76. ゼンの神殿
テリクスでの結婚式の1週間後、ヤマナ達は披露宴を行うためにゼノラウトの王都に来ていた。
3日間の準備の後、王宮で披露宴が行われることとなっている。
その間に、ヤマナの一行はゼンの神殿に立ち寄ることにした。
「ほえー、ここがダーリンが召喚された神殿なんだね~☆ ちっちゃいね~」
「ええ、思ったより小さいですねー」
ヒナコとアユミがゼンの神殿をみて率直な感想を述べる。
「ああ、そしてここでエリスとも会ったのさ。」
「またノロケ~☆ もうお腹いっぱいですぅー」
「ロドニー、力読の石 使わせてもらってもいいか?
ただし、俺とこの二人を計っているときはロドニーとエリス以外、誰も入れないでほしい。」
「わかりましたのですじゃ。 こちらへ。」
「シェリー、すまん、ロイスと一緒にここで少し待っていてくれ。」
「はい、わかりました。 フミオさま。」
シェリーとロイスを神殿の礼拝席に座らせ、ヤマナ達は神殿の別室に案内された。
「さて、久しぶりだな、、」
最後に計ってから、ヤマナはケンタとクロトを倒し、帝国闘技大会を戦い抜いてきた。
ヤマナが石板に手をかざし、集中する。
<フミオ・ゼン・ヤマナ>
種:人(男)
戦闘力合計:25835(←7352)
職業:
戦士Lv-(←82) 侍Lv-(←185) 格闘家Lv-(←113)
将Lv85(←15) 統治者Lv62 (←35)
聖騎士Lv25 New 精霊使いLv35 New
大神官Lv5 New
スキル:
高度情報処理
剣術(剣術 居合 魔法剣 )
槍術(槍術)
体術(柔術 打撃 )
魔法(回復 風 雷 闇 New 聖 New 空間 New 次元 New)
「……いったい帝都でなにをやってきたんですか?」
あんぐり口を開いて何も言えないロドニーの代わりに、エリスがたずねる。
「ん? ヒナコにぶっ飛ばされて、勇者に勝って、デーモンを4体と超大型魔獣を退治した。
ところで『聖騎士』と『精霊使い」は分からんでもないが、『大神官』ってなんだ?」
「伝説の大神官『セントレオン』は、多くの人々の命を救い、その退魔の力で上級悪魔を倒し、囚われた死者の魂を解放して、『大神官』となったそうですじゃ!
アルカナ帝国の初代皇帝『アルバード』の師にあたるお方でもあるのですじゃ。
アルストア大陸史上『セントレオン』以外に『大神官』は出ておりませんのじゃ!
ど、どうかヤマナ様、この神殿の『大神官』に就任してくだされ!!」
「えーー、やだよ、めんどくさそうだもん。」
「そんなぁーーー」
「あなたならそういうと思ったわ、、」
ロドニーが嘆き、エリスがあきれたように言う。
「ところで高レベルだった『戦士』とかが非表示になってるんだが、、」
「もう『力読の石』では計れないレベルなのですじゃ、、」
「カンストしたのかぁ、まあ気にしなくて良さそうだな。」
「こんなのはヤマナ様しか見たことがないのじゃが、、」
「じゃあ、次 ヒナコやってみるか?」
「うん、久しぶりだねー」
ヒナコが石板に手をかざす。
<ヒナコ>
種:人(女)
戦闘力合計:152379(←186772)
職業:
パイロットLv25 秘書Lv5 New
スキル:
経理 簿記 財務 税理 会計
空戦(空対空 空対地 ソニックブーム アフターバーナー チャフ)
魂変換(爆装 空中給油)
「な、モガモガ!!」
ヤマナは叫びそうになるロドニーの口をとっさに塞ぐ。
「あ! 『秘書』が付いてる! やったー!」
他の皆はそのトンでもない戦闘力に目が行っているが、そんなことはお構いなしに無邪気に喜ぶヒナコ、
しかし、ヤマナだけは別のことを危惧していた。
「……ヒナコ、あとで話がある、、」
「なあに? ダーリンまじめな顔して、
はっ、告白? キャッ」
しかしヤマナはいつものようにツッコミは入れず、少しだけ微笑んで、ヒナコの髪をなでた。
「 ?? 」
「じゃあ、最後にアユミ、やったことはあるか?」
「い、いいえ」
「ここに立って、落ち着いて石板に手をかざして。」
「はい、フミオさま。」
ヒナコが石板に手をかざす。
<アユミ・サトウ>
種:人(女)
戦闘力合計:***
職業:将棋2段
スキル:
先読み
魔法(空間 次元)
「はあ? 次元? なんでだ?
