異文化交流②
蛮族の扱いだが、爺さんからの連絡は伝書鳩こそ使わなかったものの、すぐに連絡が来た。
俺に一任するという内容で。
細かいことを言えば、王国の民としても組み入れていいという保障に加え、嫁として差し出された何人かと子供を儲ける許可が下りたのだ。
ただし嫁にするなどといった事は許されず、認知してもいいけど家名を名乗らせるなという制約はついた。
この件はそれで話が終わりのようなので、魔法も使ってさっさとやる事を終わらせて蛮族の族長に義理立てをする。
族長の青年はようやく肩の荷が下りたのでほっとした様子。
「これから、貴方が、新しい族長。新しい族長、我ら、導いてくれ」
蛮族の一団がこちらに来てから約一月。
片言だった彼も徐々に王国の言葉に慣れ、率いられていた彼女らも全く王国語を喋れない状態から片言で喋れるようになっていた。
今は最低限の生活に関わる言葉しかしゃべれないが、徐々に意思疎通もスムーズになっていくことだろう。
蛮族改め新人の入居者だが、ちょっと前に村を拡張した事もあり、住む場所に困るという事は無かった。
ただ、今はグラメ村の中に住まわせているが、そのうち適当な男衆を連れて外に出す気でいた。
「新しい村、俺が率いる? 本当か?」
「ああ、その方が都合がいい事もある」
彼らの生活習慣を聞いて思ったのだが、彼らは森の民とでもいうべき生活をしていた。
それはエルフ的という訳ではなく、狩猟民族としての在り方だ。
獣相手に狩りを行い、木の実や山菜を採取し、自然と共に生きる生活スタイル。それを崩さずに生きていって欲しいと俺は考えたのだ。
もちろん村で物資のバックアップをするし、村の生活でしか得られないような物は手配するけど。それでも外で生きる民というのは魅力的に思えた。
問題は村の人間が森に適応できるかどうかで、もしもそれが出来なければ子種と物資だけ渡して新人の彼らだけで生活させることになるのだが。男手のほぼ無い現状ではそれが不可能だとはっきり分かっている。
なので、まずは元族長にだけ話を通し、その後、人の募集をかける気でいたのだが。
「むぅ。村で我らが暮らす、難しいか?」
「え? そんな事は無いけど」
「村の生活、豊か、安全。女も子供も、村にいるのが幸せ。元の生活、厳しい。みな、村に残したい」
元蛮族は、蛮族ではなくなっていた。
最初のお客さん待遇は村民より一段二段下の生活をさせていたのだが、それでも元の生活よりもレベルが上だったらしい。
そして上がった生活レベルを落とすことはしたくないというのがこの村長候補の意見である。
まぁ、いい。
多少予定が思った方向に行かないだけで、大枠で考えればちょっと軌道修正をすればいいだけである。
俺はグラメ村とシュクレ村の間に人口200人程度の村を作り、そこを彼に任せることにした。
事務処理とかはともかく、リーダーシップの面ではそこそこ頼れるようだし仲間相手なら面倒見もいい。言語学習能力を見ても馬鹿ではなさそうだし、教えればいろいろ出来るようになるんじゃないかな。多少フォローするだけでなんとかなるだろう。
俺は畑仕事などに不安を感じる新村長を説得し、次の事を考えていた。
いや、その前に奴隷の手配が先か。




