39. 雷の魔王
自分はテレシア騎士団、ヤマナ団長親衛隊(※非公認組織)、ジョバスであります!
1カ月に渡る戦いと遠征が終わり、やっとテリクスに帰って来たのであります!
そしてゼノラウトの全軍がテリクス帰還を果たした今宵は、宴なのであります!
陛下や各領主からは樽で酒が送られてきたのであります!
ありがとうであります!
陛下とテレシア様は領主の屋敷にいらっしゃるそうで、兵たちで楽しめということらしいであります!
今宵はテリクス湖畔の草原で、兵士のみんなで語り合いながら飲むのであります。
明日には戦友たちは自分の故郷に帰っていくとのことで、ちょっと寂しいのであります、、、
「ここだ! と思ったのよ! タイミングはドンピシャだったぜぇ、 パトナの処刑部隊は、俺たちがいきなり現れて目ぇまん丸くしてやがった。 一切の反撃許さず、全員崖下に叩き落としてやったぜ!」
とギルファングさん
「さすがっス! 疾風の獣人部隊はあちこちで噂になってるっスよ」
「わしらは盾役だったからのう、 じみーに耐えておったわい。」
とグドルトさん
「何言ってるんスか、グドルトさん! ドワーフ隊はテレシア騎士団の先鋒っスよ! 先陣切って、戦斧を振るって奮戦する姿、めっちゃかっこよかったっスよ! 圧倒的兵力差もものともしない防御力、すごかったっス!
団長も言ってたっスよ! 頼りになるって!」
「おう、それは嬉しいのぉ! さぁもっと飲もうではないかジョバス! ガッハッハ!」
3時間後、、、
「ウィック、でよぉ、そん時ここだと思ったのよ、」
「ギルファングさん、、、 その話、15回目っス、ヒック、」
「ガハハハ! ワハハ!」
「グドルトさん笑いっぱなしっスね」
「ウィック、、
お、
ねーちゃん一緒に飲もうぜぇ」
「きゃっ!」
ヒィ!
ギルファングさんヤバイっス!
エリスさんのお尻、触ったっス!
ヤマナ親衛隊の全員が凍りついたっス!
一気に酔いがさめたっスよ!
「ギ、ギ、ギルファングさん、、
ヤバイっスよ、、、」
「ああ? 何が? ウィック、」
ドグァアアアン!!
ピイィ! 来たっス、来ちゃったっス!
ってどこから現れたっすか? 団長!
雷をまとって空から降ってきたっス!
「エリス、危ないから屋敷に帰ってなさい。」
「は、はい」
団長、エリスさんに、とっても優しい天使のような声とにこやかな笑顔で帰るように言ったっス、、
今のうちに逃げるっス
ソロー、と親衛隊の連中が逃げようとすると、、
【…… おまえたちは、うごくな ……】
ヒィ! 団長どっから声出したっすか!
聞いただけで石にされそうな、恐ろしい魔王のような低い声に全員固まったっス!
「ウィック??」
「ガハハハ!」
この二人はまだ状況がわかってないっス、、
優しげな微笑みで手を振ってエリスさんを見送る団長、
エリスさんが見えなくなると、、
こっちを振り返り、、
【 テメーら、ぶっ殺すぞ! ゴラァ! 】
ヒィイ! 魔王っス!
雷まとった魔王っス!
なんスかこの、魂まで抜かれそうな絶望的な威圧感!
今の団長にくらべたらケンタやクロトなんて、かわいいペットっス!!
バリバリバリバリバリバリ!
ドゴン! バゴォ! パガン!
あ、ギルファングさんが雷に打たれながらぶん投げられたっス、
地面に叩きつけられて、空中に跳ね上げられて、感電して、また叩きつけられて、、、
こんがりいい匂いがするっス
ていうか刀抜かなくても雷出せたんっスね、団長、
ゴガン!
グドルトさんが兜の上から殴られたっス!
クロトの暗黒技でも傷一つ付かなかった自慢の兜が、素手で殴って割られたっス!
どうなってるっスか団長のゲンコツは?
あの頑丈なグドルトさんが一撃で白眼をむいてひっくり返ったッス!
ハルバルト隊長とドット兵士長が、二人掛かりで抑えに行ったっス!
北東の領主のシュルト閣下も腰が引けてるけど行ったっス!
3人とも勇気あるっス!
マジ尊敬するっス!
あ、ひょいひょいと右手でドット兵士長を左回りに、
左手でハルバルト隊長を右回りに流して、、
ゴチン!!
ヒィ! 二人を正面衝突させたっス!
『アイキドー』の『ニニンガケ』ってやつっス!
ディープキスした二人が抱き合ったまま沈んだっス、、
あ、シュルト閣下、ノールックの裏拳一発で轟沈したッス、、、
両腕からバリバリ放電しながらこっちにくるっス、
ああ、子供の頃の思い出が走馬灯の様に巡るっス、、、
幼馴染のミーちゃん元気かなぁ、、
ピチチチ、、
チュン、チュン、
鳥の鳴き声が聞こえるっス、、
ここは? 天国?
はっ! 朝!
昨夜は団長にぶっ飛ばされて、、
起き上がって周りを見ると、、、
ヒィ、テレシア騎士団が壊滅してるっス!
よく見るとみんな大の字になって草原の上で気持ちよさそーに寝てるっス、、
一応死なない程度には手加減したっスね、団長
みんな、朝っスよ!
というかほとんど昼っスよ!
「ガギギギ、グギギ!
グォー、
グォーガ!!」
ギルファングさん、歯ぎしりといびきが凄いっす、
ていうか全身パンチパーマの獣人初めてみたっス
雷に打たれすぎっス、
「あたたた、
飲み過ぎたかのぉ、
あ、頭が、、」
グドルトさん、それ多分二日酔いじゃないっス
ゲンコツっス
あ、ハルバルト隊長と獣人のドット兵士長が、抱き合ったまんまで寝てるっス、、
ハルバルト隊長が寝ぼけてドット兵士長の毛並みをやさしくなでてるっス、、、
その横ではシュルト閣下が草の上で大の字で、、
いいんすか? この人、北東の領主ッスよね? 陛下の甥で王族っスよね?
こうしてテレシア騎士団は解散前に壊滅したッス、
やっぱり団長は怒らせてはいけないのであります、、、




