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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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66. 帝国闘技大会決勝 VS魔術師

 ※文中に残酷な表現が入っています、ご注意ください。

 決勝の時が来た。

 闘技場の観客席は満席、

 ロイヤルボックスを見ると、うちの王様と王妃様が皇族席の真ん中に入れられている。

 皇帝やフリード皇太子殿下に話しかけられカチンコチンになっている。


 はっはっは、良かったな。



「決勝 ベラド 対 フミオ ゼン ヤマナ はじめ!」


 決勝の合図が告げられる!


 ふくよかな、女の魔術師が、結界をすぐに張り、ニヤリと顔を歪め笑う。

 そして両手から暗い紫色に光る魔法陣を4つ、木の葉のようにひらひらと落とした。

 魔法陣は落ちる間に、数センチ程度だった大きさが直径1メートルほどにもなり、地面に張り付く!


「きひ、きひひ、きひひひぃ、

 あなたには特別な相手を召喚をしてあげましょう! そのあと、ここに満ちている魂全てを集めることにしましょう!!

 出でよ、デーモン!」


 4つの魔法陣が地面の上で狂ったように回転し、地面から生えてくるように黒い人型が現れる! 

 現れた人型は上半身は青黒い細マッチョ体形で、頭は2本の太い角が額から後ろへ流れるように生えている。

 下半身は黒い、獣の毛におおわれている。


 この世界の人類の敵、魔族、その中でも上位種にあたるデーモン。

 人や魔獣など比較にならないほどの強力な魔力を持ち、人の苦しみを糧とし、人の魂を集めることに執着する。

 俺もこの世界に来てから文献でしか読んだことはなかったが、、それが4体も召喚された!


 とんでもない瘴気だ。

 闘技場に瘴気の筋が幾重にも立ち込める。

 デーモンは長身の人型だが、戦闘力は昨日の魔獣など比べ物にもならない。


 観客は見ただけで恐怖を感じ、悲鳴をあげ逃げ出す。失神して倒れる者もいる。

 ロイヤルボックスの衛兵たちも臨戦態勢をとる。王たちを守る魔術師たちも最大出力で幾重にも結界を張る。


 デーモン4体が、俺を八つ裂きにし魂を喰らおうと取り囲んだ。

 ニヤニヤしながら、どう苦しめて魂のスパイスにしようか考えているようだ。



 だが!

 なめるなぁ!

 リアル剣技にも退魔特攻がある!


『奥技 悪魔祓あくまばらい!』


 魔を祓う四方への斬撃!

 いにしえより、数多あまたの剣士たちが練り上げた退魔の祈りを刀身に込めて、四方を斬る!

 

 フィオナは退魔の光に真っ白に輝き、煌めき、魔を切り裂いていく!

 その斬撃は白い光の帯を残して空を走る!!

 信じられないといった顔で声もあげられず、切り口からあっという間に消滅していくデーモン達!


≪ニンゲンフゼイガ!!≫

 俺の左にいた一体のデーモンが、飛び退すさり、消滅しつつある左手を右手で掴み肩から引きちぎる!

 左手を投げ捨てた後、右手のひらを俺に向け、火球を作る!

 バスケットボール大の火球、それもまるで溶けた鉄のようなとんでもない密度だ!


 だがフィオナは火球ごとデーモンの右手を切り裂く!

 消滅する火球、二つに割れる右腕、

 デーモンは消滅しつつある右手を食いちぎる!!


≪ウ、ウァァア!≫

 一瞬俺に恐怖の表情を向けた後、デーモンは背を向ける!

 蝙蝠のような羽を広げ飛び立とうとするが、、、、

 

「逃がさん!!!」


縮地しゅくち』でデーモンとの間を一瞬で詰め、横、縦に切る!


 正中線せいちゅうせんと腰を斬られ、空中で4つに分かれて白い光の粉に包まれ消滅してくデーモン、、




 4体のデーモンが消滅し、闘技場を覆っていた黒い瘴気の粒は、浄化されて光の粒に変わり、俺の周りに粉雪のようにキラキラと降り注ぐ。


 それとは別に、デーモンたちがそれぞれ居た所から、数百もの光の玉がぶわっと現れた。


 光の玉は、残心で剣を構える俺の周りをふよふよと漂う。

 俺にはわかる、デーモンにとらわれていた人々の魂だ、、



 やがて、、


「アリガトウ、、」

「アリガト、、」

「ホギャァ、ホギャァ、」

「アァ、アリガトウネ、」


 何百の声が礼を言って天へと登っていく。

 俺は残心をとったまま少し微笑み返した。


「ア、アナタ、」「オマエ、、」

「アア、ワタシノ、ボウヤ、、」「ママ、ママ、、」

「オネェチャン、、」「アア、クロード、、」


 家族だった魂は再会し、抱き合うようにくっついて一緒に昇っていく。

 デーモンたちはわざと家族を引き裂くように魂を取り合っていたようだ。


 彼らの再会の邪魔は誰にもさせない!

