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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
148/155

147. 戦隊


「ふん、やっと出てきたか、魔族ども! 俺が相手だ!!」


 ぞろぞろと出てきた炭のように黒い肌の魔族達に、青く光る剣を突き出し叫ぶユウキ、


≪キョアァ!≫

 一匹の小さい魔族が、手のひらに火球を作り、そのまま突っ込んで来た!

 ユウキの眼前で右手の火球を投げ、続いて左手の長い爪で切り裂いてくる!


 ユウキは火球を左手の盾で難なく払うと、一瞬で魔族と交差しすれ違う!

 真っ二つに割かれた魔族は、ボフッ、という音を立てて黒いチリとなって消えた。


≪モ”ア”ア”ア”!! ≫

≪シューーウゥゥウウ!! ≫

 大型で筋肉質な大斧を持ったウシ頭の魔族と、黒いうろこに覆われた剣と盾を持ったトカゲ頭の魔族がユウキに向かって突進してくる!!


 ガイイィィイイイン!!

 ギャリィン!!


 ウシ頭のショルダーチャージを盾で受け止め、トカゲ頭の剣を片手剣で受け止めるユウキ、


「うおぉぉおおおおお!」

 気合い一閃、ユウキは盾でウシ頭の顔面をつぶれるほどに殴り飛ばし、剣でトカゲ頭を相手の剣ごと切り裂く!



 バササササ!


 後方で黒い蝙蝠のような翼をもった魔族たちが20匹ほど空中に飛び立つ!


 ドン、ドドン、ドンッ!!


 空中の魔族たちがその掌に火球を作り、ユウキの部隊めがけ打ち出す!


「くっ! 『斉城せいじょう』!!」

 ケビンが正面の火球は防ぐが、部隊全体を防御するまでは追いつかない!

 いくつも着弾し、部隊に被害が出る!!



「まずいな、、想定以上に魔族の数が多い、、

 それに空中の魔族たち、、

 空を飛べない我々は圧倒的に不利だな、、」

 コウガ城より戦場を見ていたフリードがつぶやく。


 テイヤマ軍、大陸軍側はビスラ軍とよく戦っている、

 だが新手の魔族達との戦闘はユウキに任せるしかなかった。


「く、、ユウキ以外に魔族と戦えているのはケビンだけか、、

 厳しいがあとは的を散らす役にしかたっていない」


 兵士たちはよく耐えている。

 飛び交う溶岩のような火球を受け止め、仲間同士助け合い、ユウキを支えるべくその身を張って戦っている、

 だが人の身で魔族に決定打を与えることができる者はなかなかいない。

 近接型の魔族と接敵した者たちも吹き飛ばされ、つぶされ、焼かれていく!


 ゴアァァアアァァァァ・・・


 大型の魔族の首に咬みついた炎狼が、空中からの氷柱による集中砲火を受け、その魔族とともに消滅する、


 ォォォオオオオオォォンン・・・・


 敵陣を駆け抜けていた雷狼が、範囲攻撃を受け足が止まったところに強力な一撃を受け消滅する、


「ちぃっ! 『ファルコンスラッシュ』!!」


 ユウキの剣から鷹の形をした風の斬撃が飛び、空中の魔族を一体落とす、がその周りの十数体の魔族から、火球や氷柱が飛んでくる!


 ユウキは自分に注意を向かせるために、小高い丘の上で一人、盾をかざし剣を振っていた。

 血と泥にまみれて必死の形相で戦うユウキには、帝都の民に見せているスマートな勇者の面影は全くなかった。


 空を飛ぶ数体の魔族が、空中でさかさまになり、羽根についた鋭い爪を先端にして朝顔のつぼみのように羽根で体を包み回転を始める、そして、、ドリルのように回転したままユウキに向かって急降下してきた!!


 ドシュウゥッ!


「ぐあっ!」


 盾を構えたユウキの左腕がはじかれて大きく上がる!!

 さらに数体の回転する魔族が次々に襲い掛かって来る!!


