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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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37. 救国の英雄

「全軍に伝えろ! テレシア騎士団のトモナリがクロトを討ち取った!」

 俺は兵達に向かって叫ぶ。


「伝令! テレシア騎士団のトモナリがクロトを討ち取った!」

「伝令! テレシア騎士団のトモナリがクロトを討ち取った!」

 兵達に大声で叫ばせ、次々に伝えさせる。

 伝令が山間にこだまする。

 全軍に行き渡らせ、パトナ軍にも聞こえるように伝える。


 そしてパトナ軍は壊走した。


「トモナリ! ここからだ!

 壊走するパトナ軍は何をするかわからんぞ!

 追撃しろ!

 降伏するなら武装解除させ縛っておけ!

 後続の軍が捕虜にする!


 お前がデルハルトの民を救うんだ!!」


「わかった!」

 トモナリがデルハルトの騎兵隊と共に追撃の準備をする。


「デメトリオ!

 デルハルト側の草原に陣を敷け!

 パトナ軍の捕虜を受け入れる用意もしておけ!」

「はっ!」

 副官のデメトリオに命ずる。


「グドルト! 良くやった!

 このまま砦の守備についてくれ!

 あと、クロトを倒すために砦前の道を壊したから直しておいてくれ!」

「ははっ!」

 ドワーフのグドルトは砦の守りだ。


「騎士団長、おれは?」

「おお、ギルファング! 良くやってくれた!

 お前はおれと一緒に来い!

 デルハルトの民を守りに行く!」

「了解した!」

 ギルファングの遊撃部隊は森の中で役に立つ。




 ん?

 なんかやたら豪華なキラキラした騎士がいつの間にか俺の隣にいる、、


 青い生地に白銀のプレート貼り付けたドレス鎧に、白銀の小手、金髪を編み込んでて、、、、


 って王妃様ー!

 あんた何してんのーー?

 あんたひょっとしてXカリバーとか持った最強の召喚者じゃ無いよね?


「テレシア様! 何を?」

「テレシア騎士団に私が居なくてどうするのですか!

 私も行きます!」


 頭痛くなってきた、

 このクソ忙しい時に、

 まぁいいか、士気も揚がるだろうし、、


「絶対に親衛隊の中にいて下さいね!

 進路も私の後に続くようにお願いします!」

「はいっ!」


「ギルファング、前言撤回だ、、

 王妃様の護衛にまわってくれ。

 森の中の伏兵潰したり索敵したり、

 お前にしか頼めん。」

 ギルファングに、こそこそ内緒話をする。


「?? 親衛隊がいるなら大丈夫じゃ?」

「いや、あいつら装備だけ上等で、

 アホだし、弱いし、どうしようもねぇ。」


「王妃様、紹介します、

 我が軍一の勇士、ギルファングです。

 南の領主、ガルファングの弟です。」


「まあ、ガルファングさんの!

 ギルファングさん、よろしくお願いします。」


「よ、よ、よろしくお願いします!」

 お、緊張してやがる。


「彼の隊は、どの隊よりも早く、強く、優しい。

 この戦いでも多くの敵を破り、多くの人々を助けました。

 いざという時は彼の指示に必ず従って下さい。」


「はい、わかりましたわ。」



「シュルト、すまんがお前の騎馬隊はテレシア様の部隊の後ろについてくれないか?

 後方警戒を任せたい。

 襲われたら一番危ないところだから、十分気を付けてくれ。」

「了解しました! 騎士団長!」

 まあ、シュルトの騎馬隊は超豪華で、弓矢や普通の槍や剣じゃ傷一つつかなさそうな重装騎兵の一団だから、喧嘩売るアホもあんまりいないだろう。



 騎士団の本隊が山道を下って行く。


「騎士団長!」

 ハルバルトが顔を出す。部下と共に、押し流された山道の応急処置や軍の通過の手助けをしている。

「ハルバルト! 良くやった! 最高の働きだった!

 これより俺たちは追撃戦に入る。


 デルハルト側の草原に陣を敷くから、

 お前は峠道の確保、

 兵糧や物資の輸送、

 陣の護衛、

 えーと後は、、

 まあぶっちゃけこの辺の一切をデメトリオと共に頼む!


 任せる!

 全部お前の判断で動け!

 お前を信用する!」


「承知いたしました!」

 うん、ハルバルトなら大丈夫だろう、

 この戦いは彼の案と下準備で完勝した様なものだし。


 

 デルハルトの草原の陣で、町や村への伝令部隊を作る。

 デルハルト兵だけでは足りないので、デルハルト兵とゼノラウト兵の混成の5騎で1隊の小騎馬隊を作る。彼らはテレシア騎士団の勝利をデルハルトの国中に伝える任務がある。

 小隊にゼノラウトの旗とテレシア騎士団の旗を何本も持たせる。

 町や村の入り口に掲げて騎士団が駐留していると見せかけ、パトナの残党が襲ってこないようにするためだ。そして、準備ができた部隊から出発していく。



 この日、テレシア騎士団の本隊は草原の陣に泊まることとなった。

 テレシア王妃と進路について話し合う。

 デルハルト王都までは途中の都市を経由し3日で到着する予定だ。





 どの都市でも、テレシア王妃は熱狂的な歓迎を受けた。


 デルハルトの平民出身の女の子が、

 デルハルトの王女となり、

 ゼノラウトの王妃になり、

 救国の軍を率いて帰ってきて、

 デルハルトをあれだけ苦しめたクロトとその軍を討ち破ったのだ!


 どんなシンデレラストーリーだよ!


「テレシア様ー!」

「テレシア騎士団、万歳!」

「救国の英雄! テレシア王妃、万歳!」

「「「万歳!」」」


 人々は涙を流しながら熱狂的に叫び続ける。



 ……テレシア様、、

 今ならテレシア騎士団で4ヶ国、簡単に取れまっせ、、


 はっ、イカンイカン!

 俺一人で黒い事、考えてしまったよ。

 純粋なみんなに申し訳ない!


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