Ep2. どっちもどっちとお友達
「俺望月景、君は?」
深夜のコンビニで出会ったその人は望月景と名乗る
人と関わらないで生きている遥が景との出会いを経て何を得るのか。
暗い部屋の中一つ光る机のランプ
その隣にはアイスのゴミだけが置かれていた。
「寝れないなぁ」
なんだったんだろう馴れ馴れしくて初対面なのにアイスも買ってくれて、背も高くて、、顔もよくて、、、
馴れ馴れしいやつは嫌いだ。
背が高くて顔もいいやつだって嫌い。
ましてや初対面で何も知らないのに人にアイスを買い与える人とか危険だ、犯罪の香りだってする。
普段ならあんな人と喋らない
それどころかぶつかったりなんか絶対にしないのに
でも
でもなぜかあの人のことは『嫌い』じゃないらしい
「はぁ、もういいや」
もう会うことはないだろう
そんなことを考えながらパソコンを出し小説を書き始める
高校生ながらネットで少しばかり有名になった小説を書いたこともある。
息抜きに絵を描いて、動画を見て、音楽を聴いて
気づけば太陽は上りもうすぐいつもの時間になるところだった。
「はぁ行くか」
少しの身支度と着替えを済まして太陽が照らす道を歩いて学校へと向かう。
その道中に同じ制服を着た人たちはいない。
10月22日(木)曜日
入室時間 11:10
日向 遥
ぴぴぴっぴぴぴぴ
「何?どうしたの日向君。寝不足?」
「寝れなくて」
「それはだめよ、寝不足って悪影響しかないんだから」
「まぁ分かってるんですけど、、」
「今日は?帰る?」
「もうちょっとだけいます」
「そっか、じゃあちょっとだけお話し付き合ってよ」
「仕事は?」
「もうそれどころじゃないのよ」
「はぁ?」
帰ればよかった
人と喋るのは嫌いだ。
小一時間くらい話は続いた。
内容は「お肌の調子が〜」とか「推しが〜」とか細々細々としたことを数十程
今日は帰ったらちょっと寝よう
「ねえ聴いてないでしょ日向くん」
「はぁ、最近かっこいい舞台俳優を見つけてしまった、でしたっけ」
「そうなのよ。はぁぁ旦那がいるのに」
「知りませんよそんなの。帰ります」
「あぁごめんなさいねそれじゃあ」
今日はため息が多い
ただでさえ憂鬱な場所で興味も向かない話を長々と聞かされたらしょうがないのかもしれない
なんて思いつつもまたため息をつく。
はぁ
トントンッ
「ウワァ!!」
え?え?なに急に?肩叩かれた?
「遥くんこんにちは」
あれ、この声?
振り返ると背の高い青年が立っていた。この人の名前は
「望月さん、」
「景さんですよ〜」
でた。変人で怪しい、犯罪臭のする人
急に現れたその人は昨日のダル着とはちがってジャケットとか色々着込んでキラキラとした格好。
そのイケメンはチャラチャラと手を振りながらにこにここっちを見てくる。
「なんですか?ジロジロ見て」
「ん?あ〜まさか学生だとは思わなくてね」
「そういう趣味ですか?変態?」
「ちょっと、やめてよ違うから」
「高校生に話しかけてニヤニヤしてるってはたからみたら犯罪ですよ?」
「そんな怪しい人に絡まれてる高校生の君がこんな時間になんでここにいるのかな?学校は?」
返事が口から出てこなかった。
「えーとそれは、」
言葉を口から出そうとしたときだった
「しーっ言わなくてもいいよ笑真剣に考えてくれるなんて真面目だね遥君は」
人差し指を僕の口に添えながらそう言った
「え、?」
「別に関係なくない?俺にそこまで話す必要はないよ」
あんたが聞いたんだろ
「あー時間だ、ねぇ遥君、今日もコンビニ行く?」
「え?あっまぁはい。」
「ふーんそっか」
そっかって興味ないのかよ
「それじゃ、俺は仕事があるから」
「はあ、そうですか」
そういい景は立ち去って行った
嵐みたいな人だな
というか、『仕事』か
時間気にしてるっぽかったし何してるんだろ、、、
はぁ、
ため息をつきながらまた足を進める遥であった。
時間も経ち窓の外は真っ暗になった頃遥は悶々としていた。
「今日どうしよ」
ー遥君、今日もコンビニ行く?ー
なんなのあれは
望月さんって何者なんだろ
はぁ
「あーもう考えすぎだ!別に来るって言ってた訳じゃないし悩む必要ないって」
頬をぱんぱんと叩き財布を持って家を出る。
いつも通りヘッドホンで好きな音楽を聴きながら暗く静かな街を歩いていく。
夜風が心地いい、誰にも会わない開放感
あぁ、いつも思うけどやっぱり僕は夜が好きだ
そんなことを考えていたらいつものコンビニに着いていた。
今日はカフェオレにしよっかな
500mlのカフェオレを手に取る。
うーん、まぁそっけなかったし今日は
「やっぱりいないか」
「誰がいないの?」
うわっ
「びっくりした」
「こんばんは遥君」
また後ろを取られた
「こんばんは、望月さん」
