138. ウワンとサワン
※文中に残酷な表現が入っています、ご注意ください。
「ヒール、、」
俺を囲んでいた数十匹の魔獣を斬り伏せ、レパーラの元にたどり着きヒールをかける。
他に比べ強力な魔獣を相手にしていたレパーラはボロボロになっていた。出血が続いているところを優先して治癒を施す。
レパーラの前には、全く武装していない、村人の様な格好をした2人の青年が立っていた。
「ご主人様、、こいつら、」
「ああ、わかっている。」
俺とレパーラに睨まれながらもヘラヘラしている2人組、外見は人間だが中身は違うな。
「こんにちは、獣人の嬢ちゃんと戦士さん。」
「僕たち人探しをしてるんだけど教えてくれないかなあ?」
大げさに上半身を揺らし、手を振りながら話しかけてくる。
「「……」」
怪しげな2人組に身構える俺たち。
その間にも無詠唱でレパーラにヒールをかけ続ける。
「あれあれぇ〜? そんなに警戒しちゃって?」
「僕たち、教えて欲しいだけなんだけどなあ〜」
無駄にオーバーなジェスチャーがウザい、、
「いいよ、ヒールぐらいいくらでもかけなよ〜」
「うん、その間に体に聞くからさあ!!」
来る!
左に立っていた奴が右腕を後ろに振りかぶったと思ったら、、急に腕が伸び、しなって上から降って来た!!
散開する俺とレパーラ!
ズドオオォォオオン!!
地面に叩きつけられる大木のような右腕、
「アッハッハ、なにしてんの? 『ウワン』避けられちゃってるじゃん!」
「ちぇっ、すぐ死なない程度に潰そうとしたのに、上手くいかないなぁ、
手伝ってよ、『サワン』」
「ああ、いいよ〜」
ズゴォン!
ドゴォ!
巨大化した右腕を振り回す男と、同じように巨大化した左腕を振り回す男が、周りの木々をなぎ倒しながら暴れる。
確かに強力な力を持った連中だが、『指』の時のような特殊効果は無さそうだ。
ヒヒュン!
大木のような腕に斬りつける!
傷口からは血は出ないが、黒い瘴気のようなものが噴き出した。
「んんー、こんな傷すぐに治って、、え? なんで? いつもはすぐ塞がるのに??」
驚いた顔をする右腕の男、
「え? え?」
右腕の男が俺を相手にし、驚いている間にレパーラが男の脇を走り抜ける!
吽刀の銀色の一閃
「えれ?」
ごろっ、、
右腕の男の頭が落ちた。
「アッハッハ、『ウワン』のば〜か!」
腕や首をぐるんぐるん回しながら笑う左腕の男。
「ふうん、君たちが『アシ』様が探していた人達だね。うんうん、シンガットでなくテイヤマに来たんだね。うんうん、」
こいつら、、まさか、、
「君たちを待っていたんだよ〜、こっちに来てくれてありがとう、今度はシンガットに行ったみんなも呼んで来るからさ!
テイヤマ城で待っててね!」
「逃すかあ!!」
縮地で真っ正面から詰めて斬りかかる!
レパーラも同時に横から斬りかかる!
が、奴は左手の掌を地面に叩きつけ、一気に左腕を巨大化させ、その反動ではるか後方へ飛んで行った。
左腕には斬りつけたが、奴の逃亡を妨げることは出来なかった。
「じゃあ、
まー
たーー
ねーーー、、、」
くそ、、逃げられたか、、
だがそれよりも、、、
ここは戦場になる!
テイヤマ城から民衆を避難させなければ!
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