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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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88. ゼノーデン平原の戦い 仮面の戦士

「矢、放て!!」

 ドシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!


 俺の命令でゼノラウト軍より、空を覆うばかりの矢が放たれる!

 すでに『追い風』の魔法もかけてあり、かなりの距離を飛び、敵陣の中へと降り注ぐ!

 敵の矢は向かい風の為、手前で落ちる。


「しぶといな、、損害も出ているだろうに、、」

 敵の陣から矢が数多く放たれている間は、突撃するわけにもいかない、

 一か所、空いているように見えるが、、間違いなく罠だな、、


「団長!! 敵左軍を攻めている右軍からの伝令です!」

「申せ!」

「はっ、現在矢の射かけあいで膠着状態、攻めあぐねているとのことです!」

 あっちもか、、


「無理攻めするなと伝えておけ、、」

「はっ!!」


 戦線は二日目の朝、膠着状態から始まった。正面からのゼノラウト軍、右側面からヒューレ軍、左側面からデルハルト軍に攻められ、良く持ちこたえている。 なかなかの指揮官が敵にいるようだ、、




 戦闘開始から約2時間、、

 ……おかしい、なぜ守ってばかりなんだ、時間稼ぎ? 何のために?

 物見は各方面にとばし、迂回する部隊が無いことも確認している、、などと考えていたら、、


 バァアーーン!!


 本陣から爆発音が聞こえた!!!


「なんだと!」

 特徴ある乾いた破裂音、近代兵器か?!


「おい、本陣に伝令を…」「伝令!!」

 伝令が走ってきた。


「申し上げます! 本陣が謎の敵襲を受けております! 部隊長および司令官のみ、12名死亡! いずれもひたいに穴を開けられて死んでおりました! 敵の数は不明、姿を見たものもおりません!」


「ちぃ!! 召喚戦士か!!」


 ……どうする? 俺が行くか? 交戦中にここを離れるわけには、いやしかし本陣が壊滅したら、、


[ フミオさま!! ]

 !!アユミからの『以心伝心』による交信だ!


「アユミ、大丈夫か?! すぐに隠れろ!」

[ 本陣は大丈夫です! 敵は撃退しました!]

 声に張りがある、アユミ自身は元気になったようだ。


「そ、そうか、 まず被害状況、そのあと敵と交戦状況について教えてくれ。」

[ はい、シュルト閣下が負傷、命に別状ありませんが重傷で指揮は取れません。敵戦士の狙撃で、指揮官の半数が死亡、部隊長も多数死亡。ゼノラウト親衛隊は損害大、死傷者数不明。]

「ぐ、、痛いな、本軍1万が機能しなくなったか、、」


[ 敵は銃や爆薬で武装した召喚戦士が一名、すでに死亡しました。]

「そうか、、親衛隊が数で包み込んで倒したのか?」

[ いえ、レオル、ルル、シェリーの3名で敵の迷彩を見破り、親衛隊が交戦、マシンガンの掃射を受け被害が大きくなりました。その間にレオルたち3名が敵に接近し交戦、これを倒しました。]

「な、、、、」

 絶句した、あいつら、、、


「そうか、あいつらに怪我は?」

[ レオルが足を怪我、話を聞くとおそらく手りゅう弾の破片を受けたものかと。本人はいたって元気です。]

 少し胸をなでおろす、、あいつらを返さなくて良かったという思いと、こんな危険なところに居させてしまったという思い、


「……よくやった、と伝えておいてくれ。引き続きアユミの護衛を頼む、と」

[ はい! ]


「アユミ、本当に大丈夫なんだな、」

[ はい、食事もとりました。精神的にも回復しています。]


「よし、では頼む。」

[ はい! では行きます!

 召喚魔法使いは本陣深くにおり、出てくる様子はありません。

 こちらの弱体化が知られる前に敵の左右の軍を叩きます! 

 まずは敵右軍からです! ]





[ ディーエさん!]

「アユミさん! 大丈夫なのですか?」

[ ありがとうございます、ディーエさん、もう大丈夫です。敵右軍攻略の支援をします!]

「よろしく頼む!!」

 ディーエ率いるヒューレ軍が、戦場東の山の森林から出てきて展開、素早く陣形を構築する!

 今まで山の中にいた1万の軍がその全軍の姿を現す!

 

「第3師団前に出ろ! ぎりぎりまで前進! 矢を射かけろ!

 第1師団、第2師団! 突撃用意!」

 ディーエが叫ぶ。


 互いの軍が矢合わせを行った後、

[ ルテグラさん! 2時の方向へ進み、攻めかけてください! そこは表面上は厚そうに見えて、後方の弓隊が薄いです!]

