白髪神社
長いものでちょうど1年。頑張りました。
江戸へと足を運んでいる途中、ちょうど近江の辺りを通りかかった頃だろうか。日はもう傾いて空は赤く、まるでその赤は血のようで。だがしかし、そこに湖から生えたようにそびえ立つ大きな鳥居があった。
立派な大きな鳥居ね。
女将さんが見上げて言った。
あれ、なんて名前の鳥居だったかな。
鏡山親方が首を傾げて考えている。
でも、すごく立派な鳥居ですね。
鎌太郎が大きな鳥居を見上げ目を細めた。
太郎は手を合わせ、みんなが幸せに暮らせますようにと、心を込めて拝んでいる。
その姿を見た3人は、太郎を温かな眼差しでみつめていた。
それに気づいたのか太郎が顔を上げて言う。
何みてるんですか?ほら、ちゃんと皆さんも手を合わせてくださいよ。
みんな太郎を見て微笑むとうん。と頷きそのまだ名前は思い出せないが、立派な大きな鳥居に向かい手を合わせた。
道中、無事に過ごせますように。
雨に降られませんように。
鎌太郎と太郎が立派な相撲取りになれますように。
みんなが幸せに暮らせますように。
みんなバラバラな願い事をして、一緒に江戸の街へ向けて足を運ぶ。
その足取りは遅くとも、足並みは揃い、みんな元気。
あと何日かかるかわからないくらいの足取りだが、江戸は着実に段々と近くなる。
旅立ちのとき、それはきっと1人では迎えられなかった。みんながいるから歩いていける。
鎌太郎は胸を張り、真っ直ぐ伸びた大きな道を歩き始めたのだった。
頑張っていきましょう!




