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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
121/155

120. ホテル・セントレオン


「あなた!!」

「エリス!!」

 目の前には、白地に青の装飾が入った神官服を着たエリスが立っていた。

 エリスのもとへ走り寄ろう、と、したが、左腕にアユミが全力でしがみついていた、、

「む~、」とか言いながら涙目になっている。


「アユミ、大丈夫、、」

 何が大丈夫かは知らないが、アユミを撫でて手をつないだままゆっくり歩き、ゼンの神殿の祭壇を下りる。


「あなた、どうして?」

「ああ、セントレオンに会ってな、転送の石板の使い方を教えてもらった。さっきまでアルパウト山脈の反対側にいたんだよ、俺もアユミも。」

「セントレオン様に!! 会ったのですか?!」


「ああ、『腕っぷし試してやる』とか言いやがってな、あのヤロウ、

 結局、物凄い「どつきあい」になって、良いの一発もらっちまったよ。マジで体がバラバラになるかと思った。

 まったくとんでもない脳筋ヤロウだったよ。ありゃ間違いなく、魔法じゃなくって拳で魔族をぶっ飛ばしていたな。」

「あきれた、、ホント楽しそうに戦いの話をするのね、、あなたも十分脳筋よ。セントレオン様と戦うなんて、

 まったく、、ふふ、、」

 そう言ってエリスが俺の頬を撫でる。


「ああ、まったくだよ。はやくテリクスに帰りたいよ。」

「うふふ、という事は、もうちょっとかかるのでしょ、良いわよ、しっかり働いてきてね、あなた。」

「ああ、エリス、」



「ヤ、ヤマナ様、、セントレオン様と会って、戦ったとは、、」

 お、白いひげに白い髪、セントレオンと違ってお手本のような老神官、ロドニーだ。


「おう! ロドニー、久しぶりだな! ああ、殴り合って、分かり合ったよ、はっはっは!」

「な、なんと、、セントレオン様と、、」

「ああ、それでな、祭壇の石板だが、大陸各地に転移できるそうだ、俺しか使えんがな。これからちょくちょく使わせてもらうからよろしく。」

「は、はあ、、、」



「あ、、、りょーしゅさま、、」

 お! シェリーの弟のロイスだ、神殿の広間の入り口で俺を見て固まっている。


「おお! ロイス! 元気だったか?!」

「……おねーちゃんは?

 ねぇ!! おねーちゃんは?!

 う、ぐすっ、う、ううう、、」


 やばい!! この前兆は!


「う”う”う”う”う”あ”あ”~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!

あ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! あ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! あ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! あ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! あ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! あ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! あ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! あ”~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」


 ひぇぇぇえ、神殿が崩れそうな勢いで泣くロイス、これはやヴぁい!

 こいつ! 泣き声に魔力乗せてやがる!!

 とんでもない魔力量だ、魔道士の素質あるぞ!!


「ふ! ふみおさま!」

「え? なんだって? アユミ! よく聞こえん!」

「ふ! み! お! さ! ま! すぐ! シェリーちゃん! を! 連れて! 来て!!」

「わかった!! ロイスを頼む!」

「はい!」


 急いで祭壇に戻りセントレオンの大神殿に飛ぶ!!




「はあっ、はあっ!」

「「師匠!」」「ダーリン☆」「フミオ様!」


「お、どうした、すぐ帰って来て。なんかあったか? ヤマナ。」

「ああ、セントレオン、ちょっとな、、」

 ふう、と一息つく。 魔力は、、よし、まだまだある。


「シェリー! お前はゼノラウトに帰すぞ! みんなに挨拶しろ!」

「え?! わたし、、まだみんなと、、」

「ロイスが待ってる! 弟を泣かすな!」

「!! ロイス、、ああ、ロイス!」


「なんだ、嬢ちゃん、弟を置いて来たのか?」

「……はい、すみません、セントレオン様、、私は、」

「ああ、早く会いに行ってやんな。大事なことだ。また遊びに来いよ。」

「はい! ありがとうございました、セントレオン様! 皆さん、ありがとうございました!」

「ああ、またな、シェリー」

「うむ、ヤマナと一緒に帝国にも遊びに来い!」

「あとでゼノラウトで会うニャ!」


「よし、シェリー、いくぞ!」

「はい!」

 シェリーと共にゼンの神殿に飛ぶ。




 光が収まり、目を開くと、、

「お”ね”え”ぢゃーーーーんん!!」

 涙と鼻水にまみれたロイスが祭壇に飛び込んでくる!

