49. トモナリの修行
「おじちゃん、僕にも剣を教えてよ。」
トモナリだ。
「いや、お前は充分強いだろ。」
「わかったんだ、おじちゃんやケンタ、クロトより僕はずっと弱いって。
だから、一番つよいおじちゃんに教えてほしいんだ。」
「……そうか、だが1つだけ聞かせろ。 お前は何のために強くなりたい?
お前は今まで沢山の戦士を葬ってきただろう。
もっと倒すためか?」
「ちがうよ! ぜったいちがう、、
ぼくは、、守れなかったんだ、、だから、守るための力がほしい!」
「デルハルト王に、もし、罪のない人を殺せと命令されたらどうする?」
「おうさまに?
ことわるよ、ぼくには、罪のない人たちは殺せない。
ぼくが殺されたって断る!」
「そうか、わかった、見てやろう。」
「本当! ありがとう!」
「技量のある相手に、必殺技は基本的に使うな、お前の必殺技はスキがあり過ぎる。
頭の悪い魔獣とかになら使ってもいいがな。
『百烈斬』なんぞは、動けなくなった相手にしか使えん。
『岩砕突』もだ、俺に撃ってみろ。」
「うん、『岩砕突!』」
トモナリが赤い円錐となって突っ込んでくる!
それを右足をやや右に進めて『入り身』でかわし、右爪先、左かかとを中心に一瞬で転身し向きを変え、『追い風』でトモナリの後ろにピタリとつけながら一緒に進んで行く。
トモナリの技が終わった時には、トモナリが振り向く前に、トモナリの首に抜刀したフィオナが添えられていた。
「な? 召喚戦士の必殺技は俺たちクラス相手だと2回目は必ず破られると思った方がいい。
次はケビンに撃ってみろ。ケビン、木刀で相手してやれ。」
「はい、先生!」
ケビンには、この数日間で『入り身』『転換』『転身』と言った基本的な足さばきと、基本の振り方を叩き込んである。
『岩砕突!』
ケビンもサッと入り身してかわし、転身してダッシュする、
トモナリと距離は空いたが、トモナリが止まって後ろを振り向いた時には、木刀をトモナリの肩に当てていた。
「必殺技が悪いとは言わん、要所で使えば大きな武器だ。
無敵技なんて俺は喉から手が出るほど欲しい。
だが頼り過ぎるとこうなる、一般の兵士にも攻略可能だという事だ。
そして、召喚戦士の最大の弱点は、特にゲームキャラは、ボタンで押されて動く決まった動きしか知らないという事だ。
俺や今のケビンから見たら、美味しいカモなんだよ。」
「そうなんだ、、」
落ち込むトモナリ、、
「なに落ち込んでるんだ、図々しいぞ、剣のイロハも知らんヒヨッコが、
安心しろ、あっちの世界でも武術を指導していた俺が教えてやるってんだ、早く強くなれ。」
「うん! わかった!」
「よし、じゃあ基本の振りからな、ケビン先輩の真似して振ってみろ。
ゲームの動きは忘れろ、角度、タイミングをケビン先輩に合わせろ。
正面100本、はじめ!」
「「いち!、に!、さん!、、」」
まあトモナリは子供だし、すぐ吸収するだろう。
デルハルトでの戦いもあって、戦闘経験は申し分がないが、身につけるにはまだまだ知識や技術が足りない、そこは俺が教えてやろう。