「がっ!! ぐっ!! このぉ!!」

 幾重もの方向から襲い来る黒い弾丸に耐えるユウキ


「ッ! ユウキ!!

 なんとか! 何とかならんのか!!」

 胸壁きょうへきに手を置き、指先から血が流れるほどに城壁の石を握りしめるフリード





 ドッガァァアアンンンン!


 ふいに戦場の北側で大きな光と爆発が起こる!!

 戦場が静まり、入り乱れる敵味方の視線が、北側に注がれた!!


 夕日に照らされる爆炎をシルエットにポーズを決めて立つ10名ほどの者たち



「お待たせしましたわ!!

 テレシア騎士団、


 参 陣!!」


 白馬に騎乗し、青い生地に白銀のプレートをつけたゴージャスなドレス鎧を着た女性が白銀の籠手こてを付けた右手を前に出して叫ぶ!

 海路を使ってテイヤマへ駆けつけたテレシア騎士団だ!

 コウガ城の北側に船を止め、続々と上陸してくる!!


 そしてテレシア王妃の前に立ち、爆炎を背に戦場へ向かって戦隊ポーズをとる8人の戦士!


「天知る 地知る 我が知る、仮面ランナーホワイト、見 参!!」

「灼熱の戦士、トモナリレッド!」

「大空を駆ける翼、ヒナコブルー、キラッ☆」

「大地を駆ける獣王、レオルイエロー!!」

「ももいろにんじゃ、ルルピンク!!」

「森を守る射手、シェリーグリーン!!」

「なないろのまほうつかい、ろいすれいんぼー!!」

「見た目は子供、お腹は真っ黒、アユミブラック!!」


レオル:(決まった、、のか??)

トモナリ:(僕たちかっこいい?!)

ソウジ:(ふっ、みんな見事だ、通信簿期待しておけ、、)

ロイス:(わーい!! ソウジせんせいありがとー!)

シェリー:(せ、先生、それは職権乱用なのでは?)

アユミ:(なんで私がブラックなのよ、、ちょっとピンク、変わりなさいよ!)

ルル:(やーー!)


ヒナコ:「みんな! いっくよー!」

全員:「「「「「オウ!!」」」」」



「アユミちゃん! テレシア戦隊、戦闘開始!!」

「はい! テレシア様!!

 『盤面掌握!!』」


 大混戦の戦場に対し、アユミが能力を展開する!


[ ヒナコさん、空対空でユウキさんを攻撃している空中の魔族をお願いします!!

 ソウジ先生、シェリー、ロイスは地対空戦闘でヒナコさんを援護!!

 トモナリ、レオル、ルルは前進! 敵陣を切り裂け! ]


「「「「了解ラジャー!!」」」」


「テイク、オフ☆」

 飛び立つヒナコ、空中の魔族に矢と魔法を打ちかけるソウジたち、


「いくぜ! ガンホー、グレイブモードォ!!」

 レオルのガンホーナイフが、長い柄と巨大な刃を持った、なぎなたのような形に変形する!


「僕たちも行くよ! バスターソード!」

 地上を走り、敵陣を切り裂いていくレオルとトモナリ、二人の死角をなくすようにともに駆けるルル、


[グドルトさんはテレシア騎士団本陣の守りを!

 ギルファングさんはレオルたちの後詰を!! ]


「軍師殿、了解!!」

「アユミ殿、了解したァ!!」

 速やかに展開する二つの部隊

 グドルトのドワーフ重装歩兵団は、隊列を組み、城と見まがうばかりの強固な陣を平原に展開する!!

 ギルファングの獣人部隊は、レオルたちが切り開いた敵陣を後ろからさらに斬り広げていく!!


