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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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91. ゼノーデン平原の戦い ヒーロー


「一体これからどうしろというのだ! そもそもお前達がだらしないから!」

 日が沈んだゼノーデン平原のベアダイン本陣で、でっぷり太った男が、胸の勲章をジャラジャラと揺らしながら叫ぶ。


「いや、タツヤもヘイスケも十分すぎるほど強かったぜ。

 欲をかいて効果を狙い、分散させたあげく各個撃破された作戦ミスだと思うがな。

 あっちはヤマナとトモナリをくっつけて、運用していただろ?

 空中で火炎竜倒すところ、あんたも見たんじゃないのか?

 あのタッグはシャレにならん。いくらタツヤやヘイスケでも一人では無理だ。」


 首に白いスカーフを巻いた、戦場とは思えないラフな服を着たバサバサの髪の男が答える。年は30歳ぐらいだろうか、すらりと長く引き締まった手足に立派な胸筋、いわゆる体育会系といった感じだ。



「!! 私の、私のミスだと言いたいのか!」

「……まあ裏目に出ただけさ、あの二人が強すぎた。

 それよりも明日からの立て直しを考えるべきだな。」


「こちらは第2軍も潰されたんだぞ!

 いま兵力を吸収しているが、総兵力は3万強しかいない!

 それでどうしろと!」


「おいおい、これで同数ぐらいじゃないのか? ウデの見せ所だろ、将軍。」


「ぐ、、とにかく今夜は第2軍、3軍の残存兵力を吸収しつつ、横陣のまま守りを固めろ!」






 その夜、


「どこへ行かれるので? 将軍閣下? それに武官の方々。」

「う、うるさい、我らは退却する!」


「兵を放っておいてか?」

「ぐ、おまえは兵達と共に連合軍をくいとめろ! 命令だ!」


「……はいはい、命令ですね。まあ、やれるだけやって見ますよ。」

「……頼んだぞ。」


 ベアダインの将校達、約30名が、伝令に扮して南へと下っていった。


「あの指導者様が許してくれると思えないんだけどなぁ、

 戦場で死ぬより、ずっと辛い目にあって処刑されるだけだろうに、、、」


 白いスカーフを首に巻いた男がつぶやく。


「さて、指揮官のいなくなった哀れな兵達をどうするかね?

 降伏しても、ゼノラウトで食わせてはもらえなさそうだし、、

 ヒーローとしては、せめて追撃からは守ってやるか、、」


 白いスカーフの男は静かに覚悟を決める。




 翌朝、、


 俺は朝食を軽く済ませ、本陣から先鋒軍におりてきたアユミと方針を話し合っていると、伝令が駆け込んできた。

「団長! 物見から報告が! 敵軍が順次退いて行きます!」

「よし! 追撃用意! 逃走する敵を討つ!」


「そ、それが、、我先に乱れての逃走ではなく、まるで行進のように堂々と、、」

「なんだと!」


「すでにヒューレ軍が距離を詰めたのですが、、

 敵陣の前にあの白い戦士がたった一人で仁王立ちし、その圧力に誰も手出しできない状況です!」


「!! 昨日ヒューレ軍の師団を誰一人殺すことなく追い払った奴か、

 よし! 面白い! 見に行こう! 行くぞトモナリ!」

「おう!」


「師匠、俺たちも見たい!」「ししょー!」「フミオ様!」

 レオル、ルル、シェリーが目を輝かせる。


「ああ、機能しない本陣よりは俺のそばの方がいいだろう。みんなで行くか!」

「「「「はい!」」」」


 その男は、、、

 ゼノラウト、ヒューレ、デルハルト連合軍4万を正面にして、一歩も引くことなく、たった一人で退却するベアダインの兵達を守っていた。






 俺たちが行くと、本当に奴は一人で戦っていた。

 すでにデルハルト軍やヒューレ軍の血気盛んな部隊がベアダイン軍に襲いかかろうとしていたが、、

 白い服に、白いマント、目のあたりに黒く細長い長方形がある白い仮面を被った男たった一人に迎撃されていた!


