1章5D カリホルニウム
賢太郎、やめろォー。
しかし、遅かった。
ばーん
や、やられた~
僕は、今までの人生を思い返した。
お父さん、お母さん、親不孝でごめんなさい。
そして、和哉の短くも充実した人生は幕を閉じたのであった。(全米が泣く)
…………ん?
見るとみんな平気そうな顔をしているし、僕自身も無傷だ(勢いよく床に転がり込んだので制服が汚れているが)
「あれ?爆発は?」
僕は思わずミクに聞いた。
「爆発?なんのことです?今の音は賢太郎が出したもので、あれはカリホルニウム爆弾じゃなくて水ですよ」
「ななな、なんだってぇー」
「そもそもカリホルニウムなんて高価かつ貴重なもの、普通の学校の科学準備室にあるわけないでしょ」
ミクが続ける。
いや、“普通の”学校ではないと思うけど、この際どうでもいいだろう。
ん?待てよ?
見ると、今までそこにいた上級幹部生がいなくなっていた。
ー逃げられたか?変な茶番やってたから。
いや、違う!
上級幹部生は教室の隅で丸まって震えていた。
「ごめんなさいすみませんもうしませんアジトの場所は言うので命だけは助けてくださいおねがいします」
上級幹部生の威厳とかないの?
そんな上級幹部生に、ミクが近づく。
そして優しく背中を撫でる。
そして優しく囁く。
「さあ、アジトの位置を教えてもらおうか」
〈続〉




