第103話 砂浜だ!水着だ!オーシャンだああああ!
砂浜まで行ったけど、海には入ったことがない作者です(`・ω・´)
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大輝とリリスは叫び声をあげながらもすぐに迎撃態勢に入った。ここでクジラがやられれば、自分達も餌食になることは必須。ならば、やるしかない。......のは、重々承知しているのだが......
「うぇ~~~~~」
「ちょ、こんな時に酔わないでよ!確かに大きく揺れているけども!」
イカとクジラが水中で取っ組み合っているのかこの船体は大きく揺れている。そのせいで大輝の体調もクラッシュ。気分がさらに悪くなったのか思わず床に腕をつけている。それを知ったリリスが怒るのも仕方がない。なんせ今は非常事態。あれほど大きければ、勇者である大輝の力は必要不可欠。
「どうした!......ってでか!?」
「船が揺れたのはこのせいだったのね......というか、大輝!?大丈夫!?」
「むぅ~~~りぃ~~~~~」
「これは重傷だね。私が連れて行くよ」
「待って、大輝のことは私に任せてもらえるかしら?気分が良くなるようなことは知っているから」
「それなら私だって知ってるよ。この世界にはこの世界に合うものがあるんだから」
「「(大ちゃん/大輝)はどっち!」」
「そんなのどっちでもいいでしょうが!レオ、大輝を運んで!茉莉、回復魔法で大輝を治療して!」
「わかったよ~」
自分達が今危機的状況に陥っているにも関わらず、そっちのけで女のバトルを始めるエミュと香蓮にセレネは思わず怒鳴った。そんなのは終わった後でも好きなだけやるといい。しかし、今はそれに行くか行かないかを決める場面なのだ。そこをしっかりして欲しい。
セレネは思わずため息を吐いた。こんな状況で言い合えるのはある意味豪胆とでも言うべきなのだろうか。それはそれとして、あの大きさのイカは災悪だったりしないだろうか。しかし、ミリアの言葉を信じるとすれば、災悪はしばらく出てこないと言っていた。しかも、それは女神からのお告げで。なら、おそらく違うのだろう。
「あのバカがいなくても追い払えるってことを証明してやるわ!」
「それもそうだな。行ってやるか!」
「「さっさと終わらせる!」」
「く、クゥ―ン」
セレネが気合を入れるような言葉を吐くと全員がその言葉に反応した。しかし、若干二名の気合のベクトルが違うので、そのことにレオ(大)が思わず困ったような声を上げた。とはいえ、このイカを討伐することには変わりない。なら、たとえどんな気合が入っていようともそれさえ合えば問題はない。
そして、まず跳び出したのはセレネとエミュ。セレネは背中から羽を生やし、エミュもセレネと同じように部分竜化で翼のみ生やすとそれぞれ挟み込むように攻めていった。それから、クジラに纏わりついているイカの足を切り落としていく。
「ギ――――――――!?」
イカは突然支えがなくなったことに体勢を崩し、思わずよろめいた。そこに俊哉、香蓮、レオ(大)が一気に攻めにかかる。二人と一匹はイカの中心へと目掛けて斬撃を放った。その斬撃は途中で一つに重なり、一直線にイカへと向かっていく。
しかし、イカもそれにはさすがに当たるまいと後ろへ倒れ込むようにして避け、水中を潜っていく。そうなると俊哉達にはなにもできない。それからしばらく警戒してみても、海上へと浮かんでくる様子はない。
「「「「わあああああ!?」」」」
逃げたのかと思い戦闘態勢を解除しようとした瞬間、船体が大きく揺れた。俊哉はすぐに船の端へ駆け寄り、そこから覗いてみるとクジラの横っ腹辺りにイカの足が絡みついている。まさかじゃなくとも、このまま水中へと引き吊り込むつもりなのだろう。
「このままでは不味い」と判断した俊哉はすぐにセレネとエミュに尋ねた。
「セレネ、海面の陰からでもあの黒い手って出せるか?」
「さすがに無理ね。でも、届かせることは出来るわ。つまりは数秒でもあのイカの動きを止められればいいってこと?」
「そういうことだ。それからエミュ、あのブレスをもっと直線的に出せるか?」
「出来ると思うよ。なるほど、そういうことか。なら、セレネちゃんは早速あのイカを固定して!」
セレネは<影の手腕>と<影縫い>を同時併用して、イカの足を黒い手で引きはがすと同時に針で縫うようにして動かないようにした。
そこに部分竜化で空中に跳び出すとクジラの下あたりに向かって、指向性のブレスを放った。それが当たったかどうかわからないが、突然海が熱せられたことでクジラが驚いたのかその場を離れようと勢いよく泳ぎ出した。
俊哉達は船の後方へと向かい先ほどいた場所の様子を見るが、イカの姿はなかった。これではまだあのイカを討伐できたかどうかはわからない。しかし、少なくとも危機的状況は脱したようだ。すると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「お前ら、うぷっ、あのイカはどうした?復活した俺が、うぷっ、退治してぇうぇ~~~~~」
「お前、今のところ本当にいいとこなしだぞ?」
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「空は晴れ!ほどよく見える白い雲またいい!」