『ランナーァ! パーンチ!!』


 ドバァァアアン!!


「「「うわあぁぁぁああ!!」」」

 大振りのパンチの衝撃波で、突出したデルハルトの部隊の数十名が吹き飛ばされる!




『クレッセント、ダッシュ!!』


 ズバババババッ!!


「うわぁ!」「ぐわっ!」「どわぁぁあ!」

 陸上トラックの曲線を走るように大きく弧を描いて走ると、ベアダイン軍に近づいた部隊が全て、衝撃波で吹き飛ばされた!!




「弓隊、構え! 撃てェ!!」


 ザアアアアアアアアアァァァ!


 ヒューレ軍からベアダイン兵達に、まるで夕立かと思うような大量の矢が放たれた!!


「む! 『ボルト、アロー!!』」


 ヒュヒュヒュヒュヒュヒュ!


 白い戦士が大きく弓を引くようなポーズをとり、左手の2本指で天を指すと、指先から白い矢が連続で飛び出す!

 白い矢は飛んでいる矢を全て撃ち落とし、ベアダイン兵は誰一人傷つくことはなかった!



 ……強い! 何故今までこいつが出てこなかった?

 味方を守りきり、敵を誰一人殺さないこの戦い方、、、

 キャラの力だけじゃない!

 なんだ、この男は!



「おじちゃん、ボク、あの人を相手に一騎討ちがしたい、、」

 うずうずしながらトモナリが言う。戦士としての本能か、


「ああ、行ってこい。

 全軍! 攻撃止め!!」

 俺の号令で、連合軍の攻撃がピタッと止み、白い戦士を半円状に取り囲んだまま動きを止める。



 トモナリがズンズン前に進み、

「トモナリ デル ウエダ!  一騎討ちを申し込む!!」

 大音響で叫ぶ!!


「天知る、地知る、我が知る!

 仮面ランナー! 見! 参!

 涙戦士トモナリの挑戦、受けて立つ!!」

 白い戦士がポーズをとって応えた!



「「「トーモナリ! 、トーモナリ!!」」」

 デルハルト軍がものすごい声援でトモナリを応援する!



「オオォォォォォオオ!!」

 トモナリが行った!


 ブォン!


 大振りの一撃!


 白い戦士は、サッと交わす、がこれはトモナリの誘いだ!

 予期していたかのように)わしたところへ返す切っ先で素早く小さく斬りかかる!


「む! やるな!」


 ガイン!


 白い戦士が手刀でトモナリの豪剣をさばく!


「オオォォォォォ!」

 トモナリの早い連続斬り!


 ガ、ガ、ギン! ガガガ!


「ハァァァアアアアアア!!」

 白い戦士が手刀で豪剣をさばき続ける!



「す、すげえ!」

 2人の熱い戦いに、レオルが呟く。

 俺もいつの間にか、拳を握りしめ、手に汗をかいていた。


『ランナーァ、パーンチ!!』

 一般兵相手とは違い、今度は直接当てに行った!


『ブル、チャージ!!』

 トモナリが肩の角を突き立ててショルダータックルをかます!


 ゴバァァアアーン!


 2人の技に地面が爆発する!

 衝撃を利用して白い戦士は後ろに飛び、トモナリは後ろに転がり、互いに距離をとった!


 2人は示し合わせたかのように、

 白い戦士は空中に飛び上がり、トモナリはグッと膝を曲げ腰を入れて大地を掴み、


『ランナーーァ キーーック!!』

『岩砕突ぃ!!』


 白い戦士が大きく突き出した右足から光が後ろに流れ、白い円錐を作る!

 トモナリの剣の切先から光が流れ、赤い円錐を作る!


 空から降って来る白いロケットと、地面から飛び上がる赤いロケットが激突する!!


 ドッガァァアアアアン!


 凄まじい衝激に空気が震える!


「うわぁあああ!」


 衝撃でトモナリが吹っ飛んだ!

 奴は?


