エピローグ しようぜ、野球! 前半
エピローグ
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その日の夜、俺こと蔵屋敷強とあんちゃんこと藤堂正道はおじいちゃんにたっぷり絞られた。
僕は鼻に、あんちゃんはおでこにガーゼで治療を受けた跡があれば、誰だって怪我をしたことに気づく。
僕達はリビングで事情を聞かれ、その後、おじいちゃんに説教された。普段は優しいおじいちゃんだけど、怒ると怖い。
信吾も僕の親らしく、怒ろうとしたけど、おじいちゃんにビビって端っこで心配そうに僕達を見つめている。
意外だったのが、澪さんも怒ったことだ。
危ない事をした僕とあんちゃんに激怒していた。久しぶりに女の人に怒られた気がする。
お母さんに本気で怒られたことはいつ以来だろう。
お父さんとお母さんがいなくなる前、会社のことで頭がいっぱいで僕に構っている余裕がなかったから、怒られることはなかった。逆にすごく僕を気に掛けていた。
僕がお母さん、お父さんに怒られる日は来るのだろうか?
そんなことを考えていた。
僕はマシな方で、あんちゃんはかなり怒られていた。
しかも、あんちゃんが所属する青島ブルーフェザーを辞めさせられた。
これは酷いと思い、おじいちゃんに意見したけど、あんちゃんはそれで構わないと言った。
あんちゃんは、野球を喧嘩の道具に使ってしまった。
僕が最も嫌う事をしたと懺悔して、野球をやる資格はないと言い切ってしまった。
そんなこと、あるはずがない。
あんちゃんは僕達を護ってくれた。
それこそ、体を張って、僕達の安全を最優先として何度も試合を止めようとした。
あんちゃんが土下座しようとしたとき、僕は我慢できなかった。僕のせいで剛や島田達を傷つけた。
僕が一番悪い。
野球を止めるとしたら、僕の方だ。




