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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
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13. ヤマナさんはお願いする

「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから、

 エリス、お願い!」

「もー、ダメですよ、ヤマナさん!」

 ヤマナさんが回復魔法を教えて欲しいとお願いしてきた。


「ヤマナさんに回復魔法なんで教えたら、もっと無茶するじゃないですか!」

「そこをなんとか頼むよー、お願い!」

 うーん、、しょうがないなぁ、、


「ヒールに一番大事なのはイメージです。直った健康な姿、形をイメージして、そこに回復魔法の魔力を流し込みます。これは、ヒールをかける側はもちろん、受ける側にも治りたいという気持ちやイメージがあると効果が高くなります。」

「ふむ」


「まあ、治したい、という気持ちはヤマナさんなら問題ないと思います。魔力も魔法剣使えるので全く問題なしです。」

「ふんふん、それで」


「利き手の、てのひら を上にして出して下さい。」

 ヤマナさんの手のひらにそっと手を重ねる。

 ちょっとドキドキする。

 そうして回復魔法の魔力を流し込んだ。


「こんな感じです。同じ種類の魔力を作れそうですか?」

「んー、水色、かなあ、、」


 ヤマナさんがブツブツ言っている。

 そうして、


「えい、」

 と言って、ナイフで自分の左腕を切った?!

 えええー!


「こうかな、、ヒール!」

 手をかざすと、

 あっ、治っていく!


「ははっ! 出来たぞ! エリス!

 ありがとう! ありがとう!」


「……馬鹿なんですか?

 ヤマナさんは、、

 何考えてんですか!

 自分の腕切るとか!

 回復魔法できなかったらどうすんですか?!

 もおっ!」


「いや、エリスいるから大丈夫だし。」


「はぁ、この人はもぉ、

 そのうち『次元防御』にも手を出しそう、、、

 はっ!」

 やばい、ヤマナさんがキラキラした目でこっちを見てる!


「『次元防御』ってなーに? エリス。」

「だめです! 言えません! 危険すぎます!」


「うーん、調べてみるか、、」

「ああ! もう!

 私は使えないので、習うなら、神官長のロドニー様にちゃんと習って下さい! 次元系の魔法は危なすぎます! 変な習い方や独学は絶対しないで下さい!

 ロドニー様は大陸でも有数の回復系、防御系、次元系の魔法の使い手です。

 ……本当に無茶はやめて下さいね。」

 ああ、本当にもう、、

 この人は孤児院の子供達より心配させる、、


「エリスねーちゃん、転んだー」

 子供の一人が半泣きでやってきた。膝と肘を擦りむいて結構血が出てる。

 毎回ヒールかけてると自己治癒能力が落ちるので、洗って乾かしなさい、と言おうと思ったら、


「エリス、こんな時は一度洗ってからの方が良いのか?」

 とか言ってるし、、


「ふう、はい、ゴミを体に取り込んでしまうかもしれないので、一度洗って砂など落とした方が良いでしょう。回復魔法のかけすぎは毒なので、ゆっくり、少しずつにして下さいね。」


 井戸のところに行き、子供の傷を洗ってやる。

 砂など落ちたことを確認し、


「ゆっくりですよ、」

 ヤマナさんが手をかざし、

「ヒール、、」

 すうっと傷が治っていく。


 一発で覚えちゃったよ、この人、、

 普通は何年も修行して、それでもやっと使えるかわからないのに、、


「りょーしゅさま、ありがとー」

「よかったな!」

 子供の頭を、愛おしそうになでている、


 ああ、わかった、

 ヤマナさんは優しいんだ、

 人を助けたい気持ちが、ずっとずっと強いんだ、、


 魔法を覚えようとする人は、普通は必死だ、

 自分のために、魔法を覚えたいから、


 でも、この人は、優しいんだ、


 魔法覚えたいから、じゃなくて、治したいから、

 だからヒールもすぐに使えたんだ。


「病気とかは治せないのか?」


「難しいですね、今は怪我だけにしておいて下さい。

 ほんとうはカサブタにも意味があるんですよ、さっきみたいな場合も、砂とかがカサブタと一緒に出ていくんです。あんまりヒール使うのは良くないんです。病気は、ちゃんとした治療方法を補助するだけと考えた方が良いです。薬や栄養のある食事の方が大事です。あと、欠損とかも、欠損した状態で傷がふさがるだけです。

 くれぐれもヒールの多用は控えて下さいね、貴族や王族で、子供の頃からヒールをかけすぎて、自己治癒能力がまったくなくなった話もあります。さっきのような怪我は放っておいた方が良いのですよ。」


「そうか、色々ありがとう、エリス」

 ヤマナさんがギュッと抱きしめてくれた。


「もうっ、、あまり心配させないでくださいね、、」

 もうっ、、 でも、ちょっと幸せ、かも、、


 ヤマナさん、この後、また無茶しなきゃ良いんだけど。

 はあ、心配だ、、




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