『ランナーキーーック!』

 2連発だと!!


「ぐっ!」

 白いロケットを剣の腹で受けるトモナリ、


 バギャン!


 なっ! トモナリの剣が折れた!

 剣が折れると、トモナリは糸が切れたように倒れこんだ。



「ちくしょう!」「この野郎! トモナリ様の仇だ!」「ぶっ殺してやる!」

 デルハルト軍が騒然となる。


「黙れ! 静かにしろ!!」


 俺が怒鳴ると、デルハルト兵は静かになった。

 トモナリのところへ行き、白い戦士と会話する。


「すまんが、トモナリを引き取っていいか?」


「良いとも、気絶しているだけだ。魂で繋がっている剣を折られて、ダメージを受けたのだろう。」


「そうか、」


 俺は二つに折れたトモナリの剣を繋げると、

『ヒール、』

 ヒールをかけてみた。


「お、くっついた。」

 そうか、召喚戦士の武器は体の一部みたいなものだからな。


 俺はトモナリの上半身を起こし、後ろから両肩を持って背中に膝を当て、

「喝ッ!!」

 かつを入れる。


「うっ、ごほっ!」

 トモナリが意識を取り戻した。


「ほう、やるな、」

 白い戦士が感心したように呟く。


「ううーん、負けた、、」

「ああ、下がって見ていろ、トモナリ。」


「ほお、、、面白い、待っててやる。」





 トモナリに肩を貸しながら一旦戻る。


「おう、お前ら、トモナリを頼む。今度は俺がちょっと行ってくる。」

「「師匠!」」「「フミオさま!」」

「ん? どうした? お前ら。」

「だ、大丈夫ですか?!」

「大丈夫、大丈夫、

 こんな面白い相手、戦わなきゃ損だ、はっはっは!」



 ……おい、フィオナ

 ……はい、あるじさま


 ……パスを全部切れ、魔力循環すべてとめろ

 ……!! それではあるじさまが!


 ……いーから、いーから



「おい、ケビン!」

「はい! 先生!」


「フィオナ預かってろ」


 そう言って腰の刀を渡すと、ケビンが目をまん丸にして驚く!


「ま、まさか素手で! 無茶です!」

「ん? あいつも素手だぞ?」

「いや! しかし!」

 あわてるケビン


「おいおい、フィオナを落とすなよ。女の子だぞ、優しく抱きかかえていろ。

 まあ見てろ、良いもん見せてやる。」

 そう言って、丸腰で奴の元へと歩いていく。



「待たせたね、さあやろうか。」

「……馬鹿にしているのか?」


「いや、全然、仮面ランナー相手に力技やっても倍返しされるだけだからな。」

「!! ……知っているのか?」


「ああ、特技は、『風車の理論』だっけ?

 そんなの相手に力技は使わんよ、さ、来な。」

 手のひらを上にして差し出し、指を4本、クイックイッとまげて挑発する。


「貴様!!」

 仮面ランナーが殴りかかる!


 スッとそらし、体が流れたところへ、トンッと背中を押す。


 仮面ランナーはタタラを踏んで転ぶのを堪える。


 バッと後ろを振り向くが、

 …もうそこには居ないよ、

 仮面ランナーの背後を取る。


「くっ!」


 裏拳が来る、これを右手でいなし、真正面に入る!

 脚を広げた仮面ランナーの真下、正中線にあたる位置の地面にズン、と踏みこむ!


「うお!」


 仮面ランナーが尻餅をついた。





「……侮って居たのは私の方だったようだ、」


「ああ、俺も挑発するような真似をしてすまん、

 楽しそうな相手をみるとふざけたくなる悪い癖があってな。」


「改めて一騎打ちを申し込む!

 天知る、地知る、我が知る!

 仮面ランナー ソウジ 見! 参!」


「フミオ ゼン ヤマナ!

 この一騎打ち、受けた!」


「「いざ!!」」


 二人の戦いが始まる!!


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よろしければこちらもどうぞ。 え? 職業ですか? ガテン系ですけど、、
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