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天上天下な有閑茶道園芸クラブ 

 


「ここが茶道クラブだ」


「そうね、で、それがどうかしたの?」


「いや、改めての再認識な、特に意味は無いよ」


 ここ最愛学園は、いろいろなクラブが沢山ある。

 部活にするには微妙なモノは、大概クラブとして成立する。

 私立として莫大な予算があり、更に学生のほとんどがVIPの子女だ、資産家のブルジュワな奴らって意味な。

 だからか、学園側は申請されたクラブが余程ヘンテコリンなモノじゃなければ許可する。


「そういえば、なんで此処はクラブなんだろうな?」


「さあね、畳すらない洋室広間で、徒然に活動してるからじゃないの?」


 ドアを開けると、そこは茶道をする場とは到底思えない、広大で洋風、沢山の本棚と雑然といろいろとある場所が展開されている。

 中央に大きな木目調の机、そこには既に何人かクラブの人員がぐだぐだ何時もどおり何事かしていた。


「おお、イツキぃ! よぉ!!」


 中央から少し外れて部屋の端、特大ソファーで横になりながら、漫画本を読んでいる人物に声を掛けられる。


「よお! アキノ!」「こんにちは」


 彼はこのクラブの部長を一応勤める(やる事は特に無いのだ)、九竜秋野久クリュウアキノヒサである。

 長身で若干細め、だが引き締まったスラリとした体型で、傍目から鍛えられた溌剌としたオーラが見て取れる、なんか凄い人だ。


「やあ、みんなぁ」


 俺は中央のテーブルで座っている三人に近づく。


「ああ、イツキ、シャル、こんにちは」


「やぁあああ!!!! 今日もいい天気だなぁ!!」


「こんにちは、今日もお元気そうでなによりです」


 最初に俺に声を掛けた人物は副部長、沢城戒一サワシロカイイチ、みんなからカイと呼ばれている。

 身長は平均程度だが、その肩筋のしっかりした中肉中背の身体は、傍目からは測れないほど鍛え上げられている事を俺は知っている。

 理知的で知性に溢れた感じだが、その氷に覆われた意志の内側は、情熱の炎が燦燦と燃え上がっているような闘志に溢れた好青年である。


 元気に声を掛けてきた方は、千代四夜花梨チヨシヤカリン、愛称をカリンちゃんだぁ!と豪語してる。

 何時も何時も元気一杯ハイテンションな少女である、なんかぴょんぴょん飛び跳ねている感じだ。

 精神年齢が幼い感じで、それの所為か知らんが、体力が無尽蔵にあって子供っぽい風の子である、あと大食いキャラで今も何か机にお菓子を並べている。


 最後にお淑やかに発言した人は、奈留出井亜ナルディア、典型的な大和撫子な感じだが、外国人みたいにディアと呼ばれる。

 純和風の若干長いお下げの少女だが、根はしっかりしていて、合気道を嗜んだりしている。

 茶道クラブでは唯一茶道を幼少期からしている、彼女の家は日本古来からの茶道の家元だとか、そういう話である。


「みんな何してるんだろうな?」


 俺は隣に居る少女に問う。


「さあ、それぞれが好きに何かしてるようだけど?」


 彼女についても説明しておこうか、ついでに。

 シャルロッテ=、、アレ? なんだったっけ? まあシャルってみんなに呼ばれている少女だ。

 外国的な見た目の少女で、毒舌が、俺限定かもしれないが激しい感じ、ちょいツリ眼のクール系である。


「なんかするかシャル?」


「別に貴方としたいことなんて、特に無いけど?」


「まあそういうな、空いてる席にとりあえず座るかね」


 中央のテーブルは何人も掛けられるほど巨大なモノだ、円卓とも呼ばれるほどだからな。


「で? なにしてくれるわけ?」


「そうだな、トランプでもするかぁ?」


「いや、詰まらない」


「お前は何かしたいことあるか? 言ってくれれば付き合うよ」


「格闘大会」


「はぁ、、はあ」


「おお! いいねぇ!! やろうぜやろうぜ!!」


 ソファーに寝そべっていたアキノが飛び上がるように立ち上がる。


「面白そうですね、わたしも参加していいですか? 腕が鳴りますよ」


 本を読んでいたカイがそれを閉じて、こちらに視線を向ける。


「おおぉ!! なんだなんだ! 身体を動かす系なら是非参加したいんだけどぉ!!」


 携帯ゲーム機で、大きく身体を動かしていた少女が、大音量で何かの所信表明のように言う。


「みなさん参加されるのでしたら、わたしも」


 カイと同じく静かに本を読んでいた彼女もそう言う、微妙に腕を鳴らして柔軟してる所からやる気が窺える。


「どう? 貴方のやる気は?」


「はっはぁ、面白いね、もちろん参加するよぉ」


「よっしゃぁ!! ジャー決まりだなぁ! 中庭にでも行って!とりあえず場所を確保しようぜぇ!」


 こういう時、いつもリーダーシップを取るアキノが場を取り仕切る。

 みんながゾロゾロクラブ部屋から廊下に出て行くなか、俺は隣の少女に問いかける。


「まったく茶道クラブって感じがしないね?」


「もちろんでしょぉ、部活になれるのにクラブに留まる、似非茶道部だもの」


 なんだか余り大きな声で言わないほうが良い事を、ニヒルな響きで呟いて、彼女も背中を向けて中庭に向かいだした。

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