57. 旅立ちの日
※文中に一部下ネタ、、のような描写があります。ご注意ください。
「ぅーん、ぅーん、、」
俺は『次元防御』の特訓のあと、屋敷に戻って、お気に入りのボロソファーの上で顔を埋めるようにうつぶせになっていた。
ダメージはない、ハズなのだが、やっぱりまだ痛い、、
脳が痛みを記憶しているのか、やな記憶だな、まったく。
「ただいまーーー! 」
エリスが元気に帰ってきた。
「ぉぁぇぃ- ……。」
「?? えっ?! どうしたの、あなた!! 」
「……、……」
「ふんふん、『次元魔法の特訓やっていて』 って!
ええ! やめなさいって言っているのに! 」
「………、………… …」
「ふんふん、『ルルちゃんに小石を投げてもらって特訓していたら』」
「………、……………………。」
「ふんふん、『たくさん投げた時に、男の子にあたって大ダメージ受けた。』 ……。」
ああ、ハズい、、、言ってしまった。
「……、馬鹿なの? ねえ!
馬鹿なの!! ねえ!!! 」
おねがい、
そんなに激しく両手でゆらさないで。
「ちょっと見せなさい!! 」
ひぃ、おやめになって、、
あお向けに転がされ、ズボンとパンツを下ろされた!
「どれどれ、、とりあえず、外傷はないようね、」
ああ、そんなにみつめないで、、
おねがい、、もっとやさしく、、、
して、
「反応は、、あるようね、機能障害はないわね、」
さすられて、、男の子が反応してしまった、、
「まあ大丈夫そうね、気をつけなさいよ ほんとにもう!」
「………、…………。」
「ふんふん、『シクシク、もうおムコに行けない』 ……何言ってんのよもう!! 」
ピンッ!
ひい! 指ではじかれた!
やめて、俺のライフはもうゼロよ、、、
「はやくパンツとズボン履きなさい! 」
「はい、、」
あれ? 楽になってる、なんで?
「もう動けるでしょ、分かるか分からないかのレベルでゆっくりとヒールをかけると、感覚に残った痛みを消せるのよ。
あからさまにかけると、かえって痛みのほうが残っちゃうんだけどね。」
さすがだ、なんて優秀なヒーラーなんだ、まさに匠の技!
チャララララーーン! チャラチャーチャッチャ、
俺の頭の中でビフォーアフターな音楽が鳴り響く。
「ありがとう、エリス、楽になったよ。」
「さ、晩御飯にするわよ。」
「はい。」
うーん、いくら戦闘力が上がっても、エリスにはかなう気がしないや、
それから数日後、陛下とテレシア王妃がテリクスに来やがった、じゃなくって到着あそばされました。
「おおヤマナ! 調子はどうかの? 優勝できそうかの? 」
「ヤマナさん、期待してますわ! 」
きたよ、お気楽バカップル。
「まあ、ぼちぼちですかねー、それより執務のほうがやばいです。」
「執務もぼちぼちやるようにのぉ。」
オイ!! 国王がそれでいいのかよ!!
「は、はあ、」
「キツキツだと破たんするぞい、遊びがあるぐらいがちょうどいいのじゃ。」
オイ、ゼノラウトはそれで滅亡しかけたんじゃないんだろうな、、
「2、3日テリクスでゆっくりして行かれませんか?
おいしいものがいっぱいあるんですよ! 」
「えー、帝都に早く行ってショッピングしたーい、ね、ダーリン! 」
「そうじゃのー! ハニー! 」
……今すぐ下剋上していいかな?
もう俺とエリスが国王と王妃でいいんじゃないかな? な?
エリス騎士団のほうが、俺やる気出るんですけど。
「では、出発は予定通り明日の朝ということで。」
「うむ! 」
「ええ、いいわ! 」
翌朝……
俺は帝都へ向かう部隊を整列させて待っているが、、
「陛下は? 」
「まだ起きてきません、」
「……いますぐたたき起こしあそばせて、お引きずり出してこい、、、」
フラットな声と変な敬語で王国軍の兵士に命令する。
「ええ?!! 無理ですよ! 」
「おい、親衛隊長、陛下はいつも何時に起きるんだ? 」
「だいだい、いつもお昼頃か? 」
ブチっ! うおらぁぁ!
カッ! ドガァァァァアン!
寝ている部屋の外の庭で稲妻をぶちかました。
「ふう、さすがに起きたかな? 」
窓のカーテンがチラッと開いた、ヤロウ、こっちを見たな?
「陛下! 全軍準備完了いたしました! 陛下の部屋と帝都、どちらに進軍すればよいですか! 」
「ちょ、ちょっと待っておれ! すぐ出ていくから! 」
30分ぐらい後、やっと出てきたよ。
さっさと馬車にぶち込んで、外からカンヌキをかける。
「じゃあ、エリス、行ってくる。」
「はい。あなた、お気をつけて。」
「ああ、」
エリスを抱きしめてキスをする、ずっとこうしていたい。
「行ってくるよ。」
「はい! 」
こうして名残り惜しくも、俺はエリスを残してテリクスを立った。




