21. 神殿への帰還
「おおー、久しぶりだな! 王都」
王都に到着した。
馬車でテリクスから3日、距離にして150kmほどか。
「はい、そうですね、あの、、馬車の中で神官服に着替えていいですか?」
「もうちょっとそのままでいろよ、神殿行くのは後にして、食事に行こう。いい店知らないか?」
衛兵たちにもご褒美だ、ちょっといいところのメシ食わせてやろう。
「うまいっす、うますぎるであります!」
「旦那さま、ありがとうございます!」
「ああ、よく働いてくれたからな、テリクスに残ったやつらには、内緒な。」
「フミオさん、この後なのですが、、」
「俺も神殿に行くぞ、力読の石を見ときたいし、ロドニーにも用がある。」
「え? まさか次元魔法を、、」
「お、忘れてた、それも聞かんとな。」
「……しまった、、」
「ちょ、ちょっと、フミオさん!」
「いーから、いーから、
ロドニー いるかー?」
神官服に着替えたエリスと、ゼンの神殿に入っていく。左手でエリスの右手を握ったままだ。他の神官たちがいぶかしげに俺たちを見る。
手、離してやんないからな、、
お、ロドニー見っけ
「よう、ロドニー、元気か?」
「あ、あの、ロドニー様 ただいま戻りました。」
目を見開いて驚くロドニー。俺の顔と、エリスの顔と、つないだ手をまじまじと見ている。
「で、ロドニーに話あるんだけどいいか?」
「こ、こちらへ。」
お、召喚されてすぐ通された小部屋だ。
「そっか、ここ、エリスと会った部屋だ、、」
そうつぶやいて、きゅっと手を握ると、エリスもきゅっと返してきた。
「テリクスでのご活躍、聞いておりますぞ、ヤマナ様」
「ああ、活躍しすぎで死にかけて、エリスに命を助けられた。」
「!! そんなことが!」
「ロドニー、テリクスの復興支援依頼の手紙に答えてくれてありがとう、本当に助かったよ。テリクスは人も町もエリス達に助けられた、改めて礼を言う」
そう言って深々と頭を下げる。
「そのうえでロドニーにいくつか頼みがある。
最初に本命だ。
エリスをテリクス常駐にしてくれ。ぶっちゃけると、俺たち付き合っている。」
「……難しいですじゃ、、神官の人事は、私一人の判断ではないのですじゃ。ある程度以上のレベルの神官で構成される、神殿会議で決まりますのじゃ。」
「そうか、じゃあ、二つ目だ、力読の石を使わせてくれ。俺とエリス、二人ともだ。」
「もちろんいいですじゃ、こちらへどうぞ。」
「エリス、かざしてごらん、」
「はい、フミオさん」
エリスが手をかざす
<エリス>
種:人(女)
戦闘力合計:103(←52)
職業:神官Lv23(←12) 保母Lv4(←2) 調理師Lv4(←2)
スキル:魔法(回復 解毒 防御 水) 体術(打撃)
「え? こんなに!」
「な、あ!
わずか1年でレベルがほぼ倍に! 神官レベルが20を超えて! 神殿会議に参加できるぞい!」
「すまんな、俺が苦労をかけすぎたからな、エリスの隣にいて、どんどんレベルが上がっていたのを感じた。エリスが来てくれた時はテリクスは人も町もボロボロでな、エリスがいかにたくさんの人を救ってきたかということだ。
じゃあ次は俺だな、ロドニー、しっかり見てろよ」
ちょっと本気出すか、、フィオナ、力を貸してくれ、
左手を静かに刀にかけ、親指を鍔にあてる、腰をつくり、腹に力を入れ、フィオナに力を流し込む。鞘の内で膨れ上がった気が腹の丹田に戻りそこでさらに膨れ上がる。
刀に触れている左手と腰を介して、鞘の内と丹田を循環した気がどんどん膨れ上がっていく。
ヤマナの内で高まる力に、ロドニーが気づき、ごくりとつばを飲み込む。
そして、ブースト状態で右手をかざす、、
<フミオ・ゼン・ヤマナ>
種:人(男)
戦闘力合計:7352(←928)
職業:
戦士Lv82(←42) 侍Lv185(←60) 格闘家Lv113(←42)
将Lv15 New 統治者Lv35 New
スキル:
高度情報処理
剣術(剣術 居合 魔法剣 New)
槍術(槍術 New)
体術(柔術 打撃 New)
魔法(回復 New 風 New 雷 New)
「な!!!
なんですとー!」
ロドニーが叫ぶ。
「帝国の勇者にも迫ろうかという戦闘力の上昇! 何よりこの急激なレベルアップは?! 多彩なスキルも、魔法剣に風雷魔法、回復魔法まで! しょ、職業に将と統治者!
何があったのですじゃ? ヤマナ殿!」
「いや、あのときは召喚されたばっかだったからな。
回復魔法はエリスに習った。風雷魔法は剣術のスキルから派生した。レベルアップは、まあ大雑把に言って3つある、
一つは死線をくぐってきたこと、
一つは相棒を手に入れたこと、そもそも召喚戦士はふつう自分の武器を持って召喚されるが、俺はあの時素手だったしな。」
そういってフィオナをなでる。
「最後の一つは、俺の能力とその使い方がわかってきた、というところだ。
言っておくが、俺はまだまだ力を解放しきっていない、やっと解放し始めたところだ。」
「……なんと、、」
「俺のわがまま、考えておいてくれ。頼むよロドニー、」
「……」
「今日はこんなところか、ロドニーには、まだいろいろお願い事があるが、明日以降にする。
エリス、俺は先に宿に行ってるよ、陛下への謁見の連絡、待っていなきゃいけないからな。あとは大丈夫か?」
「はい、フミオさん、ここからは、、私が頑張らなきゃいけないので!」
「ん、わかった。」
エリスの頬にキスをする。
宮殿近くにある官僚用の宿舎に着くと、先に王都に送っていた兵が待っていた。
「領主様! 謁見は明日の午前になりました!」
「わかった。よくやってくれた。これでみんなで一杯飲んで来い。」
小さな金貨を5枚渡してやる。日本だとだいいたい5万円ぐらいの価値か?
「「ありがとうございます!」」
「さて、それでは明日の準備するか、」
準備をしながらエリスの帰りを待つ。待つのも楽しみの一つだ。




