148. ユウキ、トモナリ、ソウジ vs 足長
[ 返事してください!!
ヒナコさん!!!! ]
アユミの呼びかけも空しく、ヒナコが暮れかけた紫色の空を斜めに横切って墜落していく。
ズゥゥウウウウウウンン、、
戦闘機相手にオーバーヘッドキックを決めた、異常に長い足を持った魔族が、テレシア騎士団や大陸軍に背を向ける格好で着地した。
空中ではひと山の大きさだった足が、今は大木ぐらいになっている。
「……まずは、一匹、、、」
数百メートルの高さでヒナコを撃墜し、着地して右ひざをつき、肩越しに後ろへ目線をやる『地を砕く脚』
その視線を受け、戦士たちは戦慄し動きが止まる。
「コイツだ! 足長だ!! 」
ケビンが叫ぶ。
「「「「「 !!! 」」」」」
[ っ!!!
ソウジ先生! トモナリ! ユウキさん!
前へ!!
後は下がって!! ]
「「「応ッ!!」」」
アユミの声で我に返り、気合を入れなおす戦士たち、
モアイの様な無表情な顔から、かすかに口角を上げる『地を砕く脚』
「俺も! 」
[ ダメ! レオルたちは下がって!! ケビンさんも!]
レオルやケビンでは一撃でやられてしまう、そう判断したアユミは3人の召喚戦士だけを前面に出すことを選択した。
「いきますよ! 『角成竜馬ぁ!!』」
真っ白い炎を噴き出すソウジ、
赤金の炎を噴き出すトモナリ、
青い炎を噴き出すユウキ、
白、赤、青の炎をまとった召喚戦士たちが戦場を駆け『地を砕く脚』に3方向から迫る!!
「ほう、、
戦士たちよ、我は『地を砕く脚』!!
行くぞ!! 」
ドンッ!!
ダッシュで地面を崩壊させながら、一瞬でトモナリとの間を詰める『地を砕く脚』
「!! 『岩砕突!!』」
目の前に迫った巨大な足を、無敵技を使ってガリガリ受け流すトモナリ
[ ソウジ先生! トモナリのカバー!!!]
『地を砕く脚』がトモナリの技を脛で受け流し、振り返ってその後ろから追撃しようとする!
「やばっ、うわわわ!」 目の前に迫る巨大な蹴りに焦るトモナリ
「させん!! 『ランナァァア パァーーンチ!!』」
ドゴォォオオン!!
ソウジが『地を砕く脚』の軸足に放ったアッパーパンチは、わずかにその体をブレさせ、トモナリへの蹴りをそらさせた。
「白い戦士よ、素手で戦うか、おもしろい! 」
ゴッ、ガッ、ゴゴガガガガ!!
ソウジへ嵐の様なローキックの連打を放つ『地を砕く脚』
「!! ぐ、、ぬぅっ!!」 耐えるソウジ、
「『破魔聖剣突きぃ!!』」
青い炎で包まれたユウキが、後ろから『地を砕く脚』の足に突撃する!!
ギャガガッ!!
青い三角錐が足を削るように通り過ぎる!
「!! ちぃ、フン!!」
膝裏を攻められ、よろめいた『地を砕く脚』が、今度はユウキの方を向き、蹴りを放つ!
「ぐぁ!」
吹き飛ばされる青い三角錐、
さらにユウキへ追撃す、、
「『ランナァァ、キィーーック!!』」
をソウジに潰される!
吹き飛ばされ、ダメージを受けながらも、コンビネーションで対応するトモナリ、ユウキ、ソウジ
初めて共に組む3人が、コンビネーションを組めるのは、、
アユミの存在があった。
[ ソウジ先生! バックステップ!]
[ ユウキさん、右へダッシュ!]
[ トモナリ! 敵の着地後左から斬り付け!]
アユミは暗くなっていく夕暮れの中、土煙に覆われる視界の悪い戦場を『盤面掌握』でレーダーの様に認識して指示を行い、攻めどころ、危険な位置などの感覚もそれぞれに伝えていた。
「く、、ふっ、、まだまだぁ!
集中、集中、集ちゅ、、、」
瞬きもせずに目を見開いて戦場を見つめ、流れる鼻血も拭わずに能力全開で対応するアユミ、
刹那の気のゆるみも戦士たちにとって致命的になる!
「ヌゥゥウウウウンンンン!!!」
突然右足を高く上げ、四股を踏む『地を砕く脚』!
ズガァァァアアアアアアアンンンン!!!
『地を砕く脚』の足元から大地が8方向に裂け、大きく揺れる!
振動はあらゆる方向に伝わり、遠く離れたコウガ城の堀の水が大きくはね、城壁が崩れ落ちた!
至近距離にいた召喚戦士3名はその衝撃波の直撃を受けることになる。
「うわ、うわわ!」
「ぐっっ!!」
「何という破壊力、トモナリ! ユウキ! 大丈夫か?!!」
3人の中ではこれまで戦っていたユウキのダメージが明らかに大きい、ソウジはユウキの元に行き、そのマントでかばいながら離脱を計る!
ふと後ろを振り返ると、、
グワァァアアア、、
今度は『地を砕く脚』の左足が天高く上がっていた!!
「やばい! トモナリ離脱しろ!!」
「全力でしてるよ!!」
全速力で離れようとするトモナリと、ユウキを抱えたソウジ、
『地を砕く脚』の左足が地面に接するとそこから、、
大地が巨大な鉄砲水の様に3人の元へと襲い掛かってきた!!
ズズズズズズズゥゥゥゥゥゥ、、、、
「ぐ、、」
「あだだだ、、、」
「……」
土と石の奔流に巻き込まれた3人は、地面に投げ出され、倒れていた。
「随分と楽しませてもらったぞ、、お前たち、、褒美だ、わたし自らとどめを刺してやろう、、」
そういってユウキへと歩み寄る『地を砕く脚』
「っ、、」
朦朧とする意識の中、立ち上がろうとするユウキ、
「ぐ、動け! 動け! 僕の体!」
「ぐおお、立て! 立たんか! 俺の足!」
ユウキに迫る『地を砕く脚』を見て、伏せた状態から必死に立ち上がろうとするトモナリとソウジ
ざわ、、、
『地を砕く脚』が肩から首筋にかけて感じる違和感に歩みを止める、
「なんだ? この感覚は?」
初めて感じる、肌がざわつく感覚に、『地を砕く脚』が戸惑う
ざわ、、ざわざわ、、
「上? 空か?」
空からの気配に見上げると、、
星がゆっくりと動いていた。
空を見上げたまま、数か所視点を変えると、幾千、幾万の星たちはゆっくりと東南の方向に流れるように動いていた。
「 ?? 」
ゆっくりと東南の方向に集まっていった星たちは、最後に空のある一点に吸い込まれるように集まり、そこから地面へと急降下していく!
空からまっすぐ地面に降りていく白い光は、細く細く収束してその輝きを増し、それは光の糸となる、
それを目で下へと追っていくと、、
その光の糸の下には、、
戦場を見下ろす丘の上で、刀を頭上にまっすぐ振りかぶった大上段に構える戦士が、その白く輝く刀で星の光を受けていた!!
「生きていたかぁ!!
白い刀の戦士!! 」
目を大きく見開き、口を横へ歪めて笑い、今まで無表情だった顔を大きく破顔させる『地を砕く脚』
ユウキたちにとどめを刺すことを忘れ、すでに彼の興味は一人の男へのみ向いていた。
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