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「異世界帰りの錬金術師は、祈る彼女と契約関係を交わして――世界を救う。」  作者: Lark224a


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第72話 新体制。

「じゃあ、今後についての会議を始める。まずは神崎さんから、怪我人の状況を聞きたい。」


落ち着いた声でそう切り出すと、神崎は一つ頷いてから口を開いた。


「分かったわ。負傷者の総数は30人。そのうち軽症者が26名で、残りの4名はそれよりもやや重い怪我を負っているけど、いずれも命に別状はないし、運んできた医療品で治療は可能よ。ただし――今後、怪我人や病人が増えた場合、この拠点の医療設備だけでは対応しきれなくなる可能性が高いわね。」


「なるほど‥‥つまり、どこかで医療設備を確保しておく必要があるってことか。そこは後で具体的に考えるとして――次に、堂島さん。探索班の状態はどうだ? 今すぐ実働に移れるか?」


問いかけられた堂島は、わずかに顎に手を当てて思案した後、低く応じた。


「ああ‥‥そうだな。どの程度の任務かにもよるが、周辺の探索程度なら問題なく動ける。ただし、遠出になって数日単位での行動が必要になる場合は厳しいな。消耗もあるし、万全とは言えん。」


「そうか。近辺の探索が可能なら、ひとまず問題はないか‥‥よし、それじゃあ本題に入る。今後の方針だが、人員を効率よく運用するために、いくつかのグループに分けて役割ごとに動かすつもりでいる。


これが、その編成案だ。」


そう言って、俺は机の上に一枚の紙を広げた。


《探索部隊》

リーダー 堂島。

メンバーは、リーダーである堂島が選定する。


《その役割は》

外部への物資調達を主軸としつつ、状況に応じて拠点内の警備も担う。


《医療部隊》

リーダー 神崎。

メンバーは、医療に関する知識や経験を有する者で構成する。


《その役割は》

負傷者の治療および病人への対応など、医療全般を担当する。


《内職班》

リーダー 未定。

メンバーは、上記二部隊に所属しない者から選出する。


《その役割は》

畑の管理、掃除、食事の準備、洗濯など、拠点内の生活基盤を維持する業務を担う。作業量が多いため、ある程度の人数を必要とする。


そして最後に――


《遠征部隊》

リーダー リーヴァ。

メンバー リーヴァ、祈、リタ、リル‥‥他。


《その役割は》

拠点外への長距離行動を行い、物資の確保や生存者の救助を実施する。加えて――最大の目的は、「ゾンビへの対策方法」を模索すること。これこそが、この部隊に課せられた本質的な任務だ。


「以上が、各グループの内訳だ。何か気になる点はあるか?」


そう問いかけると、少し間を置いてから堂島が口を開いた。


「い、いや‥‥気になるっていうか、その最後の遠征部隊だが‥‥“ゾンビへの対策方法”ってのは、つまり‥‥ゾンビを治す手段を見つけるってことか?」


「そうだ。」


迷いなく、はっきりと言い切る。


「この世界を元の平和な状態に戻すためには、ゾンビへの対策を確立しない限り、絶対に前へは進めない。だからこそ、その方法を模索する必要がある。」


「‥‥理屈は分かるが、それって現実的に可能なのか?」


疑念を抱くのは当然だ。だが――


それでも、誰かがやらなければならないことに変わりはない。避けて通れる問題ではないのだから。


「可能かどうかは関係ない。やらなければ、世界は救えない。」


静かに、しかし確固たる意思を込めて言い放つ。


その言葉を受けて、堂島は一瞬だけ目を伏せ――やがて小さく息を吐いた。


「‥‥分かった。やるしかねぇってことだな。だが、その間の拠点の管理はどうする? リーヴァが抜けるなら、全部俺たちに任せるつもりか?」


「いや、その点については考えてある。」


そう言って、俺は二人を真っ直ぐに見据えた。


「だから――これから見せるものは、お前たちを信用しているからこそ見せるものだ。そのことを、忘れないでくれ。」


言葉を区切り、ゆっくりと息を整える。


そして――


俺は、二人に錬金術を見せるための準備に取りかかった。

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