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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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38. 王都デルハリアへの帰還

 クロトの軍を破って3日後、テレシア騎士団はデルハルト王都、デルハリアに到着した。

 パトナ軍はすでに逃げており、無血での王都奪還となった。


 テレシア騎士団は王都の城門をくぐり、大通りを進んでいく。

 民衆の熱狂がものすごい!


「「「テレシア様ー!」」」


 警備も楽じゃないよ、本当に。



 誰も居ない王宮に着く。

 退却するパトナ軍が荒らしていったのだろう。

 いろんなものが壊され、盗まれていった様だ。


 俺とテレシアは宮殿の中庭にいた。

 庭の机と椅子は倒され、物が投げ込まれ、あちこちで火を起こしたような跡がある。

 倒れた机と椅子を戻し、ハンカチで拭いて、テレシアに椅子を勧める。


「さて、この後どうされますか?

 テレシア様」

 座ったテレシアに問いかける。


「どう、とは?」


 ……やはり何も考えていなかったか、、、


「国内の残敵掃討、街の復興、パトナとの交渉、やらなければいけないことは沢山あります。

 テレシア様がその気になれば、パトナに攻め込み、領土とする事も簡単でしょう。」


「そんな、、私はただ助けたかっただけで、、」


「力には責任が生ずるものです、ましてや今の貴女の持つ力を客観的に考えてください。

 私とトモナリを始め、どれほど強力な兵と軍を持っているのか。

 そして救国の軍を率いる貴女に、民がどれほど心酔しているのか。」


「そんな、、」


「貴女は考えなければいけない、

 貴女は行動しなければいけない、

 貴女は、、

 絶望に叩き落とされた人々が立ち上がるための光とならなければいけない!

 望まずとも、、いや、

 貴女は自らの望みで救国の英雄となり、人々の希望となってしまった。」


「……ひどい人、

 そうしたのはヤマナさんでもあるのでしょう?」


「もちろん最後までお付き合い致しますよ。

 責任も感じていますし。

 いっぱい考えて、いろいろやってみれば良いんです。

 一人でやろうとしなくて良いんです。

 俺たちをうまく使えば良いんです。

 みんなが幸せになる様に。」


「……ふふっ、

 でしたら沢山働いて貰いますわよ。

 まずはしっかり考えさせてもらうために、紅茶を入れてちょうだい。」


「はっ、仰せのままに!」




 3日ほど遅れて、デルハルト王が王都デルハリアに帰還した。


「おお! テレシア!

 良くぞ敵を打ち破りこの国を救ってくれた!

 ありがとう! ありがとう!」


「そんな、私ではなく皆さんの働きのおかげですわ。

 私は何も出来ない小娘のままですから、、」


「……それは違うぞ、テレシアよ、」


「えっ?」


「今のそなたは、大国に匹敵する強力な軍と、絶大な民の支持を得ておる。

 朕なぞよりも遥かに大きな力を持っておるのだぞ、それは分かっていなければならんことじゃ。


 力には責任が伴う、

 考えねばならん、

 行動せねばならん、

 そなたは民にとっての光なのじゃから。」


「うふ、ふふふ、、」


「何がおかしい?」


「だってヤマナさんに言われたことと、全く同じ事を、お父様に、また言われてしまったんですもの。

 私、全く成長してないわ、、

 馬鹿ね。」


「そうか、ヤマナ殿がのう、」


「ええ、

 考えろ! 行動しろ! 俺たちをうまく使え!

 と、あんまりだったので、まずはヤマナさんに命令してお茶を入れてもらったわ。」


「ほっほっほ、あのヤマナ殿にお茶をのう!

 それは上手く考えて使ったのう!

 朕も飲んでみたいわい!」


「うふふ、美味しかったですわよ。」


「知っておるか?

 朕が今、何と呼ばれておるか?

 ここに来るまでの都市で何と呼ばれたか?

『救国の英雄、テレシア様のお父様』だそうじゃ!

 娘が凄すぎて、もはや王とも呼んでもらえんわい!」


「そ、それはすみません」


「いやいや、嬉しいのじゃ!

 朕の鼻がどんなに高くなったか!

 本当に自慢の娘じゃ。」


「お父様、、」

 二人は言葉にできぬ思いを目で語り合った。




「へーぇっくしょい! ちくしょう、くらぁ!」

 うう、なんかやたら、くしゃみが出る、、

 テレシア王妃に、北のパトナとの国境を見てこいと言われてから、やたら、くしゃみが出る、、

 

 うう、、風邪でも引いたかなぁ、、

 早くエリスのところに帰りたいよぉ、、

 



ついに王都奪還を果たしたテレシア騎士団。


……しかし、

次回! 最凶の敵を前にテレシア騎士団が壊滅の危機に!

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