137. 阿 吽
「レパーラ!! 今行く!!」
ご主人様が叫ぶ中、あたいは魔獣に囲まれ、前後左右から攻められていたニャ、
ガギャ! バギン!
ぐっ、これで8本目のナイフが折れたニャ!!
あとは、、
阿刀と吽刀、、
仕方ないニャ!!
これしか残ってニャいニャ!!
ズバン! ドン!
く、このなまくら、まるで薪で殴ってるだけのようニャ!
当然この硬い魔獣共には効かニャイニャ!!
<ボォォオオオ!><ブオォォア!>
手足が細長く、ぎょろぎょろとした目、太く硬い針のような黒い毛、そして全身を覆う太い血管の様な筋、
あたいの周りを囲むこの6匹、こいつら、あきらかに他の魔獣共より硬く、早く、鋭いニャ!!
<ボァア!!>
ガギィン!
ぐっ、すれ違いざまに斬っても、、殴っただけのようだニャ!!
「いい加減にするニャ!! 『阿刀』『吽刀』!!!」
『猫風情が!』『……殺すぞ、、、』
応えた?!
ゴバァ!
阿刀から炎が噴き出し、近くの魔獣を吹き飛ばしたニャ!!
シュバッ!
吽刀から銀色の光が放たれ、一匹の魔獣を切り裂いたニャ!!
こいつら、、こんな力を!!
「戦えるじゃニャイか!! 力を貸すニャ!! 『阿刀』『吽刀』!」
『おい! なに我らに命令してんだ!!』『……、、、』
『『殺すぞ!!!!』』
阿刀と吽刀が同時に叫んだ瞬間、、、、、、
あたいは白い世界へと飛ばされたニャ、
「う、、、にゃ、、ここは?」
『おい、クソ猫!』『……、、、』
あたいは白い空間に放り出されていたニャ、、
目の前には大きな赤い犬と青い犬、
わかるニャ、
筋肉質な体を炎のように揺らめく赤い毛でおおわれ、口を開けっ放しで炎をこぼしている方が阿刀、、
細く締まった、金属のような体を青い毛でおおわれ、口を閉じて周りの空気まで締め付けてそうな方が吽刀、、
「『阿刀』『吽刀』! 頼むニャ!
力を貸して欲しいニャ!!」
『我らが、キサマの様な薄汚い猫のいう事をなぜ聞かねばならぬ!!』
『……、、、』
「今はそんなこと言っている場合じゃニャイニャ!!
人々が襲われているニャ!
助けたいニャ!!」
『フン、、奴隷猫ごときになぜ従わなければならぬ!』
『……我らは生まれながらにして神獣、、、』
こいつら、、
でも、逃げる人達やご主人様のために、、
あたいは戦わなきゃいけニャイニャ、、、
奥歯を噛みしめて、、
頭を下げる、、
「お願い、、
します!
あたいに、力を貸して欲しいニャ!!」
『あ"あ"?!』『……フ、ン、、、』
「なにがダメニャ? 教えて欲しいニャ、」
『セントレオンが授けたとは言え、我らより弱い者に従えるか!』『……、、、』
阿刀が口から炎をこぼしながら吠えるように答え、吽刀が同意したように刺すような目で睨んでくるニャ、、
「あたいが、、
力を示せば、力を貸してくれるんだニャ?」
腰を落として、
構える!
『!! いい度胸だ!』
『……死ね、、、』
阿刀と吽刀が毛を逆立てて構える!!
阿刀は前足を踏ん張り、口を大きく開け、炎をためる!
吽刀は絞るように低く構え、今にも飛び掛からん様子ニャ!
空気の密度が急激に高まるように感じ、あたいの頬を冷たい汗が落ちる、、
「長靴、、頼むニャ、、」
セントレオン様からもらった『猫の長靴』から、あたいの呼びかけに答えるように力が流れてくる、、
こんな状況でも味方になってくれる、、
ありがたいニャ。
『ゴォアアアアアア!』
阿刀が大きく開けた口から炎を吐いたニャ!!
範囲が広い!
長靴の力を借りて全力で避けるニャ!!
『……』
死角から吽刀が音もなく飛び掛かってくるニャ!
飛びナイフのように空を切り裂いて吽刀の爪が襲ってくるニャ!
ギャリィン!!
すれ違いざまに最後の懐刀としてとっておいた、ご主人に貰った短刀で斬り付けるニャ!!
『グ、、キサマ、、』
顔から横腹にかけて大きく切られ、伏せる吽刀!
『ゴァァァアア!!』
また大きく炎を吐く阿刀!
おまえ、そればっかりニャ、
素早く、炎を吐く阿刀の裏(背後)を取り、首に短刀をあてる、、
『ぐっぅ、、お、の、れ、、』
「頼むニャ、協力してほしいニャ、、
あたいは勝たなければいけないニャ、
理由は、、わかるニャ?
だから、、、
あんたたちの力を貸して欲しいニャ、、、」
『……兄者、、認めようではないか、、
これ以上は本当に我らの誇りを失ってしまう、、』
『そうだな、吽刀、、、
レパーラよ、、、
いや、我らが主よ、、
我らは、、
其方を主と認め、力を振るうことにしよう!!』
「ありがとうニャ!!」
『『主よ、礼は不要、我らに命令を!』』
「ああ、魔獣と魔族をぶっ潰すために力を貸して欲しいニャ!」
『『御意!!』』
「はぁぁぁあああああああ! 阿刀!!」
ゴッ、バァァァアアアアアア!!!
<グボ!><ボアッ!>
阿刀が放った爆炎で魔獣達が吹き飛び、
「吽刀!!」
ヒュババババッ!!
吽刀が銀色の剣線を走らせ、魔獣を斬り裂いていく!!
「はあっ! はあっ! やったニャ、、」
魔獣は撃退したけど、、それまでに受けたダメージが大きすぎるニャ、、
身体中キズだらけで、血が止まんニャイニャ、、、
「おいおい、やってくれんじゃないの、この獣人の嬢ちゃん、」
「へぇ、、『アシ』様からお借りした魔獣たちがやられちゃうなんて、、
僕らきっと怒られちゃうなぁ、」
魔獣が倒れた後に木の陰から現れたヘラヘラ笑う二人の人間、
でも、こいつら、、
ドブ臭い魔族特有の匂いがプンプンするニャ!!
お読みいただき、ありがとうございます。
ブクマや評価、とても励みになります、ありがとうございます。




