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すっぴん召喚のヤマナさん  作者: 座敷犬昼寝中
101/155

100. 怒れる乙女達

 その男は、、、1キロ以上離れた港から、私にまっすぐに刀を突きつけてきた!

「!!! がはっ、、ごほごほっ!!」

 喉を焼かれたような感覚に私はせき込んだ。

 なんだ! 今のは!! まるで喉を刺されたようだったぞ!!

 喉をさすってみるが、、傷はついていない、、だが感覚はまだ熱さを覚えている、、


「何だ、何だあいつは!」

 私は外から見えないよう、窓から身を隠すようにドアへと移動し、塔のラセン階段を駆け下りた。


「ジウマ閣下!!」

 将軍職の一人だ。


「おい!! 賊が海から襲ってきている! 何をやっていた!!

 城門を閉じろ! 兵を集めて撃退しろ!!」

 私は無能な将軍に命令する。


「!! は、ははっ!!」


 …ちっ、命令しないと動けないとは、、つくづく使えん連中め!






「よし! 行くぞお前ら!

 守備隊! 船は任せた! 橋頭保きょうとうほを守り切れ!

 グドルト! ドワーフ隊の半分を連れてこい! アユミを守りつつ進め!

 ケビン! トモナリ! 俺たちは道を開くぞ!! ついてこい!!」


「「「ウォォォオオオオ!!」」」



 俺たちは、百名ほどで敵兵を蹴散らしつつガンガン進む。

 後方から鉄壁のドワーフ隊がアユミを守りながら付いてくる。


「きゃぁぁ!」「ひぃぃ!」

 俺達とベアダイン兵の戦いに悲鳴を上げる住人達。


「抵抗しなければ傷つけん! 武器を捨てて道を空けろ!!」


 港から城門までは一本道ではなかった。

 町は城に向けで段々に作られており、一段上ると、次の段に登るには大きく迂回しなければいけなかった。

 守りやすく攻め難い、よくできている。


 だが、、兵の配置がまったくもって悪い、

 上の段から下の段へ効果的に攻撃できるようには配置されていないのだ。

 この都市を設計した人に怒られそうだな、こいつら。

 むしろ通路を塞ぐように兵を配置しているのだが、そんなもの、正面きってのぶつかり合いなら俺とトモナリに勝てるわけがない。


「オラァ! どけ!」「ウォォォオオオ!!」

 俺の横一文字で敵陣を崩し、そこへトモナリが切り込み、俺が後ろをフォローする、

 離れた敵は放っておくが、後ろに回り込もうとするなら、真っ先にケビン達に斬られる。


[ 右手の高所より、矢の雨が来ます!! ]

 アユミの『以心伝心』だ。


 俺とトモナリは素早く建物の陰に回り込む。

 ドワーフ隊はアユミを囲むように盾を上に掲げ、シェルターを作る。


 バラララララララ、、


 雨のように飛んできた矢がドワーフ隊の盾に当たり、落ちる、


 ヒュッ!


 なっ! アユミめがけて一本の矢がタイミングをずらして飛んできた!


「ルル!」「えい!!」  パシィッ!!

 レオルが左手の盾を掲げて矢とアユミの間に割り込み、ルルがさらにその前にでて両手の小太刀を振るい、矢を叩き落す!


 ヒヒュッ!

 

 シェリーが二本の矢を素早く射つ!


「ぐぁっ!!」

 敵の狙撃兵は喉と胸に矢を受け、屋根の上から転落した。

 ナイスコンビネーションだ、あいつら。




 城に近づくために上層に行くに連れ、抵抗が厳しくなってきたな、、

 市街地を抜け、城の前の広場に出る。


[ 投石機、来ます! 左へダッシュ!! ]

 アユミの合図で、全員が左に走る!!


 ズウウウゥゥウンン!


 さっきまで俺たちが居たところに、巨大な岩が降ってきた。


[ 2基、こちらを狙っています! まだ待って、、今です! 右前方へ走って!]

 全員で走る!!


 ズズゥゥウウウンン!!!


 2発の巨石に地面がえぐられる!


[ レオル、ルル! トモナリさんの背中に乗って!!]


「わかった! ルル、行くぞ!」「うん!」

 二人がトモナリの背中にしがみつく! 


かく なり 竜馬りゅうま!!』

 アユミが叫ぶと、トモナリの体から赤金の気が噴き出す!


[ トモナリさん! 右の塔の窓に向けて『岩砕突』を!]


おう! 『岩砕突』!!」


 ドシュゥッ!!


 トモナリがレオルとルルを背にロケットのように飛び立った!!

 そして窓から塔の中に飛び込む!


 ドゴォオオン!


