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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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78. 凶刃

 披露宴は進み、各国の代表が、ヤマナの元へ進み、あいさつをしていく。


「ベアダイン共和国の使者、バシュレと申します。

 ヤマナ様、この度はご結婚、おめでとうございます。」

「バシュレ様、ありがとうございます。」

 ヤマナが礼を返す。


 ベアダイン共和国はゼノラウトの南に位置し、国境を接している。

 国土もゼノラウトの5倍はある大国だ。

 これまで幾度となくゼノラウトに攻め込もうとしたが、そこを領地とするガルファングに何度も撃退されていた。

 ただ、ここ数年は紛争もなく、南の国境は穏やかだと聞いていた。


「エリスさま、」

 エリスの前に進んだバシュレにヤマナが違和感を感じる、、


「おめでとうございます。」

 穏やかに挨拶をしたまま顔を上げたバシュレは、いつの間にか右手に握っているナイフをエリスに突き出す!


 ガッ!


 ヤマナがバシュレとエリスの間に割って入り、ナイフを持ったバシュレの右手首をつかむ!

 バシュレは左手にもナイフを持っており、それをヤマナの脇腹に突き立てようとする!

 ヤマナは右腕で防ぐ!


「信じてましたよ。ヤマナ様を狙っても駄目でしょうが、奥さんを狙えば、きっとかばうと、、」

 そう言ってバシュレはヤマナの右腕に刺さった短刀で傷口をえぐる!


「くっ、、フィオナ!!」

 ヤマナの腰の刀より、フィオナが顕現けんげんし、その美しい顔を憤怒の表情でゆがめ、バシュレの顔面を右手でつかむ!


 ドバァァァアン!!


 フィオナが、つかんだ手のひらから雷を流し込み、バシュレが激しく痙攣する。

 顔を雷で焼かれ、倒れてビクンビクンするバシュレ、警備の兵たちがすかさず膝と肘の腱を斬って無力化する!


「賊を別室に連れていけ! 尋問する!」 

「王たちを安全な所へ!」


 警備の兵たちがあわただしく動く。




「あなた、、あなたはこの世界に大事な人なのに私をかばって、、」

「エリスが無事なら俺はいいのさ、エリスに何かあったら、俺は生きてられないもの。

 今回はそれを利用されてしまったがなぁ、、」

 宮殿の中にある会議室の隅で、エリスはドレスのままヤマナの治療を行っていた。

 右腕の怪我は浅くないが、毒などはなさそうだった。ヤマナは手をグッパしたり、肘を曲げたり伸ばしたりする。

「流石エリス、もう問題なく動くよ。」

「まだ無理しないで、くっついて血が止まっただけなんだから。しばらくは握力落ちているでしょうし、、無茶しちゃダメよ、あなたはいつも無茶ばかりするんだから、、、」

「ああ、いつもゴメンな、」

 そう言ってヤマナはエリスの髪を撫でる。



 会議室の中央にある大きなテーブルには正面にゼノラウト8世と王妃テレシア、左右にゼノラウトの重臣達と領主たち、そしてデルハルト王とツェルペの領主セルンド、ヒューレ王が席についている。

 自分たちの大切な新郎新婦が襲われたことに、全員ハラワタが煮えくり返る思いであった。


「賊を改めましたところ、このような書状を持っておりました!!」


「開けてみよ!」

 ゼノラウト8世が険しい表情で命令する。

 書状の表には『宣戦布告』と書かれ、封を切ってみると、



[ ベアダイン共和国は大陸東部の人々を王制政治より開放するため、ゼノラウト、デルハルト、ヒューレの3王国に宣戦布告する。ただし、王制を廃し、我が共和国への統合を受け入れるのであればその旨の意志を伝えられたし。

 ベアダイン共和国 民代表 トウセ・ジウマ ]




「くそったれガァ! 何が民代表だ!!

 25年以上も代表の座について独裁政治を行っているペテン師がよく言う!!」

 ガルファングが激怒する。


「ワシら3人の王が揃うところに宣戦布告して来たのだろうが、、やり方が卑劣すぎるわ!! 新郎新婦の晴れの舞台を汚すとは許せんの!」

 普段は温和なゼノラウト8世も激怒する。


「ハルバルト、ヒナコとアユミを呼んできてくれ。 これから軍議が始まる、今回、彼女たちの力も借りるかもしれない。」

「はっ!!」

 ヒナコとアユミが呼ばれてきた。


「この子たちも戦士だ、会議に参加させてやってくれ。」

 ヤマナは彼女たちを席に着かせる。


「さて、ガルファング、すぐに南に帰らなければいけないんだろ?

