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古代文字

真人は、目の前の巨大な壁に刻まれた古代文字と、古びた書物に【鑑定】の全機能を集中させていた。しかし、システムはただ「解析不可」と繰り返すばかりだった。

「……駄目だ。私の【鑑定】では、この文字も、古文書の情報も、解析することができない。」

真人は悔しげに呟き、仲間たちに告げた。アレックスは「マジかよ!」と声を上げ、リーは興味深そうに壁を見つめている。サラは静かに壁に近づいた。

「この文字……」サラの琥珀色の瞳が、壁の文字をなぞるように動いた。「見たことがある。里の伝承で使われている文字に似ている」

真人はハッとした。「本当か!?」

「それに……私は、地球では歴史学者していたらしい。特に、古代文字や神話の研究を専門のな。」

サラの意外な告白に、真人とアレックスは目を見開いた。彼女が地球でのことを言葉にした事と、歴史学者であったという運命、そのふたつに驚愕した。

「時間が欲しい。完全に解読できるかは保証できないが、試してみる価値はある。」サラは、古文書を手に取り、壁の文字と見比べながら言った。

真人は自分の鑑定が完璧で無いとこを悔やみながら言った。「分かった。頼む。」

「よし!それじゃあ、俺たちは外で魔物と戦って、時間稼ぎしとくか!」アレックスが、自分の双剣を構えながら言った。「せっかく新しい武器も手に入れたんだしな!」

リー・メイリンは既に、ダンジョンの入り口方向へと歩き出していた。彼女にとって、新たな魔物が現れることは、退屈しのぎの良い機会なのだろう。

「おい!リー、今度は全部倒すんじゃねぇぞ!」

真人も、アレックスとリーの後を追った。サラが集中して解析できるよう、彼らがダンジョンの魔物を引きつける役目を勝手でた。

ダンジョン内は、確かに魔物の数が多かった。次から次へと現れる魔物との戦闘は、まさに経験値の宝庫だ。リーが圧倒的な速度で魔物を屠っていく一方で、真人も自分の杖を使い、光と風、水の魔法で魔物に対峙した。

以前の彼なら、一対一の戦闘でも苦戦しただろう。しかし、新しい杖を手に入れたことで、魔力の増幅と収束が格段に向上し、魔法の威力が飛躍的に上がっていることを実感した。

「……なるほど。この杖のおかげか?それとも、僕自身の能力が上がったのか?」

真人は、自身の【魔法士】としての能力が上がっているのか、それとも新しい杖の性能によるものなのか、判別できずにいた。自分自身を【鑑定】できないもどかしさが募った。しかし、一つ確実に言えるのは、以前よりも遥かに効率的に魔物を倒せるようになっているということだ。このダンジョンであれば、たとえ魔物と一対一になっても、十分に戦える手応えを感じていた。

「ブラザー!この短剣切れ味やべぇぜ!」

アレックスの声が響く。アレックスも同様に感じていたのであろう。

真人は、魔物と交戦しながら、自身の成長と、この旅の意義を再確認していた。

およそ二時間が経過した頃、最奥からサラが声をかけてきた。「終わったぞ。」

その声に真人とアレックス、そしてリーは、急いでダンジョンの最奥へと戻った。サラは、古文書を閉じ、壁の文字を見上げていた。その顔には、達成感と、ある種の驚きが入り混じった表情が浮かんでいた。

「全て解読できたわけではない。だが、重要な部分は読み解けた。」サラは静かに話し始めた。「この壁には、この世界の七柱の神々について記されている」

真人の脳裏に、以前得た「七柱の神々」という情報が蘇る。

「そして、古文書には、六属性に当てはまらない『無属性』なる属性について記載されていた。これは世界の異常そのものに関わる可能性を示唆している。」

サラの言葉に、真人の思考が高速で回転した。「無属性……。」

「この古文書に記された内容は、この世界の歴史、そして魔法の根幹に深く関わっているはずだ。私たちだけで留めておく訳にはいかない。この『魔導書』は、然るべき機関に届けるべきだ。例えば、王都の魔法研究会や、王宮の賢者たちに……。」

サラは、古文書を胸に抱きながら、固い決意の表情を見せた。

真人も、彼女の言葉に力強く頷いた。

「責任を持って届けよう。これは、世界の『異常』を修復する、我々の使命。そう思う。」

「よし、決まりだ!次の目的地は王都だな!」アレックスが拳を握り、興奮気味に言った。リーは無言で頷いている。

サラは、再び壁に向き直ると、そこに刻まれた古代文字を、読み聞かせるように朗読し始めた。彼女の声は、地底の空間に響き渡り、太古の叡智を呼び覚ました。

「『この世界は、七柱の神々が創り出した。』」

「『知識と真価の神、ノイア。正しきことを生物に伝えた。』」

「『運命と未来の神、フォルメリアル。希望を与え、その道を示した。』」

「『陽真と事実の神、ヴァレボア。優しき太陽の光を集め、真実を照らし出した。』」

「『精神と制限の神、セラヴィオル。己を律する心を作り、魂の成長を促した。』」

「『闇影と死海の神、アズライル。死後の安らかな世界を統べ、魂を導いた。』」

「『創造と豊穣の神、フォリュア。豊かな自然を育み、生命の営みを守った。』」

「『良心と情愛の神、エミアリル。人々に愛の心を与え、絆を紡ぎ出した。』」

「『この世界の全ての生物は、みな、神々の恩恵の元、暮らしている。彼らは世界に魔素を与え、生命を育む糧とした』」

「『我々は、この魔素豊かな美しい星をエレスティカと名付けた。神々の加護と、その恩恵が永遠に続くことを願い、この記録を残す』」

サラの朗読が終わると、ダンジョンの最奥は静寂に包まれた。真人の鑑定に、神々の名と、彼らが司るもの情報が追加された。それは、彼が【鑑定】でしか知り得たただの情報に、具体的な歴史と物語が加わった瞬間だった。

この情報こそが、世界の「異常」を解き明かすための、重要な鍵となるだろう。彼らの旅は、新たな目的地、王都へと向かうことになった。

【本日の残業報告】

・鑑定スキルで解析着手→解析不可

・サラさんが文字列解析着手→成功

・旧世界の神々のデータベース取得に成功

・“無属性”(未分類パラメータ)発見

・武器装備更新による戦闘処理効率up

・王都へ進軍開始


#鑑定さんの敗北#魔導書をPDFにしてください#サラさんぐぅ有能#リーさんは今日も無双#7柱の神々とかなんか強そう#無属性とか絶対バグ#納品タスク追加

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