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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
149/155

148. ユウキ、トモナリ、ソウジ vs 足長


[ 返事してください!!

  ヒナコさん!!!! ]


 アユミの呼びかけも空しく、ヒナコが暮れかけた紫色の空を斜めに横切って墜落していく。




 ズゥゥウウウウウウンン、、


 戦闘機相手にオーバーヘッドキックを決めた、異常に長い足を持った魔族が、テレシア騎士団や大陸軍に背を向ける格好で着地した。

 空中ではひと山の大きさだった足が、今は大木ぐらいになっている。


「……まずは、一匹、、、」


 数百メートルの高さでヒナコを撃墜し、着地して右ひざをつき、肩越しに後ろへ目線をやる『地を砕く脚』

 その視線を受け、戦士たちは戦慄し動きが止まる。



「コイツだ! 足長だ!! 」

 ケビンが叫ぶ。


「「「「「 !!! 」」」」」



[ っ!!!

 ソウジ先生! トモナリ! ユウキさん!

 前へ!!


 後は下がって!! ]


「「「おうッ!!」」」


 アユミの声で我に返り、気合を入れなおす戦士たち、

 モアイの様な無表情な顔から、かすかに口角を上げる『地を砕く脚』



「俺も! 」

[ ダメ! レオルたちは下がって!! ケビンさんも!]

 レオルやケビンでは一撃でやられてしまう、そう判断したアユミは3人の召喚戦士だけを前面に出すことを選択した。



「いきますよ! 『角成かくなり竜馬りゅうまぁ!!』」


真っ白い炎を噴き出すソウジ、

赤金の炎を噴き出すトモナリ、

青い炎を噴き出すユウキ、

白、赤、青の炎をまとった召喚戦士たちが戦場を駆け『地を砕く脚』に3方向から迫る!!



「ほう、、

 戦士たちよ、我は『地を砕く脚』!!

 行くぞ!! 」


 ドンッ!!


 ダッシュで地面を崩壊させながら、一瞬でトモナリとの間を詰める『地を砕く脚』


「!! 『岩砕突!!』」

 目の前に迫った巨大な足を、無敵技を使ってガリガリ受け流すトモナリ


[ ソウジ先生! トモナリのカバー!!!]


『地を砕く脚』がトモナリの技をすねで受け流し、振り返ってその後ろから追撃しようとする!


「やばっ、うわわわ!」 目の前に迫る巨大な蹴りに焦るトモナリ


「させん!! 『ランナァァア パァーーンチ!!』」


 ドゴォォオオン!!


 ソウジが『地を砕く脚』の軸足に放ったアッパーパンチは、わずかにその体をブレさせ、トモナリへの蹴りをそらさせた。



「白い戦士よ、素手で戦うか、おもしろい! 」


 ゴッ、ガッ、ゴゴガガガガ!!


 ソウジへ嵐の様なローキックの連打を放つ『地を砕く脚』


「!! ぐ、、ぬぅっ!!」 耐えるソウジ、


「『破魔聖剣突きぃ!!』」

 青い炎で包まれたユウキが、後ろから『地を砕く脚』の足に突撃する!!


 ギャガガッ!!


 青い三角錐が足を削るように通り過ぎる!


「!!  ちぃ、フン!!」

 膝裏を攻められ、よろめいた『地を砕く脚』が、今度はユウキの方を向き、蹴りを放つ!


「ぐぁ!」

 吹き飛ばされる青い三角錐、


 さらにユウキへ追撃す、、

「『ランナァァ、キィーーック!!』」

 をソウジに潰される!



 吹き飛ばされ、ダメージを受けながらも、コンビネーションで対応するトモナリ、ユウキ、ソウジ

 初めて共に組む3人が、コンビネーションを組めるのは、、

 アユミの存在があった。


[ ソウジ先生! バックステップ!]

[ ユウキさん、右へダッシュ!]

[ トモナリ! 敵の着地後左から斬り付け!]