 させてたまるものか!!


 魂たちを守護しながら残心を取り続ける、

 フィオナも優しい輝きで彼らを守る、、、

 観客たちにも分ったようだ、昇天する光を見上げ、涙を流している人もいる。



 光の玉を見送り、光の粒が降り止んだあと、、


「さて、、」

 退魔の光を宿したままのフィオナを持って魔術師の方へと向きなおる。


「ひ、ヒィイ、お前、なんなんだよ! 一体なんなんだよ!」


 魔術師が後ずさりながら、尻餅をつく。

 さっきまではふくよかな女性だったのに、今は骨と皮ばかりの老婆だ。


「あぁ? テメェこそ何なんだ?」


 忿怒ふんぬの表情で光る切っ先を向ける。


「切った時に分かったぞ!

 テメェ、デーモンとの契約で村々を襲って魂喰わせていただろう!!」


 俺の怒号に会場が静まり返る。


「ま、まさか、この女が魂食い、、」

「村人全員が魂を抜かれたように皆殺しにされる事件が連続していたけど、、女だったのか?!」


 観客がどよめく。

 衛兵が構える。


「テメェだけは見逃すことは出来ん。」

「ヒィィィイ!!」


 魔術師が両手で強固な結界を何重にも張る!!


 超強化結界?

 知るか!!

 こんなもん、一振りで、うっすいガラスのように散らしてやる!


 パリィン!

 

 多重結界がフィオナの一振りで砕け散り、消滅する。


「ヒィッ!」


 詠唱の暇も与えず、退魔の光を宿した切っ先で喉をつく。


「ヒュゥ、」


 と音をたて、魔術師は黒い灰となって崩れ、地面にシミをつくって消滅した。




 決勝戦は終わった。


 4体のデーモンの討伐により、とんでもない経験値が入ったようだ。

 数字はわからないが、飛躍的なレベルアップと、職業やスキルが増えたのがわかる。

 

 あれ? フィオさんや?

 あんたまでやたらレベルアップしとらんかえ?




 だがそれより!

 突如、魔術師のシミから、使役されていた魔獣が解き放たれる!!


 準決勝で使役していた、箱トラックのような大きさの10m級超大型魔獣3体に、軽乗用車のような大きさの3m級中型魔獣12体、よくぞこれだけ使役していたもんだ。


 解き放たれた超大型魔獣たちが俺に襲い掛かる。


<ゴアアァァァアア!>


「なめんなぁ!! 『稲妻ぁあ!』」


 吠える中央の超大型魔獣に切りつける!

 一刀目の切り上げで下あごを落とし、二刀目の正面切りで、魔獣の頭を雷で焼きながら縦に真っ二つにする!!

 魔獣は頭から首まで二つに焼き斬られて倒れる。

 フィオナの威力がとんでもなく上がっている。




「行っけ~! 『さいどわいんだぁ~☆』」


 ヒナコが叫ぶ!

 観客席からミサイルが2本飛び、左にいた一体の超大型魔獣の横っ腹にドンドンッ! と直撃する。


<ギャグァアアアア!!>


 GJだ! 2体目が倒れる。




「こいつらは、任せろ! 

『雷竜召喚!』

 小竜達よ!

 行け!」


 皇帝の警護をしていたユウキがロイヤルボックスから出てきて、雷雲を呼ぶ。

 散らばって観客を襲おうとする中型の魔獣たちを、数多に降り注ぐ雷でかたづけていく。




「おじちゃん、僕もいくよ! 『岩砕突!』」


 デルハルト王の護衛についていたトモナリもロイヤルボックスから出てきた。

 トモナリが円錐状の赤い光で包まれ、もう一体の超大型魔獣の横腹に突撃する!

 が、堅い毛と皮に阻まれる。


「ううぅぅ、、、わぁぁああ!!」


 刺さったまま、なおも根性の推進力で突撃し続ける!

 人間ロケットか! こいつ。

 横っ腹をえぐられつつある魔獣が苦悶の表情で、トモナリに噛みつこうとする!


 トモナリの方を向いた魔獣の口をフィオナで切り上げる!


<ボブアァァァ!>


 魔獣の口が、目の先で切られて落ち、断面から血しぶきをまき散らす。!


「わぁぁぁああああああ!」


 バシュン!!


 トモナリが魔獣の体を貫通した!

 よくやった! トモナリ!


 ヤマナと居合わせた召喚戦士たちによって魔獣はすべて片づけられ、帝国闘技大会は終了した。

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よろしければこちらもどうぞ。 え? 職業ですか? ガテン系ですけど、、
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