 その前にトウセ・ジウマとベアダイン共和国について知っていることを教えてくれ。

 兵を集め次第、南へ後詰する。」


「分かった、、奴はだな、、、」

 ガルファングが語るには、、


 トウセ・ジウマは出来レースの選挙で25年間、ベアダイン共和国の代表の座についていること。

 専制君主政治も真っ青の独裁政治をひき、民から搾り取っていること。

 非常に人心を操ることが巧みで、自分は民に選ばれた素晴らしい人だと洗脳し、狂信的な軍隊を持っているということ。

 ベアダイン共和国は大国で、その総兵力は少なく見積もっても5万以上はあるということ、であった。



「ガルファング、すぐ軍を率いて行くからなんとか持ちこたえてくれ。」

「ああ! 頼りにしてるぜェ。  ギル! お前は残れ! ヤマナの軍の案内をしろ!」

 ガルファングが自分の席の後ろに立っているギルファングに命令する。

「分かった! アニキ!」


 ガルファングが会議室を飛び出して王都を後にし、ベアダイン共和国の侵攻に備えるために南の領地へと走る。



「ディーエ!」

「はっ!」

 ヒューレ王リカードが叫び、席の後ろに立っているディーエが姿勢を正す。

「ヒューレへ戻り、全軍を率いてこい! 騎兵5千、歩兵1万は出せるはずだ!

 兵糧や武器の輸送も忘れるな! 海軍も編成し、海路と陸路、両方から来い。

 出発できる部隊から順次ゼノラウトの私の元へ送れ!」

「!! リカード様は戻らないので?」

「俺はわが友、ヤマナとともにいる! 全軍を走らせろ!

 俺の代行のあかしに俺の剣を持っていけ!」

「はは!」


 ディーエはリカードの剣を丁重に受け取り、ヒューレへと駆けていった。



「セルンド、ちょっと戻ってデルハルト軍をゼノラウトに派遣しておくれ。

 どれぐらい送れそうかの?」

 デルハルト王が隣に座っているツェルペの領主セルンドに話しかける。

「はっ! 騎兵3千 歩兵1万は送れます!」

「おお、頼んだぞ。朕とトモナリは残らねばならんからの。

 そうじゃな、朕は剣を持っておらんからこのローブを代行のあかしに持っていきなさい。」

「ははっ!!」


 セルンドがデルハルト王のローブを受け取り、デルハルトへと駆けていく。



「リカード、デルハルト陛下、ありがとう、」


「なんのなんの、ケンカを売られたのは朕たちじゃ。 それに、朕らの大事な新郎新婦を害そうとした外道は叩き潰さねばなるまい。」

 デルハルト王が今までにない、ギラリとした光をその目の中に浮かべる。

「そうだ、わが友の結婚を踏みにじるようなやり方、人として許せるものか!!」

 リカードも激高する。



「ワシも早く西の領主に戻って、軍を引き連れてくるわい、

 ドワーフ兵は重装備な分、足が遅いから、出発が早いほうがいいからの。」

「ああ、ミルドルト、頼む。兵力はどれぐらい用意できる? 」

「西の町は人口が少ないからの。3千というところじゃ。」

「ああ、ガルファングも頼りにしているだろうからな。頼むよ。」


 ミルドルトもすぐに王宮をでて、西の領地へを馬を走らせた。



「シュルト、二つ頼みがあるんだが。」

「は、団長」

「軍の移動支援と沿岸警備だ。

 移動支援は、テリクスから南の領地までの最短ルートに、順次旗を立てるのと、兵たちがメシ、水、塩を取れるよう補給基地を立ててほしい。目安は10kmおきに、だ。

 沿岸警備は、そのままの意味だ、共和国軍の海軍を見張れ。

 あとヒューレ海軍を見つけたら案内する役目もいる。

 ベアダイン共和国軍が船で攻め込んで来るなら迎え撃たなければいけない。」

「ははっ!」



「さて、敵は未知数、兵力は少なくとも5万、

 ガルファングのところの兵力は数千というところだろう。

 ヒューレ1万5千、デルハルト1万3千、テリクス5千、ミルドルト3千、シュルト3千、王都軍5千、

 数の上では大差はないが、集結が間に合うか、、」

 ヤマナが戦力の確認をしながらつぶやく。


「あのー、フミオさま、、発言していいですか?」

 アユミが発言の許可を求めた。

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よろしければこちらもどうぞ。 え? 職業ですか? ガテン系ですけど、、
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