16. フィオナ嬢はお年ごろ
「次! 2対1! 一人の方はもともと不利なんだ、かわすことに専念しろ!
背中を見せるな! 二人同時に相手するな! 自分から前に出て、常に一人ずつ相手にしろ!」
俺は今日も練兵場で兵達の訓練を行っていた。夕刻になって大分、日も傾いている。
「おお、ここじゃったか、探したワイ!」
でかい声で鍛冶屋のフィオガルドが入って来た。細長い包みを抱えるように持っている。
「出来たのか?!」
俺は思わず叫ぶ。
「ああ、バッチリじゃワイ! 自信作じゃ!」
フィオガルドから包みを受け取る。
「開けていいか?」
「領主の刀じゃ、もちろんじゃとも!」
包みを開けると、ウルシが塗られた漆黒の鞘に、紺の平紐で巻かれた柄、流水紋の鍔、まるであっちの世界で持っていた愛刀を呼び寄せたようだ。さすがフィオガルド、注文通りだ。
鞘を左手に持ち、鯉口を切る。
鯉口から白い刀身が現れ、薄暗くなった辺りを照らす。
刀身は、日本刀のように鏡面ではない、真っ白く輝くような肌だ。
鎬もしっかり出ており、切っ先の形状も申し分ない。
ヒュッ!
振ってみる、少し軽いか?
だがバランスは悪くない、
物打ちにしっかり重みを乗せることが可能だ。
「鋼に比べ、少し軽いじゃろ? 特殊なミスリルの合金じゃ、強度、斬れ味は申し分なく、魔法も乗せれる、熱にも強い。」
マキを何本か持って来てもらう、
ヒュヒュッ!
おお、チーズのように切れた!
しかし光りすぎだな、、
狙われやすいぞ、、
ん? ちょっと試してみるか?
『信夫』
宵闇の中、刃の光を消しつつ、相手に近づき、一気に切りつける技、
おお! 光が消えて、、周りの暗さと同調した! なんて優秀な子だ!
この分なら、、
『追い風』
フォッ! と風を感じ、一瞬で10mほど距離を詰めた!
技のブースト効果あるぞ、この刀!
「みんな、ちょっと離れてろよ、、」
そう言って、フィオガルドと兵士達に距離をとらせる。
では、本命の、、
『稲妻あぁ!』
カッ!!
ドガガッーーン!!
うわ、魔獣戦の時とは比べものにならん破壊力だぞ、、
やべ! 城壁焦げた!
「敵襲ーー!」
カンカンカンカン!
見張りの兵が騒ぎ出す、
「まてまて、ストーーップ! ストーーップ! 悪い! 今の俺のせいだ!」
「すげえな、この子、傷ひとつないどころか、逆に俺の力を得て強くなってるのか? しかも綺麗な光を放つようになってる。喜んでんのか?」
「たまげたワイ、ここまでとはワシも思わんかったワイ! 刀が主人に会えて喜んどるのが分かるワイ!」
「そうか、俺もお前に出会えて嬉しいよ!」
「領主、良い剣には名前をつけるもんじゃが、その刀の名前どうしたものかの? 『ドラゴサンダー』、『ライトニングホーク』 うむむ、良い名が思いつかん!」
「こいつの名前は決まってる、フィオガルド、日本刀は作者と同じ名前をつけることに、、」
バチッ!
小さな雷に撃たれた。
「あいたっ! なんだ怒ってんのか?」
「たまげた! 領主、その子、どうやら女の子らしいワイ、、 プンスカ怒っとる、ワシにはわかる。」
「……じゃあフィオガルドの娘ということで、
『フィオナ』でどうだ?
『白い』とか『美しい』とかいう意味もあるんだ。」
刀が嬉しそうにキラキラと輝く。
「ははっ、はははっ!
今日からよろしくな!
『フィオナ』」
--
ヤマナさん、やっと自分の刀(専用武器)を手に入れました。
これでやっと装備面でチート戦士どもと対等になれます。