「軍師殿! 第1師団ルテグラ了解! 全員、あの突出した敵軍に突撃!」

「「「うぉぉぉおおおお!」」」


[ メービックさん! ルテグラさんのあけた穴から入り、9時方向へ転進し南へ進み、騎兵隊で敵の弓部隊を薙ぎ払ってください!」

「アユミ殿! 第2師団メービック了解したぁ! うらぁ! 行くぞ! ヒューレ騎兵隊!!」

「「「オオォォーー!!」」」


[ ロファルさん、、第5師団は、、真正面から行きます。被害も大きいでしょうが、敵右軍の本陣を取りに行きます、よろしいでしょうか? ]

「アユミ殿、、1つだけお話をさせてください、、 

 我らヒューレ軍、第5師団は歩兵中心の部隊、そのほとんどは、、レガト砦の戦いの生き残りです。

 我らはあの時、ヤマナ様に命を救っていただいた恩を返すべく、ゼノラウトに参りました!

 どんな過酷な状況でも、無理やり戦わせられていたあの戦いに比べれば!

 軍師殿! 迷われることなく我らの進路を示してください!!」

[ ありがとうございます! メービックさんが弓矢隊をつぶしたら、前進します!]

「ははっ!! 了解しましたアユミ殿!」



[ フミオさま、ゼノラウト軍は正面で牽制したまま待機でお願いします。]

「いいのか? 2軍でかかった方がいいのでは?」

[ いいえ、フミオさまとトモナリさんは、敵の召喚戦士が動くまで待機です。交戦中に別の場所に現れた場合、動けないと全軍にとって致命的なことになる可能性があります。そこでにらみを利かせておいてください。]

「そうか、わかった。」



「進め! 本陣までもうすぐだ!!」

「はっ! ロファル様!!」

 ロファルたちは次々と敵陣を突破し、敵右軍の本陣へと近づく。


[ !! 気を付けてください! ロファルさん! 戦闘力の増大している兵士を確認しました!! 目の前です!!]





「フハハハハ! 天知る、地知る、我が知る! 仮面ランナー! 見! 参!」

 つま先から指先、頭のてっぺんまで、全身真っ白な戦士が現れる!

 その敵は、本陣を背にたった一人で立っていた。

 体にフィットした真っ白い服に、真っ白いマント、目のあたりに黒く細長い長方形がある白い仮面を被っている。武器は何も持っていない。


「!! かかれ!」

 数名のヒューレ兵士が走り、白い戦士に斬り掛かる!


「なるほど、強き戦士たちよ、、だが! ランナーチョップ!!」

 斬りかかる鋼の刀を、白い手袋の手刀で次々と砕いていく!!


「フハハハ! ランナーエルボー! ランナーチョップ!!」

 笑いながら次々に剣を、盾を素手で砕いていく!

「ランナァーーーア パーーーーンチ!!」

 ヒューレ軍の一団の前で大きく踏み込み、思いっきり拳を振りぬく!


 ゴバァァアア!


「「「うわぁぁぁああ!」」」

 ヒューレ軍の兵士たちが拳圧で吹き飛ばされる!

[ ロファルさん! 一時撤退して下さい! その敵はとんでもない戦闘力です! ]

「くっ! 了解した! 負傷者を担いで退却!」 



[ フミオさま! 敵の召喚戦士が出ました! 敵右軍の本陣近くでヒューレ軍と交戦中!]

「わかった! 案内しろ! ヒューレ軍の被害は?」

[ はい! あれ?、あれれ? ]

「どうした? アユミ、」

[ 死者ゼロ、、なんで? トモナリさん以上の戦闘力なのに?]

「そんな奴が出ていたのか? どこだ?」

[ ……すみません、見失いました、、戦闘力が変動する敵です。フミオさまみたいに、、]


 ……やっかいだな、高戦闘力の召喚戦士か、、しかも戦闘力を抑えられるので、アユミも見つけづらいのか、、


「アユミ、今度は俺たちが本陣に仕掛けてみるか?」

[ ……いえ、、待機です。]

「なぜだ?」

[ ……召喚魔法使いが動きます。]

「!! そうか、、頼む」


 俺たちはアユミの指示を待ち、じっと待機していた。

 ガリアを炎で焼き払った、奴と戦うために!

ロファルの話は「35. レガト砦防衛戦 -中編- 二人の将」を参照ください。

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よろしければこちらもどうぞ。 え? 職業ですか? ガテン系ですけど、、
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