第十八話
商業船
「おーい、レイ、ちょっとこっちに来てみろ。」
船長の恰幅の良い声に呼ばれ僕は甲板にあがる。
太陽がさんさんと照り付けるなか熱くなった甲板を冷すように潮風が吹く甲板に船のみんなが左に集まっていた。
「どうしたんですか?船長。」
僕は人混みを抜けて船長の所に行く。
「お前確か目がいいんだよな?」
「はい」
「じゃあ、ちょっとこれを使ってあれを見てくれ。」
船長はそう言って望遠鏡を渡し水平線に僅かに浮かぶ艦影を指す。
僕は望遠鏡を覗きこみぼやけを直していく。
すると、そこには灰色の船があった。
「灰色の船が見えます。」僕はありのままを話す。
「マストがないのに動いてます。…………前方に大砲を積んでます‼軍艦です!」
「大砲」という単語にみんなが反応した。
「おい、そいつは海賊じゃあないよな?」
「海賊の船よりずっと大きいよ。」
「なら大丈夫だ。軍艦なら手は出さない。」
「旗は見えるか?」
「旗は………………わからない見たことない旗。」
「どんな旗だ?」
「ん~とね。白地に赤丸。」
「それだけか?」
「うん、それだけ。」
「白地に……赤丸?う~~~~ん。」
船長は考える格好をして黙った。
戦艦信濃
CIC
「α群、進路変わりません。本艦との距離十五キロ。」
「各艦に厳命今一度哨戒体制を確認さらたし。」
商業船
(大きい)
レイがそれを見て思った感想である。
それは船長たちも同じだ。
(なんちゅう大きさだよ。今まで見た船の中で断トツででかい。)
「美しい」
船の中で唯一芸術がわかるリーサはそう呟いた。
(なんというフォルム。なんという存在感。芸術だわ‼)
「船長、あの船に乗ってみたい。」
船長は間抜けた顔になったが次の瞬間微笑んだ。
「ふふ、お前らしいな。」
船長はレイの頭を慣れない手つきで撫でる。
そして僕達はその船を見送った。