 アユミは暗くなっていく夕暮れの中、土煙に覆われる視界の悪い戦場を『盤面掌握』でレーダーの様に認識して指示を行い、攻めどころ、危険な位置などの感覚もそれぞれに伝えていた。


「く、、ふっ、、まだまだぁ!

 集中、集中、集ちゅ、、、」


 瞬きもせずに目を見開いて戦場を見つめ、流れる鼻血も拭わずに能力全開で対応するアユミ、

 刹那の気のゆるみも戦士たちにとって致命的になる!



「ヌゥゥウウウウンンンン!!!」

 突然右足を高く上げ、四股を踏む『地を砕く脚』!


 ズガァァァアアアアアアアンンンン!!!


 『地を砕く脚』の足元から大地が8方向に裂け、大きく揺れる!

 振動はあらゆる方向に伝わり、遠く離れたコウガ城の堀の水が大きくはね、城壁が崩れ落ちた!


 至近距離にいた召喚戦士3名はその衝撃波の直撃を受けることになる。

「うわ、うわわ!」

「ぐっっ!!」

「何という破壊力、トモナリ! ユウキ! 大丈夫か?!!」

 

 3人の中ではこれまで戦っていたユウキのダメージが明らかに大きい、ソウジはユウキの元に行き、そのマントでかばいながら離脱を計る!

 ふと後ろを振り返ると、、


 グワァァアアア、、


 今度は『地を砕く脚』の左足が天高く上がっていた!!


「やばい! トモナリ離脱しろ!!」

「全力でしてるよ!!」


 全速力で離れようとするトモナリと、ユウキを抱えたソウジ、


 『地を砕く脚』の左足が地面に接するとそこから、、

 大地が巨大な鉄砲水の様に3人の元へと襲い掛かってきた!!

 

 ズズズズズズズゥゥゥゥゥゥ、、、、




「ぐ、、」

「あだだだ、、、」

「……」


 土と石の奔流に巻き込まれた3人は、地面に投げ出され、倒れていた。


「随分と楽しませてもらったぞ、、お前たち、、褒美だ、わたし自らとどめを刺してやろう、、」

 そういってユウキへと歩み寄る『地を砕く脚』


「っ、、」

 朦朧とする意識の中、立ち上がろうとするユウキ、


「ぐ、動け! 動け! 僕の体!」

「ぐおお、立て! 立たんか! 俺の足!」

 ユウキに迫る『地を砕く脚』を見て、伏せた状態から必死に立ち上がろうとするトモナリとソウジ




 ざわ、、、


『地を砕く脚』が肩から首筋にかけて感じる違和感に歩みを止める、


「なんだ? この感覚は?」


 初めて感じる、肌がざわつく感覚に、『地を砕く脚』が戸惑う


 ざわ、、ざわざわ、、


「上? 空か?」


 空からの気配に見上げると、、

 星がゆっくりと動いていた。


 空を見上げたまま、数か所視点を変えると、幾千、幾万の星たちはゆっくりと東南の方向に流れるように動いていた。


「 ?? 」


 ゆっくりと東南の方向に集まっていった星たちは、最後に空のある一点に吸い込まれるように集まり、そこから地面へと急降下していく!


 空からまっすぐ地面に降りていく白い光は、細く細く収束してその輝きを増し、それは光の糸となる、

 それを目で下へと追っていくと、、

 その光の糸の下には、、

 

 戦場を見下ろす丘の上で、刀を頭上にまっすぐ振りかぶった大上段だいじょうだんに構える戦士が、その白く輝く刀で星の光を受けていた!!



「生きていたかぁ!!

 白い刀の戦士!! 」


 目を大きく見開き、口を横へ歪めて笑い、今まで無表情だった顔を大きく破顔させる『地を砕く脚』

 ユウキたちにとどめを刺すことを忘れ、すでに彼の興味は一人の男へのみ向いていた。


お読みいただき、ありがとうございます。

ブクマや評価、とても励みになります、ありがとうございます。

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