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製鉄②

 製鉄に必要な物は、やはり高温に耐えられる溶鉱炉だろう。

 石炭が無いのでコークスを作ることが出来ないが、それでも良い鉄には高い温度が必要だ。気合を入れて作ろう。



 鉄を熔かす炉には、耐熱レンガが必要だ。

 しかしその製法、成分比率は企業秘密である。一般公開されておらず、俺も知らない。


 では、別ベクトルで耐熱性能が高い素材とは何があるか?

 それならセラミックスである。

 これもいわゆる焼き物の一種で、スペースシャトルにも使われているほど高い耐熱性能を誇る。

 それが作れないなら最強金属・タングステンでも探すしかない。あれの溶融温度は3387℃と、シャレにならないからな。



 知っている範囲で耐熱性能の高いセラミックスはアルミナである。

 アルミナは酸化アルミニウムのことで、これを加圧状態で加熱することでファインセラミックス(ニューセラミックス、アドバンストセラミックスとも言う)になる。


 アルミニウムの入手はわりと簡単。アルミニウム相手に単一分子取出し魔法を使っておしまい。俺にとっては都市一つを落とすために二酸化炭素を大量に作ったときより楽である。量が少ないから。

 これを酸素と反応させ、アルミナにして、形を整え焼成する。出来た物はコランダムという。焼成前のアルミナは粉っぽくて扱いに困るが、コランダムを作るのは難しかった。加圧しながら焼成しないと固まらないし、圧力を加えすぎても駄目なので、力加減を見極めるのが難しかった。何気に焼成温度も2000℃を超えていたし。本当に手間がかかった。


 無色透明のコランダムだが、これに不純物が混じるとルビーとかサファイアになる。たしかクロムが1%以下だったか。サファイアの場合は鉄も少し混ぜていたと思う。

 しかし今はそれについて調べる時間とか余裕が無いので後回し。



 性能テストということで≪鉄壁≫で作った鉄をアルミナブロックの上に乗せ、耐熱テスト。

 期待通りの熱耐性、鉄が溶けても大丈夫だったことを確認。そのまま温度を上げてみるが、鉄よりも長い間、固形のままであり、これを耐熱レンガとして使っても良いことを確認した。





 アルミニウムはそこらへんで簡単に手に入る金属であり、単純に抽出が難しくて貴重品扱いされていただけの存在だ。そこは魔法が解決してくれるので材料は簡単に集まり、炉を一つ作るのに不足しないコランダムが用意できた。

 充分な数のコランダムのブロックを作り、筒状の溶鉱炉を組み上げる。


 溶鉱炉の構造はそこまで複雑ではなく、やや円錐状に、上の方が内すぼみになった円筒である。

 一番下に溶けた鉄を取り出す「出銑口(しゅつせんこう)」、その少し上にスラグ、鉄鉱石に含まれる不純物を取り出す「出滓口(しゅっさいこう)」、更にその上に送風口を作りフイゴを取り付ける。だいたいそれぐらいでいい。

 炉から熱を逃がさないように二重構造にするのは当たり前。上の方に排出されるガスを集めてから複数の除塵機でろ過してそのまま自動的に専用の送風口へ還元する装置も組み込んだ。



 ……古いやり方だと、七輪のようなもので鉄鉱石を木炭と一緒に蒸し焼きにすることで不純物の多い鉄「錬鉄」を取り出し、その後赤く熱せられている状態の錬鉄をで鍛えるというプロセスで鉄を作っていたんだけどね。

 下手に知識があると、ついつい溶鉱炉を作りたくなるのさ。

 鉄を打って鍛えるのは、この古いやり方の名残なんだ。最新の高炉で作った鉄にそんなプロセスは必要ない。


 ついでに鋳型も作っておくかなー。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >不純物の多い鉄「錬鉄」を取り出し それ錬鉄じゃなくて銑鉄じゃないですか? 錬鉄の不純物は少ないです
[気になる点] アルミナをコランダムのブロックにするのはいかがなものでしょうか? 粉体のまま焼結成形するのがセラミクスだと普通じゃないですか? コランダムだと輻射で熱が下がりますし、単結晶では熱伝導率…
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