 う、、思わず後ずさった。

 シェリーは膝をつき、両手を広げてロイスを受け止め、抱きしめる。


「ああ、ロイス、ロイス、ゴメンね、ずっと一人にして。」

「おねぇちゃん、おねぇちゃぁぁん、、」

 うんうん、感動の再会だ。

「ぐしゅぐしゅ、ずるっ、ずるっ、、」

 あ、、、精霊のアームカバーが鼻水まみれに、、、

 哀れ、弓精霊のビリディエット、、


「シェリー、命令だ、俺が帰ってくるまで、ここでエリスとロイスを守れ。」

「はい! フミオ様!」

「アユミは、」

「フミオさまと一緒です!」

「わかった、、じゃあセントレオンのところに戻るか。」

「はい!」


「あなた、ちょっと待って。これを」

 エリスがバスケットを持ってくる。


「ん? エリス、これは?」

「セントレオン様への贈り物よ、ワインとクッキー、干し肉、果物よ。」

「あいつ、メシ食ってる様子はないんだが、、」

「大丈夫、この神殿でのセントレオン様への捧げ物よ。クッキーは私が焼いたの、持って行って。」

「ああ、ありがとう。セントレオンがいらないと言ったら俺が食うよ。」

「ええ、それでもいいわ。」

「ああ、じゃあ行ってくる。」

「行ってらっしゃい、あなた。」

 エリスが俺の頬にキスをしてくれる。

 エリスが離れると、俺とアユミは光に包まれ、セントレオンの大神殿へと飛んだ。




「ふう、結構疲れるな、、」

「ああ、気を付けろよ、転送は危険な事には変わりないからな。ん? なんかいい匂いがするな。」

「ああ、俺の妻がこれを持たせてくれた。セントレオンへの捧げものだってさ。」

 そう言ってバスケットを差し出す。


「おおお! 酒だ! つまみもある!!」

「……セントレオン、お前、思念体なのに飲めるのか?」

「何言ってんだお前、殴れるからには飲めるに決まってんだろ! うひひ、久しぶりの酒だ!」

 無茶苦茶な理論だがこいつが言うと納得してしまう、、


「わかったよ、たまに酒持ってくるよ。」

「おお! 助かる! お酌してくれるおねーちゃんもよろしく!」

 こいつ、ほんとに聖人か?


「おう、飲むぞ、兄弟!」

「……グラスはあるのか?」

「グラスか、、」


 ヒュッ!


 セントレオンはワインボトルを空中に投げ、


 ピッ!!


 空中に人差し指を走らせ、ワインボトルを真っ二つにするセントレオン。


 パシパシッ!


 ボトルの首の部分を逆さまに右手で、底の部分を左手でキャッチする。

 ワインは一滴もこぼれていない。

 なみなみとワインの入った、ボトルの片割れを俺に差し出すセントレオン。


「「カンパーイ!!」」


 ゴッ、ゴッ!

 喉を鳴らして飲むセントレオン。


 ゴクン、

 一口飲む俺、


「なんだ、フミオ、飲みが悪いな。」

「いきなり、こんなに飲めるか! まったく、、」

「あ、注意することが1つある。」

「なんだ?」

「酔っぱらったまま転送使うなよ、この神殿の門の出入りもだ。どこ行くかわからんぞ、二度と返ってこれなくなるかもしれん。」

「それを先に言え――――!! 飲んじまっただろーーが!!」


「まったく、、あ、、」

 ヒナコが俺の手からグラスを取った。


 ゴキュ、ゴキュ、

「おいしーーー☆ ぷはー!」

 もういーや、今日は飲んで寝るか、、



「おう、鼻たれ勇者のアルバートの子孫と、現世勇者! お前たちは俺の杯をのめ、ん?」

 そういって自分の持っていたグラス(?)をフリード殿下に差し出すセントレオン、、


「はっ!! いただきます!」

 フリード殿下が震える手でボトルの下半分を受け取り、ワインを口にする。

 グラスをセントレオンに返すと、セントレオンは一口飲み、ユウキに差し出す。

「いただきます!!」

 ユウキも一口飲む。

「うむ、うむ、」

 満足そうなセントレオン。


「お、このクッキー、うまいな、、」

「ん? どれどれ、おおうまいな、ゼンのクッキーはこんなにうまいのか?」

「ゼンの、というより、私の妻のエリスが焼いたクッキーです。」

「おお! 今度エリスを連れて来なさい!」

「だが断る!!」

「うう、、そんな、、」

 また落ち込むセントレオン、人妻も守備範囲かよ。

「まあ、ワインとクッキーは持ってきますから。」



「はあ、、飲んでしまいましたし、酔いを醒ますまで少し横にならせてもらいますよ。」

「ああ、フミオ、ちょっと待て。」

 そう言って壁に近づき、手を当てるセントレオン、 壁が光ったと思ったら、、扉が現れた。


「寝室を作ったぞ、やり方はまた教える、今日は休みな。」

「ああ、すまん、ありがとう。」

 と言ってドアを開くと、、キングサイズのベッドが一つある、なぜかここだけピンクの照明の部屋だった、、


「おい、、、セントレオン。」

「あ、中古じゃないぞ、今作った新品だ。ただ俺の寝室しかイメージできなくってな、そこでみんなで寝ろ。」

 ニヤリと笑うセントレオン。


「……まったく、、俺は寝る! おやすみ!」

 そう言って布団の中心でおやすみを叫ぶ俺、


「……チャンス! だーいぶ☆」「あ、ずるい!」「ししょー!」「とつげきニャ―――!」

 もう知らん、周りが騒がしいけど、俺は疲れた! 呑んだしもう寝るぞ!!


 おやすみ、Z Z Z Z Z ・・・

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よろしければこちらもどうぞ。 え? 職業ですか? ガテン系ですけど、、
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