86. ゼノーデン平原の戦い 四天王
「陣を固めろ! 防護柵の補修、急げ! 外のかがり火を絶やすな!!」
ヤマナは先鋒軍の陣に戻り、兵達に指令を出す。
「ハルバルト! デメトリオ! ケビン! 交代で陣を守れ! 兵たちの食事、休息のローテーションをうまく回せ!」
「「「はっ!!」」」
「おじちゃん! 僕は?」
「トモナリ、お前はしっかり休め、明日は激戦になる! 大技出しまくることになるからな!」
「わかった! おやすみなさい!」
「ああ! しっかり寝ろよ。」
「俺はこれから本陣へ行く! 任せたぞ!」
「「「ははっ!!」」」
ヤマナは後方の本陣へと騎馬で駆ける。
本陣へ行くと、レオルとルルが走り寄ってきた!
「師匠!! アユミが大変だ!」
「あゆみちゃんが、、あゆみちゃんが!」
「!! やはりか!!」
陣幕を払いのけ、中に入る!
「うっ、、ごふっ、、」
「アユミ! アユミ!」
目を大きく見開いたまま、地面に膝をついて胃液を吐くアユミと、背中をさするシェリー
アユミの目は、まばたきもせず、焦点も合ってない、手足はブルブル震えている。
「アユミ!! 大丈夫か!!」
途中から、『以心伝心』が聞こえなくなっていた、、
戦闘終了後、張り詰めていたものが切れ、一万人近い人の死を感じ取ってきた反動が来たのだろう。
「フ、フミオさま、、うっ、、私、、お役に立てたでしょうか?」
「ああ! 最高の働きだった!! お前以上の軍師はいない!!」
ヤマナはアユミを毛布でくるみ、抱きかかえる。
「シェリー、アユミは戦闘開始から食事は取っていたか?」
「いえ、、、フミオさまに言われた通り、食事を用意したのですが、、
手を付けず、、終わってからは吐くばかりで、、すみません!」
シェリーがオロオロになって話す。
「いや、お前のせいじゃない、、、すべて、すべて俺のせいだ!」
フミオは毛布の上からアユミを抱きしめる。
アユミは焦点の合っていない目を見開いたまま、ブルブル震える。
「アユミ、アユミ、、」
「ああ、フミオさま、、すみません、、お腹すいてるのですが、、のどを通らなくて、、」
「……シェリー、、リンゴはあるか?」
「は、はい! 今すぐ持ってきます!」
ヤマナはナイフでリンゴの皮を少し剥き、小さなかけらを作り、、アユミの口に入れてやる。
「!!………………」
アユミはゆっくり噛みしめ、、コクンと飲み込む。
ヤマナはリンゴのかけらを、少しずつ食べさせる。
アユミはゆっくり噛みしめ、飲み込んでいく、
二人が出会ったあの日のように、、、
リンゴを1つ食べ終わったアユミは、、ヤマナに抱きかかえられたままやっと目を閉じて、、眠る、、
ヤマナが口を開く。
「シェリー、、先鋒軍のデメトリオへ伝令を出してくれ、俺は今晩本陣に居るから、陣を任せると。」
「はい!」
「あと、、レオル、ルル、シェリーの3人でここを守れ、俺の許可なしには、、誰も入れるな!!」
「は、、、はい!!」
ヤマナはずっとアユミを抱きしめ続け、少しでも休めるように気を配って、角度を変えたり、ゆっくり背中をさすったりしていた。
「おまえ、何やってんだよ、先鋒軍が壊滅したじゃねーか。」
ベアダイン軍の本陣で、黒いストライプが虎のように入った緑色の服を着た男がタツヤを責める。
「ぐ、、、しょうがねーだろ! 青海竜の大波を返すなんて、誰が予想できるかよ! ヘイスケ!」
「チッチッチ! コードネームで呼べよ、ブラックスネークだぜ。」
「……タツヤがやられただと?
ククク、奴は四天王の中でも最弱、、、」
「うるせーー! ソウジ!!
3人しかいねーし、俺も殺られてねー!!」
「ソウジ? 誰だそいつは?
俺は仮面ランナー!!
正義の味方のヒーローだ!!」
「コイツ等、、、やってらんねぇ、、」
ベアダインの本陣で、召喚戦士三人が軍議? を開いていた。
「タツヤ殿、偉大なる指導者、トウセ・ジウマ民代表閣下は、非常に寛大な方で一度の失敗は許されますが、次に失敗されますと流石にかばっていただけませんぞ、そうなると人民裁判にかけられますぞ。」
ベアダインの将校がタツヤに忠告する。
……けっ、なにが人民裁判だ、、死刑一択のくせに、、
タツヤは心の中でつばを吐く。
「まあ、明日は俺が出るよ、タツヤは怪我を早く治しな。」
「……すまんな、ブラックスネーク、、」
「ヒーローは遅れて参上する!!」
「うるせぇ! ソウジ!
お前も仕事しろ!!!」
ベアダイン軍は強力な召喚戦士を、3名投入していた、そのうえで敵を上回る兵力、さらに失敗しても十分国内には戦力が残っている。これこそが侵略の自信の元となっていた。
そして、、激戦の二日目の日が昇る!!!
ヤマナとアユミの出会いについては、[62. アユミ]を参照ください




