しばしの別れ
過保護になれば、甘えが出てしまう。
子離れは早い方がいい。(^-^)
もう大丈夫。
母親、兄上が戻りましたよ。
湯本家に帰ってきた聡太郎は、母の絵が描かれた襖の前でボーっと母の絵を見ていた。
懐かしい小さな頃の思い出が蘇って、聡太郎の胸が少しだけ痛んだ。
母上、今は父上と共におられるのでしょうね。仲良くそこから見ていてくださいね。お雪の事、よろしくお願いします。
そう言って手を合わせる横にお雪と伊助もいた。
2人をみていると、ああ、もうここに私が居なくても大丈夫だ。これからもこの2人はお腹の子を大切に幸せを築いていける。
もう心配いらない。
大丈夫。
そう思えた鎌ちゃんはお雪に言った。
お雪、私は今日、ここを発つよ。
えらく早く帰るんですね。
あぁ、梅雨がもうすぐあけるだろ?
その前に帰らないと暑くなってのぼせてはいけないからね。明日、江戸へ向けて出発するよ。
聡太郎はお雪の指にそっと触れ、
母の指はこんな風に温かいものなんだね。またくるね。今度はお雪と伊助の赤ちゃんを見にくるから、身体に気をつけて、2人で仲良くするんだよ。
あ、熱いくらい仲良かったか。
そう言って鎌ちゃんは笑うと、伊助に、お雪の事、よろしくお願い致します。と深々と頭を下げた。
そして次の日、
鎌ちゃんと鏡山親方たちは今来たばかりだけど、安心して旅立っていった。
いつまでもいつまでも、お雪と伊助の幸せが続くことを願って。
鎌ちゃんたちは頑張って江戸の土地を目指していくのだった。