 塔の中からすごい破壊音がした。

 トモナリの無敵化の内側に居るから、レオルとルルは大丈夫、、なハズだよな、、

 

[ レオル、ルル! 制圧!!]

 小柄なレオルとルルが狭い部屋の中を一気に制圧する。 


[ 投石機の観測班は潰しました! 正門ではなく、その横にある小部屋に入ります! 守衛の部屋に上に登る階段が隠されています!!]

「正門の中で待ち伏せか?」

[ はい! 罠です。扉から入り一旦城門の上に上がり、待ち構えている兵の背後を取りましょう!]

「了解!!」


 隠し階段見つけるわ、待ち伏せがまったく意味ないわ、、

 いやぁ、、アユミの力、ホント反則だわ、、


 一旦城壁に登り、城壁の内側に付いている階段を降りて構えている敵の背後から襲い掛かる。

 トモナリ、レオル、ルルも合流してきた。

 シェリーは数人の兵と城門の上に残り、上から弓矢で敵を狙い撃つ!


 ものの数分で城門の内側の広場を制圧した。






 キィィィイイイイインンン、、


 ヒナコだ、俺はフィオナを光らせて合図をする。


 ギュゥゥウウウンンン


 城内の広場に着陸するヒナコ、


「ダーリン☆!!」

「ヒナコ! よくやった! 敵軍は北に誘われてベアディンの守備兵力はたいしたことない!

 このまま独裁者を討つ! お前はアユミを守ってくれ!!」

「了~解☆!!」


 ベアディア城へ突入する。

「アユミ! わかるか?」

「……すみません、位置を見失いました。『一枚乃栞ブックマーク』の反応が返ってきません。最後に暗く湿ったところを感じました、、おそらく地下道です!」


「よし! 地下への入り口を探すぞ! アユミたちはここで待機、 レオル、ルル、シェリー! 周辺を索敵し警戒しろ。」

「「「はいっ!!」」」 


「ケビン! トモナリ! お前たち! 行くぞ!」

「オウ!」「「「ははっ!!」」」

 俺たちは地下への入り口を探して城内を走りまわった。





「……」

 アユミは集中していた、『一枚乃栞ブックマーク』は外れてはいない、、

 感覚を研ぎ澄ませていると、、


「見つけた! トウセ ジウマ!!」

「どこ! 教えてアユミ!」


「地下から都市を抜け出して、、南に逃げようとしている! もうあんなに離れたところに!!」

「わかった! わたしたちであいつを! ダーリンを傷つけたあいつを討とう!!」

「うん! フミオさまに卑怯な刺客を送ったあいつは許せません! ヒナコさん、誘導します! 一旦東に出てから右旋回して南へ!」

「了解! すくらんぶる! ていくおふ!!」


 ヒュィィィィィィイイイイ、ゴッバァァァアアアンン!


 再び戦闘機形態となったヒナコが飛び立つ!!





 タタカッ、タタカッ、タタカッ、タタカッ、


 くそっ! 下賤な連中を前に、この私が地下道を泥まみれになって逃げ、ベアディアから退くことになるとは!!


「はぁっ、はぁっ!! 南の都市で兵を集め、再起を計るぞ!!」

「「ははっ! ジウマ様!」」


 キィィィィィィィィ、、、


 ん? 何の音だ? 





「アユミ! ナビをお願い!!」

[ はい!! トウセの周りは兵士達だけ、民間人はいません! そこからやや右、ずっと前方にある尖った山に向かって低空で飛んでください!!]

「了解!!」


[ 右方向に5度、騎馬6騎、 カウントします! 4、3、2、1、]

「見えた!! バルカン!!」


 ドゥルルルルルルルル!!


「がっ!」「ぎゃっ!」「ぎぃっ!」


 わずか2秒の斉射で、6騎の人と馬は、土と一緒にミンチにされた。





 ヒュィイイイイイイインン、、


 ヒナコが戻ってくる。

「アユミ、、やったよ、、」

「はい、栞で確認しました、、ヒナコさん、、、」

 二人は抱き合って涙する。



「おまえたち、、」

 いつの間にかそこにいたヤマナを見て、ハッと固まる二人、


 勝手にトウセ ジウマをやったのだ、怒られる!

 歩み寄るヤマナ、身を固くする二人、


「スマン、、辛い仕事をさせた、、、」

 ヤマナはふわりと腕をまわして二人を抱きしめる。


「うゎ、うわぁぁあああん!」

「わぁぁああ、わああああん!」

 ヤマナにしがみついた二人の号泣がベアディアの城内に鳴り響いていた。

 何とか100話まで続きました。読んでくださっている皆様、ブクマや評価いただいた皆様、本当にありがとうございます。

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よろしければこちらもどうぞ。 え? 職業ですか? ガテン系ですけど、、
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