーフが置かれているテーブルに向かう。お肉を5枚、少しサラダもとり、オレンジジュースをもらって隅っこに置かれている椅子に座って食べる。これ食べてデザート食べたら帰ろうかな。
もぐもぐと食べていると、ホールの中央に王様がいるのが見えた。いろんな人から挨拶を受けている。大変そうだなあ〜と思いながら見ていると、いつの間にか兄が近くに立っていた。
「アステリア、挨拶に行くぞ。」
挨拶は行かないとだめか…。私はローストビーフとサラダを流しこむと、兄にエスコートしてもらいながら挨拶に向かった。
ローストビーフとサラダを流しこむ私を見て兄がうわぁ…とでも言いたげな顔をしていたのは言うまでもない。




