24. 軍議
「すみません、お待たせしました。」
俺と宰相が会議室に入る。
「一体陛下と、何の話を、、あ、我々が聞いてはいけないのだな、、」
「いえ、内緒の話じゃ無いですよ。早くテレシア様と結婚してあげなさい、と陛下を説得してたんですよ。聞けばプロポーズもしてないらしいじゃ無いですか! ねえ、宰相殿。」
「そうですよ、全く、このままではテレシア様が可哀想です。国としても王妃様がいた方がいいに決まってます!」
「はっはっは、そうであったのか、すみませんな、我らではなかなか言えん話でして。」
「では、軍議を始めさせて頂きます。」
軍議はゼノラウト王より領地を与えられた、4名の領主と宰相、軍務大臣、財務大臣、内政大臣、外務大臣の9名で行われた。内容は有事の際の行動と、兵站の確保、難民の受け入れなど多岐に渡った。
「さて、次は援軍の話か、俺んとこからは、精兵200を出そう。
ドワーフ兵だから足は遅いが力はある、戦わせると強いし守りは硬い、魔法防御もいける。うまく使ってくれ。
あと、うちは普段鍛冶屋のやつが多いからな、剣、槍、矢をありったけ持たせる。」
西方山岳地帯の領主、ドワーフのミルドルトが言ってくれた。
「ありがとう、ミルドルト、ものすごく助かる。特に武器は足りないところだったんだ。」
「俺んとこぁ、兵100とメシだ。南はぁ穀倉地帯だし、魚も取れるかんなぁ。
あと、俺んとこの兵は足が速えーし、強えーけど、頭わりーからちゃんと指揮してやってくれ。」
と南方領主の獣人ガルファング、
「いいのか? ガルファング、兵糧は助かるが、南方も防備を固めた方がいいんだぞ。最悪のケースは、この期に乗じて南からも攻め込まれる事だ。」
「オメェんとこほど、やばかぁねーよ。守備隊は残してある、出すのは突撃やゲリラ戦向きの荒くれもん共だ、戦闘経験もある。
南も攻められたときゃ、さっさと北を片付けて南に来てくれやぁ、守備固めて持ちこたえてみせっからよぉ!」
「ありがとう、ガルファング、助かる!」
「では、私はヤマナ殿の指揮下の北方軍に入るという事でよろしいですね。」
と、北東部領主のシュルト、陛下の甥だ。ゼノラウト王家に連なる貴族だが、嫌味なところなど全く無い。
「いや、シュルトの所は基本的にそちらの判断でヒューレとの国境の防備を固めてくれ。必要な時は指揮するが、それまでは独自判断でたのむ。
あと、北西部のテリクスから王都までの道を守って欲しい。今回の生命線だ、頼む。」
「承った!」
「戦端が開くまで、派手な移動や目立った物資の運搬は控えて欲しい。周りの国を刺激したく無い。」
「さっき、南方を気にしていたが、今回、動いているのはヒューレだけなのか?」
と軍務大臣、さすがいいところに気がつく。
「南方の動きは掴んでないが、デルハルト周辺の国々が動いている。
デルハルト東方のヒューレは間違いないだろうが、北方のパトナに軍事行動に関する情報がある。今のところ、この2国が出てくる可能性が高いだろう。
デルハルトは今まで周辺に圧力をかけまくっていたからな、恨みも買っているだろうし。
西の帝国は、どう動くかわからんが、領土切り取りに来る可能性もある。」
やがて軍議は終わり、
「みんな、感謝する。」
俺は深々と頭を下げた。
「どうってこたぁねぇよ、うちの奴らぁ鍛えてやってくれ。」
「そうじゃ、ヤマナ殿と一緒に戦える機会なぞ、そうそう、無いだろうからな!」
「ありがとう、ガルファング、ミルドルト。」
「ヤマナ殿と一緒に戦える事、誇りに思います。」
「ああ、シュルト、頼りにしているよ。」
「おめー羨ましい奴だな、シュルト、後で話聞かせろやぁ。」
うん、領主同士は仲がいいし、支援も受けれる。後ろが安心出来るのはこの上なく頼もしいよ。
さて、後顧の憂いも消えた事だし、テリクスに帰って備えよう!




