146. 反攻
「勇者につづけ!!」
「「「オオオーー!!」」」
城門から出てきた帝国親衛隊がユウキを追って走り出す!
炎狼によりダメージを受けた魔獣達を、槍で突き、刀で斬り伏せ、橋から叩き落としていく!
「ケビン隊長! 大丈夫ですか!? これを!」
親衛隊の1人がケビンとイシュナの元に駆け寄って青い液体の入った小瓶を渡す。
「『元』隊長だよ、大丈夫だ。ポーションは助かる、これでもう一働きできる!」
「?!、無茶ですよ、隊長! ボロボロじゃないっすか!」
「ふん、このぐらい無茶のうちには入らん。それに久しぶりにお前達と一緒に戦えるんだ。」
「はあ、止めても無駄なんでしょうねぇ、、じゃあ行きましょうか、隊長!」
「『元』隊長だ、」
「わ、私も!」
「いや、イシュナはその怪我では無理だ、それにここからは魔獣ではなく魔族が出てくる。下がってくれ。」
「……わかりましたわ、必ず帰ってきて下さいね、ケビン、」
「ああ、わかった、イシュナ、」
イシュナを置いて、橋を駆けていくケビンと親衛隊員、
「ヒュウ〜、いつの間に王女様のハートを射止めたんですか?
『元』隊長?」
「茶化すな、戦友だよ、共に死線をくぐり抜けてきたな。」
「こりゃ『隊長』じゃなく『陛下』とお呼びする日も近そうですね。
そしたら高給で雇って下さいね〜」
「薄給でこき使ってやるよ、」
昔の部下に、ニヤリと笑いながら答えるケビン、大分余裕が出てきたようだ。
そうして軽口を叩きながらユウキを追って2人は走った。
橋の上の魔獣とビスラ兵は、勇者ユウキと親衛隊達によってあっという間に駆逐され、今は敵陣に打って出るところであった。
「はあぁぁぁああああ!!」
自分の身の丈の倍もある魔獣を、次々と斬り伏せながら進んでいくユウキ、
正面からでは敵わないと見るやその後ろに回りこもうとする魔獣や魔人達、
させじとユウキの背中を守るべく、突き進む親衛隊員達、
ユウキと500名の親衛隊達は、敵陣をズタズタに切り裂いて進んでいった。
「うわ、うわ、うわわ、」
「い、いけよ魔獣共! ほら、ほらぁ!!」
< グ? グギュウ、、>
< ガ、ウゥウ、、>
ビスラ兵達の動揺が、使役する魔獣たちにも伝播する。
「うおぉぉぉおお!! 『雷狼召喚!!』」
ウォォォォオオオオオオオオオォォォォンン!!
バヂッ! バヂヂヂヂ!!
炎狼に続いて巨大な雷狼が召喚される!!
「蹂躙しろ!! 『炎狼』『雷狼』!!」
ゴウォオオオオ!!
バヂッバヂヂヂヂッ!!
弧を描いて敵を焼きながら、薙ぎ払うように走る炎狼、
ジグザグに走りながら、触れただけで敵を感電させる雷狼
その後ろに続く勇者ユウキと帝国親衛隊
そして、、
ついにビスラ軍の本陣めがけ突撃を敢行する!!
「き、きた!!」
「おい! なんとかしろよ!! おまえら!」
「閣下!! お下がりください!!」
「魔人兵団、いけ!!」
「「「うおぉぉおおお!」」」
人の形をしたまま、片足や指、片腕、頭、いろんなところを肥大化させて頭上から叩きつけるようにユウキ達に襲い掛かる魔人たち!
『斉城!!』
ユウキに追いついたケビンが空中に黒い盾を展開し、敵の攻撃から隊を守る!
『飛燕剣!!』
攻撃を防がれ、宙に浮いた状態の魔人たちを、、、
ユウキの剣がバラバラに切り裂いていく!!
ヤマナと闘った時には2連撃であった『飛燕剣』も、今は一瞬の間に無限とも思える斬撃を放っていた。
ビスラ軍の防衛を突破したユウキ達がそのまま敵本陣になだれ込む!!
「ひ、ひい! わ、和平を!!」
「いまさら都合のいいことを言うんじゃない!!」
「あ、ガ、、ァァアアアアッ!!」
身なりのいい敵将を切り伏せるユウキ、
「よし! 本陣は落とした!! 掃討に移る!!」
「「「おおーー!」」」
「勇者が敵本陣を獲ったぞ!!」
「我らも城より討って出るぞ!!」
「「「うぉぉぉおおおお!」」」
本陣周りの敵兵を討ち始めるユウキと帝国親衛隊達、
コウガ城からも兵達が討って出てくる!
本陣を討ったとはいえ、コウガ城前の平野にはまだまだ敵兵と魔獣達がひしめき合っている。
大陸軍テイヤマ軍とビスラ軍は一気に全面衝突のような形でぶつかり合った。
≪ザコタチデハ、コンナ、モンカ、、≫
≪マジン、ト、イウガ、モトハ、ヒト、、
ワレラノ、オンケイヲ、ウケテモ、コノテイドデアロウ≫
≪フ、ン、、 コロセバイイノデアロウ≫
≪アシ、サマヲ、ワズラワセルヨウナコトガ、アッテハイカン≫
敵陣後方から、あふれだす漆黒の瘴気、
「出たな、、ここからか、、」
魔族の瘴気を感じ、身構えるユウキ、、
≪ジャマ ダ、、≫
魔族の内の一体が右手を振り払うと、、
「ぎゃあああぁぁあああ!!」
< グギャァァアアアア!>
ビスラ軍の後方が炎で包まれる!!
焼き払われ、燃えながら倒れるビスラ兵や魔獣を踏みつぶしながら、、
その炎の中から、真っ黒い鎧の様な皮膚に覆われた大小の魔族たちが数十体現れた。
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