表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/47

5-11 謎の人物

六月九日、朝方。

笛木志月を逮捕した桜内は、現実を信じきれず、事務室に引っ込むこととした。

ところが、十一時に、さらにあり得ない報告が来てしまった。

六件目。


というわけで、当日の午後、綿と義孝は桜内の事務室に集まった。

「桜内、倒れてはいけないぞ。せめて、今日中に起こったことをすべて説明してくれないと。」

「…わかっています、朝田さん。順番通り説明します。」

何度も深呼吸してから、桜内は語り始めた。

「まずは六月八日の夜、枝川末利は笛木志月とある女性を尾行していました。二人は十一時四十五分に、その女性が住んでいたアパートに入り、女性は歌いし始めました。

「そして、六月九日の朝方一時頃、女性は歌うことを止め、その後一時二十分、笛木志月だけがアパートから出て、僕たちに逮捕されました。

「その後、朝方四時半、推定死亡時刻です。死者はその女性、同じく娼婦のキョン。

「死体が見つかれたのは、十時四十五分のことです。見つけたのは、家賃をもらうに訪れた大家の部下の方です。」


「死体は全身裸で、ベッドの真ん中に横になっていた。胸元、顔、腕、首には切り傷あります。

「子宮、腎臟、そして片方の乳房は切り落とされ、頭の下に置いてありました。もう片方の乳房は右足にありました。それから、肝臓は両足の間、腸は体の右側、脾臓は体の左側に置いてあります。

「心臓は見当たりませんでした。腹や太ももから切り落とされた肉片らしきものはテーブルから見つけました。」

桜内は写真を示しながら説明した。

「そして、今回の傷痕は以前と違って、解剖に慣れていない感じでした。」

「…まぁ、君たちは事件前にすでに笛木志月を逮捕したし。」

「その通りです。」

「目撃情報は?」

「ありませんでした。ただ、四時頃に女性の叫び声を聞こえたという証言がありました。」

「死者の身分については?」

「大家さんからもらいました。キョンさんの本名は計良真吏步です。計良という名字は、元夫の計良出人からのものですが、計良出人さんはすでになくなられました。」


「枝川末利に聞いてみた?」

「はい。朝田さんの予想通り、枝川さんは明奈さんの恋人について調べて、それで笛木志月の存在を突き止めたのです。」

「笛木志月のほうは?」

「一件目の田淵美家以外の事件、ポリーさん、黒メイナさん、長リージさんに風理さん、すべて自分が犯した事件だと認めました。」

「あっさりと?」

「はい。巡回のついでに殺したと。」

「例のアルタイルさんも…?」

「笛木志月です。」

「龍崎洵太が見たという男性も?」

「彼です。」

「となると、最後の事件、模倣犯かな?」


「朝田、前に言ったよね。視野を狭くするわけにはいかないと。」

「言ったが…?」

「六件目の犯人、模倣犯だけではなく、共犯者という可能性もあると思う。」

「そうだな…」

「それに、ポリーさんの件もあるし、女性の共犯者がいるほうが説明がつくのでは?」

「女性だったら…」

朝田はうつむき、ROSIの落書きを思い出す。

「…!わかった!」

「朝田さん?」

「桜内、笛木志月は既婚者だよな?」

「…はい。妻は笛木奈利莎という方です。」

「だったら…」


一方、朝田綿の事務室。

鍵をかけたはずのドアは簡単に開かれ、一人の女性と一人の少年は事務室に入った。

「ありがとう、糸草。」

「いいえ。」

「あら…?」

女性はテーブルにあるノートを手にとって、ペラペラとページをめぐる。

その中には、田淵美家の事件から、綿が出かけるまで、綿が把握しているすべての情報が入ってる。

「そこまで把握されているとは、桜内さん頑張りましたね。」

「どうします?」

「…あの人なら、おそらく真相に気付いたのでしょう。だとすると、今の私たちにできることはたった一つ。」

「それは?」

「糸草、君の正体だよ。彼に見つからない限り、私たちは負けない。君が私たちのエースだ。」


笛木家。

奈利莎は慌てて歩き回っていた。

自分の夫、警察の夫が捕まれた。これからどうすればいいのかがわからなくなった。

その時、チャイムが鳴った。

「志月さんの先輩の方…?」

「はい、はじめまして、笛木さん。桜内と申します。」

「桜内さん、どんなご用件で?志月さんなら…」

「はい、知っています。この度訪れたのは、あなたに用があるからです。」

「私…に?」

「一緒に来ていただけませんか?」

桜内は微笑んだ。

「六件目の犯人さん。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