2. 力読(ちからよみ)の石
ロドニーの案内で神殿の別室に通された。
その部屋の真ん中には、縦横50cm 高さ1mほどの白い石柱が立っていた。
石柱の上部は真っ白で平らな正方形のかたちをしている。
「これが力読の石ですじゃ、その人のもつ能力が現れますのじゃ。
エリス、やってみせなさい。」
「はい」
エリスが石柱の前に立つ。
「このように手をかざして、石板に集中します。」
お、石の表面にぼや~っと文字が出てきた。
10秒ほどかざすと、完全に文字が浮かび上がる。
<エリス>
種:人(女)
戦闘力合計:52
職業:神官Lv12 保母Lv2 調理師Lv2
スキル:魔法(回復 解毒 防御 水) 体術(打撃)
「こうやってその人の能力が表示されます。しばらく待つと消えますので、消えた後にまた計ることができます。」
保母や調理師は神殿の活動なのか?
優しい人の様だけど『打撃』が気になる。
怒らせないようにしよう。
「では、ヤマナ様、」
「ロドニーさんのも見たいのですが。」
勧められるのをさえぎってお願いする。
2回目になんか仕掛けてるとかあるかもしれないし、ロドニーの事も知っておきたい。
用心するに越したことはない。
「わかりました、お待ちくだされ」
おや快く引き受けてくれた。
<ロドニー・アンブロ>
種:人(男)
戦闘力合計:325
職業:神官Lv42 格闘家Lv22
スキル:魔法(回復 解毒 防御 地 水 火 風 聖 召喚 空間 次元)
体術(打撃 投技 関節技)
…ほお、格闘家、ね。
魔法もすごいんじゃないの?
「若いころは修行の日々でしてのう、今でも腕っぷしはその辺の若いもんには負けんですのじゃ!」
「あんたが戦えばいいんじゃないの?」
「いやいや、無理ですじゃ、兵士の10や20は何とでもなりますが、召喚戦士は桁が違いますのじゃ。
それに決闘は召喚戦士同士で行うことになっておりますのじゃ」
召喚できなかったらどうするつもりだったんだ、まったく。
「では、そろそろお願いしますじゃ。」
石柱に手をかざす。
<フミオ・ゼン・ヤマナ>
種:人(男)
戦闘力合計:***
職業:サラリーマン21年 居合6段 柔術4段
スキル:高度情報処理 剣術 体術
……趣味で20年近く続けていた武術がもろ出てる。
普段はサラリーマン、週末は道楽で道場に通って稽古して、あとひたすら飲む日々だったからなー。
しっかし仕事の情報処理まで出るとは思わんかった、この世界で役に立つんかな?
「名前の『ゼン』というのは?」
気になったのでロドニーに聞いてみる。
「それはここ『ゼンの神殿』から生まれた戦士じゃということじゃ!」
なるほど、所属の神殿が名前に入るのか。
「ところでヤマナ様は剣士で格闘家でしたのかな?
召喚したときは普通の村人かと思ったのですが、これは期待して良いかも知れませんな。」
変な期待はやめてくれ、
「ただの小市民だよ、毎日あくせく働いてお金をもらうだけのね。剣術と体術は趣味さ、」
「それにしても異世界の職業のままでは戦闘力が計れないので、、
職業変換しますがよろしいかな? もう一度手を石板にかざしてくだされ。」
変換? 職業を? とりあえずもう一度かざしてみる。
ロドニーは手を俺と石柱に向かって広げ、何やら集中している。
ぱぁっと何かが体を通った感じがする。
<フミオ・ゼン・ヤマナ>
種:人(男)
戦闘力合計:794
職業:戦士Lv42 侍Lv60 格闘家Lv40
スキル:高度情報処理 剣術 体術
おお、これはチート補正がかかったのか?
なんだ戦士って。企業戦士を認めてくれるのか?
それはちょっとうれしいかも。
「おお~、さすが召喚戦士なのじゃ!」
「すごいです! 我が国にはこんなに強い人はいません!」
ロドニーはともかく、エリスに持ち上げられて悪い気はしない。
「そお? これでトモナリに勝てるかな?」
「……戦士トモナリは戦闘力が2500超えているそうです。」
ぜってー逃げてやる。