「今日はあのアイスじゃないんだ?」
「あ、はい最近涼しいので」
「確かにね」
「望月さんもそれ」
手に持つものを見てみるとアイスではなくおにぎりを二個ほど握っていた
「お腹空いてるんですか?」
「まあね」
「あ、これ」
100円を差し出す
「昨日のアイスの分です」
「えぇ?別にいいよ、学生からカツアゲとかシュミじゃないから」
そう言われてもなぁ、社交辞令的に
「いやそれは悪いですよ」
「遥君しっかりしててその年で偉いねぇ」
景の手が僕の頭に伸びてくる。
「よく言われます」
と言いながら流れ作業で100円玉を財布に直す
「遥君さ、可愛げないの方がよく言われない?」
「、、それも、言われます」
「ふふふっ俺は遥君は可愛いと思うけどね」
そりゃあまぁお肌の手入れとかは常日頃しっかりしてるし当たり前だろ
可愛いはちょっと予想外だったけど
「ねえ遥君、ちょっとだけ話さない?」
各々買い物を終えて店の近くのベンチに座る
「遥君ってなんでこんな時間のコンビニによくきてるの?」
「え?あー強いて言うなら好きなんです。夜」
「へ〜俺はどっちもどっちだけどね」
「どっちもどっち?」
「どっちもどっち。だって昼って仕事とか色々あって疲れるけど夜は一人ぼっちな気がして、寂しくなっちゃうんだよね」
「その独りがいいって思う人もいるんじゃないですか?」
「それは遥君のこと?」
沈黙が続く
「望月さんって仕事してるんですよね?おいくつなんですか?」
「あー言ってなかったっけ、19だよ」
若、背高いし23くらいかと思ってたわ2コしか変わらないのか、、、
「何その思ってたより若かったわって顔」
やっば、顔に出てたか?
「いや?そんなこと思ってないですよ」
「へ〜?」
ちうちうとカフェオレを吸いながら横の人の顔をよく見てみる。
綺麗なフェイスラインだなぁ、鼻も高いしまつ毛も長い
肌も綺麗だし、ちょっと茶っ気のある黒髪で大人っぽいハーフアップもよく似合ってる、、、
でもこの人の目、、
「何?なんか付いてる?俺の顔」
「あ、いや、望月さんカラコンしてます?」
「え?よく分かったね、色もそんな派手じゃないナチュラルなの使ってるんだけどな」
「僕こういうの好きなんですよね」
「へぇ、メンズメイク的な?」
「一応それもできますよ?」
「それもってどういうこと?」
「昔から手先が器用でメイクとか絵描いたりあと色々作ったり、芸術が好きなんです」
なんで僕こんな喋ってるんだ
「何それめっちゃいい趣味じゃん!憧れるなぁ」
「そうですか?」
「そうでしょ!俺絵心ないし、結構ガサツでさぁ、カラコンも入れるの2時間くらい格闘したんだよね笑」
「アハッ2時間も?」
「ふふふ、初めて笑ったね」
あれ?そうだっけ
「遥君そんな顔して笑うんだ」
ていうか人と話して笑ったのいつぶりだろう
「愛想悪そうでした?僕」
「いやぁ?でも昼まで怪しい人扱いしてた人と話しても笑うことはないかなって、昨日会ったばかりだし」
これ昼のやつ根に持ってるな
「あ、そうだ遥君」
ニコニコしながらこちらに向き直る
「俺たち友達ならない?」
は?
「は?」
何を言ってるんだこの人は
「別に嫌なら良いんだけど」
「いや、そーいうことじゃなくて」
「じゃあこれから友達ね」
なんだこのコミュ力の塊は
コミュ力の塊がスマホを慣れた手つきで操作してこちらに向けてきた
「連絡先ちょーだい?」
行動が早すぎるだろ、まあ良いけど
えーとこれどうするんだっけな、これ?これだっけ?
あー?うーん、?
「ちょ、遥君笑貸して」
これまた慣れた手つきでアプリを操作してと思ったらスマホが帰ってきた
「遥君機械苦手なの?」
「や、連絡先とかあんまり交換しないので」
「友達とかいないの?」
「友達、はいないです」
「ふーんそっか」
出たそれ
「じゃあ俺は遥君の少数精鋭のお友達ってことだ」
「まぁそうですね」
「わ、もうこんな時間か。これ以上遥君を不良にするわけにはいかない」
「別に今も不良じゃないですよ」
「こんな時間に外で活動してる学生が不良じゃないわけないじゃん」
「望月さんこそチンピラですよ、こんな時間にピッチピチの高校生に絡んで」
「望月さんじゃなくて景でいいよ、別に歳もそんな離れてないでしょ?友達なんだし敬語も外してよ」
「敬語は、まぁ外すようにします、、するけど名前は望月の方で呼び慣れちゃったので」
「でもいつかは景で呼んでね」
「いつかはね」
微笑みながら腰をあげる。
立つとやっぱ背の高さが気になる
「じゃ、またね遥君」
それじゃあまたね景さん
最後まで読んでいただきありがとうございました
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ではまた次回!