空間は教えた覚えはあるが、、」
「ご、ごめんなさい!
フミオさまの次元魔法の話を聞いて、、
私もと思って、いろいろ試していたら、
将棋の持ち駒を指すイメージで、手元にあるものは『盤面把握』の中なら飛ばせるようになって、、
こんな感じで、、」
アユミがハンカチを取り出して、フッと消したと思ったら、、、
部屋の隅にハンカチが落ちていた。
全員が目を丸くする。
「マジかよ、、 まあ、人や自分自身には使うなよ。」
「は、はい」
「アユミ、、恐ろしい子☆」
「さて、ロドニー、俺にやったように、アユミにも変換を頼む。」
「わ、わかりましたのですじゃ
アユミさん、もう一度手を石板にかざしてくだされ。」
アユミがもう一度、石板に手をかざす。
ロドニーは手をアユミと石柱に向かって広げ、何やら集中し、
ぱぁっとアユミが光に包まれる。
<アユミ・サトウ>
種:人(女)
戦闘力合計:19
職業:軍師Lv21
スキル:
力読み New
先読み
魔法(空間 次元)
「……おい、ロドニー、どういうことだ?
あんた何やったんだ?
『New』ということは今習得したのか?」
「わ、私にもわからんのですじゃ!!
そ、そんな、『力読み』ができる人間など、聞いたことがないのですじゃ!!
それに『軍師』、初代皇帝『アルバード』の側近に一人いた以外の記録はないのですじゃ!」
「駒の能力を理解して扱うスキルが、『力読みの石』の力に触れる事によって目覚めたとでもいうのか?」
「アユミ、、恐ろしい子☆」
「アユミ、俺を計ってみろ。」
「は、はい! ええと戦闘力は、、2万5千、、え?
上がっていく? 2万6千、、7、8、9、
3万行きました!」
「そうか、試して悪かったな、今のはフィオナとパスをつないでブーストをかけてみたんだ。
石板は瞬間しか計れんが、アユミはリアルタイムで相手の能力がわかるようだ。
ほかにスキルなどは分かったか?」
「は、はい、『剣術』の中の『剣技』の数はとても数え切れませんでした。
レベルは雷属性の剣技が一番高くて、次に風、そして聖属性、あと石板には出てませんでしたが水属性の技も、、」
「『浪返し』だな、一度しか使っていないんだが。
というか剣技とその属性やレベルまでわかるのか、、」
……まずいな、、
「……ここにいる全員に言っておく、アユミがこの力を使えることは他言しないように。
アユミもだ、俺以外の前では使うな、他人に知られないようにしろ。わかるな、、」
「はい、フミオさま」
「分かったのですじゃ」
「はい、あなた」
「わかったよダーリン」
アユミがいれば、軍の陣容から戦士のスキルまで全部丸裸にされてしまうということだ。
冗談じゃない、こんな力、敵に知られたら真っ先に狙われる、、
ましてやアユミの戦闘力は普通の子供並みに低いのだから。
「ロドニー、俺のことは全部口外していい、『大神官』のこともだ。
なんなら他の神官の前で石板使って見せてもいい。
だがこの二人のことは絶対に秘密だ。
いいな。」
「分かりましたのですじゃ!」
とりあえず衆目は俺に向けておくのがいいだろう……
夕方、王国の重臣たちも神殿にやってきた。
重臣たちや数十名の神官の前でヤマナが石板に手をかざす。
「おおおーー、『大神官』!!」
「『聖騎士』に『精霊使い』まで!!」
「戦闘力2万5千!!」
「ははぁーー『セントヤマナ』様!」
ああ、俺のことはなんとでも言ってくれ……
自分を崇める神官たちに、ヤマナが軽く右手を上げ、穏やかに微笑みを浮かべて応える。
ヒナコやアユミを守るためならば、自身が御輿になることも厭わないヤマナであった。
以前、ロドニーのことを、神官長と書いたり、大神官と書いたりしましたが、正しくは神官長です。
m(_ _)m