「暑い日差しに、キレイな砂浜!どこからも見える水着の女性かな!」
「「その名も海だあああああ!」」
水着に着替えた大輝と俊哉は勢いよく砂浜をかけるとその喜びのままジャンプした。そんな二人を奇異な目で見る人達もいるが、今の二人にはどこ吹く風。そして、目を向けるは水着美女。人族、獣人族、エルフ、海人族と多種多様な美女が着る水着はどれも見ていて目の保養になるというものだ。
「時に大輝、お前はどれが好みだ?」
「そうだな......うーむ、これは難しい。どれも甲乙つけがたい。だが、強いて選ぶなら獣人のあの人かな。ケモ耳にケモシッポに加えて水着って......やばくね?」
「わかる。それもわかるが、俺はエルフのあの森に住んでいる故の雪のように白い肌から魅せる美脚が一番だ」
「なるほど、お前もいい所をチョイスするな。なら、俺は時折見えるあの横ち――――――――――」
「さて、大ちゃん。その先の言葉を慎重に言ってごらん?」
「まあ、言えばどうなるかわからないわけないと思うけど」
「......」
大輝は思わず固まった。なんせ大輝の両肩には軽く脱臼しそうな程の圧が加えられているのだ。しかも、大輝は恐怖で後ろを振り向けなかった。恐らくでもないが、きっと般若のような顔になっているだろうから。
「わああああ!?」
するとその時、突然大輝の体が浮かび上がった。大輝は訳が分からなかったが、下を見てその正体が分かった。
「少しは頭でも冷やしてきたら?」
セレネの黒い手によって体を宙に浮かされた大輝は、その言葉を聞いた瞬間、海に向かって飛んでいった。自分が一体何をしたのか?それが分からないため、謝りようもない。
まさに海へと着水する時、ふと一人と目が合った。それは俊哉である。俊哉は砂浜から頭だけを出した状態でこちらを見ていた。どうやら自分と同じく罰を受けたらしい。そして、あの顔も自分と全く一緒だ。
そして、大輝は海へ落ちた。職業のおかげか随分と遠くから飛ばされたのにも関わらず、ダメージはなかったが。
海の中で思わず目を開けてしまったが、大した痛みはなかった。もしかして、この世界では海でも若干違うのだろうか。しかし、海の青々とした感じはそのままであった。魚が個性的なだけで、一面は幻想的な青の世界であった。
「......」
「さて、どうしたものか」と大輝は思わず考える。それは、今の状況に関して。泳げばいいじゃないかと思われるかもしれないが、実のところ大輝は泳ぐことが出来ない。息はなぜか持っているだけ。逆に言えばそれだけで、苦しいことには変わらない。
しかい、もし職業のおかげでこうして息が持つのだとしたら、今なら泳げるようになっているかもしれない。そう思ってとりあえずクロールっぽい動きをしてみるが、どうしてだろ。全く前に進まず、むしろ下に落ちていく。......あれ?これやばくね?仲間に俺が泳げないこと知ってたやつっていたっけ?
「!?」
そのことを考えた瞬間、大輝はパニックになった。もがいても、もがいても前に進まない。こんな所で勇者溺死みたいな一面は色々な意味でヤバすぎる。するとその時、上の方から何かの影が降りてきた。その影は人の形っぽくいのだが、なにか翼のようなものも見える。
「ごぼぉ(エミュ)!?」
その姿はエミュで竜の翼を活かして一気に下まで降りてきたようだ。そのことに思わず空気を漏らしてしまった。だが、エミュが自分を抱えて一気に海面へと上がっていくようでギリギリまだ持ちそうだ。
「「ぷはっ」」
二人は海面から頭を出すと一気に空気を吐き出し、新鮮な空気を吸った。大輝はさすがにあれほど長く息を止めていたのは初めてなので、疲れが出たような顔をしている。
「大ちゃん、泳げなかったんだね。意外だよ」
「......情けない話だったから言わなかったんだよ。それに、海に来るとは思ってもいなかったから、バレることはなかっただよな」
「ふふふっ、でも、私は大ちゃんのこういう姿も知れて嬉しいな。なんか、出会った時のことを思い出したし。それに......」
エミュは先ほどまでの若々し笑みから一転して大人っぽい雰囲気を醸し出した。そして、大輝の腰辺りに支えていた手を頭まで動かすとそのまま胸元に引き寄せた。 大輝はその行動思わずドキッとさせた。
「こうして、近くにいられるからね」
「~~~~~~~!」
大輝はその言葉を耳元近くで言われて急速に顔が熱くなっていくのを感じた。そして、早く離れようとも思ったが、近すぎて力が上手く入らない。
「私ね、やっぱ竜化できるようになってもついてきて良かったと思うよ。あの時の選択は良かった。今も、きっとこれからもそう思うと思う」
「......そっか」
エミュはニコッと笑った。今度はいつも通りの笑みに戻っていた。まあ、何はともあれ、エミュがこのメンバーでそう思ってくれているのなら、嬉しいものだ。そして、おそらくだが、違う意味も含まっていると思うが。
「ところで、大ちゃん」
「どうした?」
「後で水着の感想言ってもらうからね」
「の、ノーコメントで」
大輝は急に肩が重くなったような気がした。
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