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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
138/155

137. 阿 吽

「レパーラ!! 今行く!!」

 ご主人様が叫ぶ中、あたいは魔獣に囲まれ、前後左右から攻められていたニャ、


 ガギャ! バギン!


 ぐっ、これで8本目のナイフが折れたニャ!!


 あとは、、

 阿刀あとう吽刀うんとう、、

 仕方ないニャ!!

 これしか残ってニャいニャ!!


 ズバン! ドン!


 く、このなまくら、まるでまきで殴ってるだけのようニャ!

 当然この硬い魔獣共には効かニャイニャ!!


<ボォォオオオ!><ブオォォア!>


 手足が細長く、ぎょろぎょろとした目、太く硬い針のような黒い毛、そして全身を覆う太い血管の様な筋、

 あたいの周りを囲むこの6匹、こいつら、あきらかに他の魔獣共より硬く、早く、鋭いニャ!!


<ボァア!!>

 ガギィン!


 ぐっ、すれ違いざまに斬っても、、殴っただけのようだニャ!!


「いい加減にするニャ!! 『阿刀』『吽刀』!!!」

『猫風情が!』『……殺すぞ、、、』

 応えた?!



 ゴバァ!

 阿刀から炎が噴き出し、近くの魔獣を吹き飛ばしたニャ!!


 シュバッ!

 吽刀から銀色の光が放たれ、一匹の魔獣を切り裂いたニャ!!


 こいつら、、こんな力を!!


「戦えるじゃニャイか!! 力を貸すニャ!! 『阿刀』『吽刀』!」


『おい! なに我らに命令してんだ!!』『……、、、』

『『殺すぞ!!!!』』


 阿刀と吽刀が同時に叫んだ瞬間、、、、、、

 あたいは白い世界へと飛ばされたニャ、






「う、、、にゃ、、ここは?」

『おい、クソ猫!』『……、、、』

 あたいは白い空間に放り出されていたニャ、、


 目の前には大きな赤い犬と青い犬、


 わかるニャ、

 筋肉質な体を炎のように揺らめく赤い毛でおおわれ、口を開けっ放しで炎をこぼしている方が阿刀、、

 細く締まった、金属のような体を青い毛でおおわれ、口を閉じて周りの空気まで締め付けてそうな方が吽刀、、



「『阿刀』『吽刀』! 頼むニャ!

 力を貸して欲しいニャ!!」


『我らが、キサマの様な薄汚い猫のいう事をなぜ聞かねばならぬ!!』

『……、、、』


「今はそんなこと言っている場合じゃニャイニャ!!

 人々が襲われているニャ!

 助けたいニャ!!」


『フン、、奴隷猫ごときになぜ従わなければならぬ!』

『……我らは生まれながらにして神獣、、、』


 こいつら、、

 でも、逃げる人達やご主人様のために、、

 あたいは戦わなきゃいけニャイニャ、、、


 奥歯を噛みしめて、、

 頭を下げる、、

「お願い、、

 します!

 あたいに、力を貸して欲しいニャ!!」

『あ"あ"?!』『……フ、ン、、、』


「なにがダメニャ? 教えて欲しいニャ、」

『セントレオンが授けたとは言え、我らより弱い者に従えるか!』『……、、、』

 阿刀が口から炎をこぼしながら吠えるように答え、吽刀が同意したように刺すような目で睨んでくるニャ、、



「あたいが、、

 力を示せば、力を貸してくれるんだニャ?」

 腰を落として、

 構える!


『!! いい度胸だ!』

『……死ね、、、』


 阿刀と吽刀が毛を逆立てて構える!!


 阿刀は前足を踏ん張り、口を大きく開け、炎をためる!

 吽刀は絞るように低く構え、今にも飛び掛からん様子ニャ!


 空気の密度が急激に高まるように感じ、あたいのほほを冷たい汗が落ちる、、

「長靴、、頼むニャ、、」

 セントレオン様からもらった『猫の長靴』から、あたいの呼びかけに答えるように力が流れてくる、、

 こんな状況でも味方になってくれる、、

 ありがたいニャ。


『ゴォアアアアアア!』

 阿刀が大きく開けた口から炎を吐いたニャ!!

 範囲が広い!

 長靴の力を借りて全力で避けるニャ!!


『……』

 死角から吽刀が音もなく飛び掛かってくるニャ!

 飛びナイフのように空を切り裂いて吽刀の爪が襲ってくるニャ!



 ギャリィン!!


 すれ違いざまに最後の懐刀ふところがたなとしてとっておいた、ご主人に貰った短刀で斬り付けるニャ!!


『グ、、キサマ、、』

 顔から横腹にかけて大きく切られ、伏せる吽刀!


『ゴァァァアア!!』

 また大きく炎を吐く阿刀!


 おまえ、そればっかりニャ、

 素早く、炎を吐く阿刀の裏(背後)を取り、首に短刀をあてる、、


『ぐっぅ、、お、の、れ、、』


「頼むニャ、協力してほしいニャ、、

 あたいは勝たなければいけないニャ、

 理由は、、わかるニャ?

 だから、、、

 あんたたちの力を貸して欲しいニャ、、、」



『……兄者、、認めようではないか、、

 これ以上は本当に我らの誇りを失ってしまう、、』

『そうだな、吽刀、、、

 レパーラよ、、、

 いや、我らがあるじよ、、

 我らは、、

 其方を主と認め、力を振るうことにしよう!!』



「ありがとうニャ!!」

『『主よ、礼は不要、我らに命令を!』』


「ああ、魔獣と魔族をぶっ潰すために力を貸して欲しいニャ!」

『『御意!!』』






「はぁぁぁあああああああ! 阿刀!!」

 ゴッ、バァァァアアアアアア!!!

<グボ!><ボアッ!>

 阿刀が放った爆炎で魔獣達が吹き飛び、


「吽刀!!」

 ヒュババババッ!!

 吽刀が銀色の剣線を走らせ、魔獣を斬り裂いていく!!


「はあっ! はあっ! やったニャ、、」

 魔獣は撃退したけど、、それまでに受けたダメージが大きすぎるニャ、、

 身体中キズだらけで、血が止まんニャイニャ、、、



「おいおい、やってくれんじゃないの、この獣人の嬢ちゃん、」

「へぇ、、『アシ』様からお借りした魔獣たちがやられちゃうなんて、、

 僕らきっと怒られちゃうなぁ、」


 魔獣が倒れた後に木の陰から現れたヘラヘラ笑う二人の人間、

 でも、こいつら、、

 ドブ臭い魔族特有の匂いがプンプンするニャ!!

お読みいただき、ありがとうございます。

ブクマや評価、とても励みになります、ありがとうございます。

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