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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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22. 神殿会議

 夕刻、ゼンの神殿では神官長ロドニーにより、神官たちが臨時招集されていた。


「それでは臨時の神殿会議を始めますぞ。

 会議の内容は、神官エリスの人事についてじゃ。」

 

「ロドニー神官長、会議を開く必要はあったのか?

 まったく、エリスにも困ったもんだ!

 今日のあの醜態はなんだ 前代未聞だ! しかもなんで会議の席についておるのだ!」


 歳は40代ほどの男の神官、レニオスが言う。


「あの、レニオス様、私もレベルが上がりまして、資格を得ましたので、、」


「は? そんなわけなかろう、1年前は10ちょっとだったろうが?」


「ほんとうじゃよ、レニオス、しかも其方と同じLv23じゃよ。」


「なんと!

 ますますテリクスのような辺境なんぞにはおいておけないではないか!」


「そうは言うがの、これからテリクスは重要な地域になると思っておるのじゃ。

 正確に言えば、あのヤマナ殿がいる地域が、じゃ。」


「なにをおっしゃるか?

 召喚戦士は戦いのみで、土地に影響を与えるものなどいないのが普通ではないか。

 重要な土地になるはずもない。

 陛下もなぜ召喚戦士なぞに領地など与えたのか、、

 まったく。」


「いや、陛下は普段はとぼけておるが、まことに賢王じゃ、

 テリクスの復興は考えられん速さで進んでいるらしい。

 兵も精強になっておると聞いておる。


 なにより住民や兵の士気が非常に高い、

 占領でボロボロにされた土地とは思えんほどにじゃ。


 すべてヤマナ殿の指揮によるものと、どの筋の情報も言っておる。

 ヤマナ殿をあの要地の領主としたのは誠に英断じゃと思っておる。」


「いや、ロドニー殿、だとしても、、」


「そういえば新しい情報をまだ伝えて無かったの。

 エリスも上がっておったが、ヤマナ殿のレベルや戦闘力も

 著しく上がっておる。」


「もともと戦闘力は700ちょっとであろう? 

 倍だとしても1500ぐらいか?

 トモナリの2500には及ばんだろう。」


「7000オーバーじゃ、」


「は?」


「今日見せてもらったが、7000を超えておったよ、戦闘系の職業はレベルが3桁を超えておった。

 おそらく、もともと高い技能を持っておったのだろうが、それがこの世界にやっとなじんできたのであろう。


 そしてここからが問題となるところじゃ、職業とスキル自体が大幅に増えておる。

 召喚戦士はレベルは少しぐらい上がっても、これらが追加されることはまずないのじゃ。

 それは召喚時にすでに強力な職業とスキルを得ておるからじゃ。


 職業には将と統治者が追加されておる、この二つを持つのはゼノラウトでも西と南の領主の2人しかいない。

 将のレベルは15、将軍になれるレベルじゃよ、テリクス軍は訓練により日に日に精強になっておると聞いておる。

 統治者にいたってはレベル35、もはや国を治めることができるレベルじゃ、よほどテリクスで苦労しておるのじゃろう。

 ヤマナ殿はテリクスの民のために苦労して日夜走り回っているそうじゃ。

 将と統治者のいずれも、ゼノラウトにはヤマナ殿のレベルを超えるものはいないのじゃ。


 スキルはなんと、魔法が増えておった!

 魔法剣に風雷の魔法、回復魔法も取得しておった。

 この調子なら、まだまだ増えていくじゃろう。


 そしてヤマナ殿が言うには、まだ上限には全く達していないとのことじゃ。

 やっと力を解放し始めたところだと言っておった。

 帝国の勇者、ユウキに匹敵する力を得るのも、遠くはないじゃろ。」


「な、なんと、、

 勇者に匹敵する戦闘力に、将たる器と統治者か、、

 そして通常は成長しないはずの召喚戦士が、この世界の者をはるかに超える成長力を持っている。

 ゼノラウトはとんでもない戦士を召喚してしまったのではないのか、、、

 大丈夫なのか?」



「問題はのう、ヤマナ殿が、自分から『力読ちからよみの石』で私にすべてを見せたことじゃ、、

 この意味が分かるか? レニオスよ、、」



「!

 自分にこの国にいて欲しければ、ゼンの神殿とのつながりを持っていて欲しければ、神殿側の方からもつながりを持て、と言うことか!

 ……はぁ、まったく面倒な、、

 ……エリス、エリスはヤマナ殿をコントロールできるのか?」


「無理です、

 ヤマナ殿はヤマナ殿の心のままに動かれます。

 それは、わがままというわけでなく、根底には誰よりも大きな優しさがあります。

 村人を助けるために、たった一人で魔獣の前に立ちはだかるような方です。


 でも、神殿とのつながりを持ち続けるのは可能です。

 ロドニー様にもいろいろ頼みたいことがあるようですし。」


「はぁ、わかった。

 ロドニー殿、私はもう聞きたいことはない、

 ヤマナ殿のことは……、エリスに任せていいと思う、、」


「ありがとうございます! レニオス様!」


「はぁ、来年にはエリスのほうがレベルが上になってそうだよ。」


「いや、私のほうまで追い越されそうな勢いじゃよ。」


「ロドニー様、そんな。」


「はっはっは、まあその辺にしておいて決をとるかの、

 では、エリスをテリクスに神官として派遣することを提案したい。

 反対の者は手を挙げよ。」


「……」


「いないようじゃの、

 では教会とテリクス市の担当はそのまま神官見習のヘレンに、

 ゼノラウト北東部の担当として神官エリスを派遣することにする。」


「みなさん、ありがとうございます。」


「ほっほっほ、礼はせんでいいぞ、

 辺境に仕事に行け、と言っとるのだからな。」


 こうして、エリスはまたテリクスに戻ることとなった。



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