14. テリクスの鍛冶屋さん
「おう、てめえら! さっさとフイゴをふかさねぇか!」
ワシはテリクスにある鍛冶屋の主、ドワーフ族のフィオガルドじゃ、
グズな弟子どもを持つと苦労するワイ。領軍からの依頼の剣100本の納期がせまっているのに、このままだと間に合わんワイ、
「あの~、こんにちは~」
ああ? このくそ忙しい時に客かよ!
「ちょっと忙しいんだ! 待ってな!」
「はぁ、わかりました、待たせてもらいます。」
なんかとぼけた野郎だな、、
ギンッ!、ガンッ!
ギンッ!、ガンッ!
ギンッ!、ガンッ!
ギンッ!、ガンッ!
ギンッ!、ガンッ!
弟子たちと、剣を打つ!
真っ赤に焼けた鉄の塊を打つ!
……うむ、理想通りの剣ができた。
「ふう、だいぶ待たせたな、
あんた物好きだな、こんなの見ててもつまんねえだろ?」
「いえいえ、大変興味深かったです。
剣を打つところを初めて見させていただいたものですから。」
「で、うちに何の用だい?」
「剣を打っていただきたくって。」
「…? その辺の武器屋に行けば売ってるだろ?
ワシの剣もならんどるはずじゃ。」
「いえ、普通の剣じゃダメでして、、」
「ああ? 生意気な野郎だな、、
どれほどの腕だってんだい?
身の丈にあった剣売ってやるから、
ええと、、
ちょっとこいつ振ってみな。」
まあちょいといい剣貸してやったから、少しぐらい腕に覚えがあるなら気に入って買っていくだろう。ちょいとお高めで売ってやるがな。
「はぁ、あの、、この木切ってみてもいいですか?」
そういって庭にある、でかい木に向かいよったワイ
枝でも切る気か?
「好きにしな」
「では、」
ヒュヒュッっと剣を振りよった、
ほう、なかなか自然でいい振り、、、
なっ、枝がバサバサ落ちてくる!
ずっと上のほうの枝まで切りよった!
風の魔法剣か?
いや、剣には魔法はかかっておらんから技か?!
この野郎、何者だ?
「ふむ、では、、」
あの野郎が片膝をついて構えた。
うお、周りの空気が一変したぞい!
空気が震える!
『稲妻あぁ!』
ドガァァァアン!!
うおおおぉ!
切りよったぁ!
直径50cmはあった木が縦に真っ二つに切り裂かれとるワイ!
しかも雷で木が焦げとる!
弟子どもは腰抜かして倒れとるし。
この野郎、、うわさの領主か!
「あ、、、す、すいません」
う、、剣が、ボロボロになって焦げとる、、
金貨20枚はする剣が、もうただのガラクタじゃワイ、、、
「いや、わしの剣の負けじゃ、、気にすんな。で、どんなのが欲しいのじゃ?」
「まずは今の技に耐えられる剣を、できれば日本刀が欲しいです。」
「ニホントウ?」
「はい、斬ることに特化した片刃の剣です。この木刀のような長さと反りで、振ったときに、ここの『物打ち』というところに斬るための力が集約されます。
このように。」
そういってそいつはその辺にあったレンガをスパァンと叩く。うお、木刀でレンガが割れた! 斬れたようにまっすぐ割れとる!
「おう、もうちょっとその木刀振って見せてくんねーか。ニホントウとやらのイメージをつかみてーんだ。」
ワシは夢中になっていたワイ。
「では、恥ずかしながら」
いろんな技を見せられたワイ、50はある技、実に流麗じゃ。
「いいもん見せてもらったワイ、もうちょいとヒントはねーか?」
「わたしの剣の先生は、『足さばき、体さばき、手さばき、剣さばき、気の充実、この五つを一つにまとめ上げ、技とせよ』とおっしゃいました。他にも教えられたことはたくさんありますが、これが一番、心がけていることですかね。」
「そうか、わかった、よし、ぜひアンタの剣を打たせてくれ! 細かい形や作りは今から聞かせてくれ!
お代は材料費だけで十分じゃ! ニホントウを打てるようになるのじゃからの!
材質は、、とっておきのやつがある。魔法との親和性が高く、硬さも申し分ない!重量はちょいと軽めじゃが、バランスよく作ればいいじゃろう。
おい! 弟子ども! そろそろ任せてもいいじゃろう! 今日から領軍の剣はお前らで打て! 当分の間、ワシは領主様のニホントウを作る!」
こうしてワシは領主のために、とっておきのニホントウを打つことになったんじゃワイ