 

「どけどけぇ!! 『ゴオォゥ!!!』」

 レオルの咆哮で吹き飛ぶビスラ軍、その後ろから数体、黒い甲羅の魔族がズンズンと地を揺るがして襲い掛かってくる。


「いくよ! 『岩砕突』!!」

 大剣を前に構え、円錐形の赤光に包まれたトモナリがロケットのように前進し、甲羅の魔族のどてっぱらに穴をあける。


「おらぁあああ!!」

 レオルがガンホーグレイブの背側にある装甲破壊の効果が付いたギザギザで鎧の魔族を袈裟懸けに真っ二つにする。


「……おそいの、、」

 ルルが無音で魔族の背後から肩に乗り、延髄にナイフを突き刺していく。

 

「ガキどもに遅れんなァ! てめえら、いくぜェ!!」

「御意! 御館様!!」

 兄のガルファングを思わせる、青い装飾の入った白銀のプレートメイルをつけ、騎士団の兵たちを率いて前進するギルファング。




「来てくれたか! テレシア騎士団!!」

「テレシア姉さま!!」


 コウガ城より戦場を見ていたフリードとイシュナが歓喜の声を上げる!



[ フリード殿下、アユミです、『以心伝心』で話かけています!]

 アユミが能力でフリードに話しかけてきた。


「おお! アユミ! 援軍感謝する!!」

[ それよりも戦況をお教えください。 フミオ様は?]


「っ、、すまないヤマナは行方不明だ、、」

[ !! 詳しくお願いします!!]


「1週間前、このコウガ城の東にあるテイヤマ城で戦闘があった。その時に異常に足の長い強力な魔族、我々は『足長』と呼んでいるが、ヤマナは森の中でそいつとの戦闘中に行方不明になった。悪いことに『足長』は健在だがヤマナは帰ってきておらず、レパーラが捜索している。この戦場では足長はまだ出てきていない。

 すまない、、」


[ ……いえ、フリード殿下が謝られることは、、、信じて待ちましょう。その前に、、この戦場の魔族どもを叩きます!!]

「ああ、頼むアユミ! 最上位の指揮権を渡す! 『以心伝心』で指示してやってくれ!」

[ はい! 了解しました!!]




 ドゥルルルルルル!!


 空中の魔族がまた一体ヒナコの機銃で落とされる!!

 数体の魔族が、機動力で勝てないことを悟ったか、空中で浮いたまま腕を突き出して魔法を放つが、正面から高速で突っ込んでくるヒナコの機銃と、ソウジ、シェリー、ロイスによる地上からの攻撃を受けてどんどん落ちていく!!


「ユウキ! 大丈夫?」

「はぁっ、はぁっ、トモナリか?! 助かった、ありがとう、ナイスタイミングだ!!」


「ケビンさん!」

「レオルか?! ルルも! よく来てくれた!!」

「えへへー、」

 ケビンの周りの魔族をあっという間に片付けるレオルとルル


「二人とも、、しばらく見ない間に大きくなったな、、」





 空中ではヒナコと魔族のドッグファイトが繰り広げられていた。

 一人ですでに10体以上の魔族を落としているヒナコ、


「あと一体!!!」

 ドゥルルルルルル!!


 空を飛んでいた最後の魔族が落ちる!!




 ゴッバァァッッ!!


 ヒナコが空中にいた最後の魔族を落とした直後、敵軍後方の丘が、いきなり放射状に崩壊し、その中心から何かが垂直に飛び立った!!

 崩壊する地面にビスラ兵と魔獣たちが巻き込まれ、悲鳴を上げながら生き埋めになっていく。




[ ヒナコさん!! 前!!]


「えっ?

 !!!!

 きゃぁああ!!」


 空を飛んでいるヒナコの目の前に、いきなり直径数十メートル、高さ百メートルほどの黒い巨岩が現れ、急速に迫ってきた!!


 ズガァァアアアアアンンンン!!



[ ヒナコさん!!

  ヒナコさん!!

  返事してください!!


  ヒナコさん!!!! ]


 アユミの問いかけにも応答は無く、ヒナコは破片をまき散らし煙を上げ、暮れかけた紫色の空を斜めに墜落していった。

お読みいただき、ありがとうございます。

ブクマや評価、とても励みになります、ありがとうございます。

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よろしければこちらもどうぞ。 え? 職業ですか? ガテン系ですけど、、
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